国際会議ー2
国際会議より時間はさかのぼる
会議の日程を各国と九世に送った聖都は
事前の会議を行っていた。
「会議が始まってまず詰められるのは、嵐の厄災か。」
「でしょうなあ。異世界人の、、、、、「しんやです。」おお、そうだそうだ。しんやというものがいなければ、ミルティコアがどうなっていたことか。」
「まったくですなあ。神たるオリヴィア様からの試練もあの聖女が引き起こした悲劇」
「まったくもって嘆かわしい、、、そうは思いませぬか?騎士団長殿?」
「、、、、、、、、、」
「その子に言っても何にもなりませんよ。その子もまた被害者なんですから。」
「しかし、、、、」
「そうはおっしゃいますが氷河の厄災は神託が下ったのは良かったものの、今後の厄災の復活の神託が下るかどうか、、、」
「聖都がこの地に移されてから復活の神託を授かれなかったのはこれが初めて、、、聖都の信用の問題として理由を説明せねばなりません。今、聖女様が神託を授かるべくお祈りをなされていますが、そこで今回の問題を解決できる神託を得られなかった場合、聖都の見解として先々代の聖女の事件によって神が今一度救うにあたいする存在なのかを確かめるための試練とするほかありますまい。それが現九世の親だとしても。」
この会議に参加している人間はそれなりの数がいる。
しかしこの会議で発言権のある人間は
参加している人数と比べて圧倒的に少ない。
それゆえに
発言権のある人間の大半が
先々代の聖女に原因を見出している今
これ以上、この話はされない。
そう考えているときだった。
会議室の扉が開かれ
聖女が入室する。
「神託を授かれました!」
「おお、本当ですか!それでなんと?!」
「神託は二つです。一つ目は疫病の厄災が復活すること。こちらは年明けの数日前とのことなので会議での発表と同行者の選定などを行えればと思います。」
その場にいた者たちは
厄災復活の神託を得られたことに安堵する
「して、もう一つは、、、、?」
「直接的ではないのですが、、、嵐の厄災関連と申しますかぁ、、、、」
安堵の顔から一瞬にして表情がこわばる。
何を言われても荒れるのは目に見えているためである。
「そのぉぉぉ、、、、」
「なんとおっしゃっていたのですか!?」
「「異世界人が覚醒へと至った。抗い、乗り越えるための決戦が訪れる。」とのことです。」
「抗い乗り越える、、、?そうおっしゃったのですね?」
「はい、、、」
「異世界人が覚醒へと至った。これはおそらく嵐の厄災討伐者のまといしんやという男を指しているのでしょうなあ。しかし、、、、」
「抗い乗り越える戦いがなにを指しているのかは言っておられたのですか?」
「いえ、、、、そこまでは」
「その覚醒へと至ったと思われる異世界人は今回の会議に呼んでいる。そこで本人からも何か得られる可能性はありますな。」
「嵐の厄災の神託がなかったのはその者の覚醒と関係がありそうですな。」
「そもそも覚醒とはなにかわかるものはおらんか?」
「魔眼の可能性はあるでしょうな。しんやとやらは未来視を持っている。初代九世の一人にしてミルティコア王国初代国王もまた未来視を所有していらっしゃった。」
「未来視を持つものがその決戦には必要だった可能性がある。今までにそのような神託があったかどうか調べたほうがよさそうですな。」
「未来視持ちをわれらで保護したほうが良いのでは?」
「厄災を単独で討伐可能な存在をですか」
「未来視で指示を出すだけで十分な戦果と言っても良いでしょう。」
「しかり。そうでなくても何やらきな臭い連中のせいで実際に被害が出ていますからなあ。」
「覚醒は戦いの中で起こる可能性がある。下手に保護するのは反発を招くのでは?」
「うむ。下手をすればミルティコアを敵に回す可能性がある。あの国は他国ともつながりが強い。」
「しんや自身の影響力、交友関係も考えれば悪手であろうな。」
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現在に戻る
「この度は嵐の厄災の復活の神託を得られず、各国の皆様なによりミルティコア王国に甚大な被害をもたらしてしまったことを謝罪させていただくとともに今回の騒動について神託を授かりましたので皆様に報告させていただきます。」
聖都の代表者の発言
その瞬間、全員が口をつぐむ。
それを確認し聖女に発言を回す。
「私からも神託を受けることができず、ミルティコアをはじめとする皆様に大変なご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。」
話を始めた聖女に
聖女?さん、科学世界でいえばまだ中学生くらいなのに
国のお偉いさんがいる中で緊張はしているのかもしれないのに
それを感じさせない、、、偉いなぁ、、、
などと考え
まるで自分に話を振られることはないと思っているところに
「神託に関しましては「異世界人が覚醒へと至った。抗い、乗り越えるための決戦が訪れる。」とのことで、この覚醒した異世界人というのは状況的には今回招集させていただきましたしんや様なのではないかと考えています。また、残りの抗い乗り越えるための決戦が何を指しているのかは現状判断できる材料が少なく過去の神託と起こった出来事の照らし合わせを行っている状態です。」
マジで?
自分の名前が出てきたことに目を点にする晨弥もそうだが
各国の王たちの反応も違っていた。
目を大きく見開いたのは
妖魔国やオーシャル、エルフにドワーフといった長命種の王や代表者たち
晨弥を凝視していたのは
小国の王たちや晨弥を良く知らない国の王たち
そしてシュポーロの代表者
どうすんの?これ?
「つきましてはしんや様にお伺いしたいのですがよろしいでしょうか。」
準備していた文章全部飛んだんだけど、、、どうすんだこれ。
ドコカラハナセバイインダロウ
「ドコカラハナセバイイデスカ?」
その質問に聖都代表が答える。
「では、、厄災討伐後いくつかしんや様に質問をさせていただいたのを覚えていますか?」
「ハイ」
「その際に厄災と遭遇した理由について質問させていただいたのですが、それの答えが「なんとなく行かなければいけない思った場所に行ったら目の前で復活した。」とのことですが事実ですか?」
「ハイ」
「なぜその場所に行かなければならないと思ったのか思い当たる節はありますか?」
「イイエ、マッタク」
周りがざわざわしているのがわかる。
分かるけどそうなんだから仕方ねえだろうがよお!
誰にということではないが内心で切れる。
「では討伐方法について確認させていただきますが、厄災の動きが止まったところに膨大な質量を押し付け続けて討伐したとありますが事実ですか。」
「ハイ」
またざわつく
そこに一人手をあげる者が現れる。
「一つよろしいですかな?」
シュポーロの代表だった。
「シュポーロ代表ビーン様、どうぞ」
「厄災を討伐できるだけの膨大な質量を押し続けると具体的にどのような魔法または魔道具それに付随するものなのかを提示していただきたい。」
「その発言はいただけないねえ」
妖魔国の王たる酒呑童子が待ったをかける。
「厄災を討伐できるほどの魔法か何かがあるならばそれはその者にとっては切り札になりえる。それを提示しろというのはいかがなものかの?」
「酒呑童子様のおっしゃる通り、しんや様の切り札になりかねませんので。それとも我々の討伐者の判断に疑問がおありで?」
「いえ、しかしその者の魔力制御が未熟なのは見て取れる事実なのでは?」
「それを言うのであれば國宗は九世になれんぞ?魔力量が少なければ使える魔法も少ないときた。だったらでたらめな魔力操作でも莫大な魔力量でごり押しをしたと言われた方が納得がいくのでは?」
「確かにわしが討伐したといっても信用できませんなあ。それとも九世だからで片づけますかな?」
オーシャルの女王、九世の國宗が発言する。
「そもそも私、彼が討伐しているところを見ているわよ?」
さらにそこにモーリンが追い打ちをかける。
「それは本当ですか?モーリン様?」
「ええ。本当よ?モリディと一緒に帝国から向かったけど、彼が押していたから一旦見守ることにしたけのだけど、、そのまま勝ったわね。」
「モーリン様、そういうことは聖都にも報告してください。」
「あら、ごめんなさいね。」
「ビーン様。討伐方法に関しましてはよろしいでしょうか。」
「ええ。構いません。」
全然構いそうな顔しているけど見なかったことにしよう。
シュポーロ側としては僕を引き入れようと動いてくるもんだと思っていたけど、、、
そうじゃないっぽい?よお分からん。
「ではしんや様、質問を続けさせていただきます。しんや様は厄災は生物だと思いましたか?」
「ん?ああ、いえ、少なくともあれは生物ではないと思います。あれは金属?鉱物?の彫刻といったほうが近いと思います。」
「なるほど。ありがとうございます。私からは以上です。」
「ではこのまま氷河の厄災に移りたいのですが質問がおありの方はいらっしゃいますか?」
「では続けて氷河の厄災に移ります。」
「それは私から報告します。」
「モラレド様、お願いします。」
「私、グーエン、ツェルクの三名で氷河の厄災を討伐しました。我々も時間をかけてではありますが魔法を準備しそれをもって討伐しました。」
どうせどんな魔法か聞いても再現できる奴が少ないから
討伐できる奴の手の内がばれて殺されるのを避けるために
切り札どうこうの話でお茶を濁している訳ね。
「私は厄災が生物かどうかは分かりませんが、生物から感じられるものがなかったのは分かりました。」
「僕も心を見てみたけど、なにも見れなかった。」
「すまんが俺はなんにもわからん。」
モラレド、ツェルク、グーエンの順に印象を述べる。
そこから質問などがでたが
何か進展することはなかった。
「これまでに復活した厄災に関する討伐結果の確認を終えますがよろしいでしょうか」
いくつか質問は出たものの
確認のためのものであったため
進展はなかった。
これにてこれまでの厄災討伐に関する情報に齟齬がないかの確認を終える。
「では、厄災関連というわけではないのですが、こちらをご覧ください。」
聖都代表はそう言うと
500㎜のペットボトルほどの大きさのカプセルを取り出す。
その中には
!?おいおいおいおいおいおいおい
魔眼もどきが入っていた。




