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界の渡り人  作者: ホトトトギス
厄災の足音
41/88

己が光を指し示す

 海洋国オーシャル


 嵐の厄災が復活し

 晨弥の腹が消し飛んでいたころ


「國宗様、王女様がお呼びです。」


 オーシャルの王都近辺にある

 九世である國宗のすまう家に騎士が訪れていた。


「ええ、わかっていますよ。」


 おそらくそのまま戦いに向かうことになるだろう。

 そう判断した國宗は武器を手に取ろうとしたとき

 その手を止める。


「ない、、、」


「國宗様?いかがなさいましたか?」


 大事に保管していた武器の一本がなかった。


「騎士の中から一人、急ぎ女王に報告してほしいことがあるのですが、、、、」


====


 腹を消し飛ばされた晨弥の目には

 世界がスローモーションに映り

 少しずつ少しずつ

 見える範囲が小さく

 見えているものが曇って見えるようになっていく


 厄災が晨弥から目を外し別の場所に向かう

 それが晨弥の見た最後の景色だった。


 景色になるはずだった。


『ごめんなさいね?巻き込んでしまって。これは巻き込んでしまった私たちからのお詫びの一つだと思って』


 すでに目が見えないのにもかからわず

 話しかけてくる相手の姿が見える

 杖?のようなものを持っている長髪の女性であることがなんとなくわかる。

 それでいて

 こちらからは何も話せない

 何もできない

 不思議な感覚


『これは私個人としてのおせっかいなのだけど、、、、あなた自身だってわかっているんでしょ?だったら、、、、死ぬ必要なんてないんじゃない?』


 その言葉を最後に

 姿は消えた。

 晨弥の肉体は完全に再生されており

 戦いなんてなかったかのような状態になっていた。

 それでも晨弥は目覚めない

 それは、、、、


====


 ここは精神世界と言うべきか

 この世とあの世のはざまと言うべきか

 晨弥が見ているまぼろしと言うべきか

 果てしなく真っ白な世界が広がっている場所

 

 そこに晨弥はいた。




 とくに何かを考えるわけでもなく

 ただそこにいた。


「よお」


 後ろからよく知っている声が聞こえる。

 振り向くと

 片翼のグリフォンと乗っているクラウド、グリフォンの横にオーダがいた。


何してんだよ


「んあ?あ~、、、気にすんな。」


するだろ。


「クエ」


 グリフォンが嘴で額をつつく


っつ、、、


「まったく、、、なに死のうとしてやがる?」


僕はこの世界の人間じゃないし、、、

今の僕が日本に帰っていいとも思えない

どこにも居場所何てないし

生きる理由だってもう、、、


「ったくよお、、、、面倒な日本人だなあ、、、」


「晨弥君、私個人としては君には生きていてほしいんだよ。」


「右に同じ」

「クエ」




「いいんじゃないか?この世界で生き抜いても。この世界とは別の世界に生まれた人間でも」


いいのかな?


「いいだろ」

「クエ」


でも、、、、


「でもじゃねえわ!いいから生きろ!生きる理由だっけ?ンなもん向こう戻ってゲームするでもなんだっていいだろ。俺たち向こうにいた時はさほどそんなこと考えてなかっただろうが。アニメ化とかで生きる理由出来たりなんだりしてただろうが!ただ漠然と未来に思いをはせていただけだろうが!魔眼のせいで忘れたか?それでも理由がって言うんなら、俺らがお前に託したもんのために生きろ」

「クエッ!クエーーーーー!!!!」


そう、、、か、、、


「あたりまえだろ何言ってんだ」


生きてていいんだ


「そうですよ?」


あの世界にいていいんだ


「クエ」


何事もなかったみたいな顔していいのかな?


「問題ねえだろ。どうせお前の心なんて誰も知らねんだしよ?」


そういうもんかな


「そういうもんですよ?」


そうか、、、、じゃあ、、、、、




「行ってくるよ」


おう

行ってらっしゃい

クエ


====


 目覚める

 暴風が吹き荒れ

 雨が体を貫くような

 嵐の中で


 目覚めた直後

 遠くな意識の中で見た女性のことを思い出す。

 自身の体を見ると

 体は何事もなかったかのような状態になっていた。

 いや、

 すべてが元通りになったわけではない。


 魔力が増えていた。

 この事実に晨弥が驚く


なんで?、、、、、あ、そゆこと


 もともと晨弥は戦闘中などは魔眼の使用を控えていたが 

 これまで時間があれば合間合間に魔眼の練習をし続けてきた。

 そして今回の厄災との戦い

 戦闘中はずっと二つの魔眼を使い続けていた。 

 その結果

 経験値がたまり切った という表現がただしいのかはわからない

 それでも

 経験を積んできたのは間違いなかった。

 もちろん経験を積むだけでは魔眼の覚醒は起こらない

 しかし

 一度死を経験し、その中で自分の中にあった

 生きることの否定を払拭し

 昔から心にあった

 漠然とした生きる理由

 これを思い出したこと

 これが最後のトリガーとなり


 未来視は

 より遠くの未来を

 か細い未来を

 見落とさないよう


 解析鑑定は 

 見ているものを

 より深く

 理解できるよう


 魔眼は覚醒に至る。

 そしてその副産物として

 魔力が爆発的に

 今までの量とは比べ物にならないほど

 増えていた。


 もはや奇跡と呼んでいい復活劇

 にもかかわらず奇跡は終わらない


 晨弥の目の前に

 風に飛ばされてか

 自身の意志で来たのか

 何の変哲もない見た目の一振りの刀が現れる。

 手に取る晨弥

 

 手に取った瞬間理解する。

 この刀の使い方を

 

 そんな刀に

 晨弥はふとこぼす


「ありがとう。来てくれて」


 その瞬間刀もまた自身の主を見つけたと言わんばかりに本来の姿を見せる

 姿を見せた時晨弥は武器を見失う

 正しく言えば刃の部分が見えなくなる。

 よくよく見るとあるのだが

 刃の側面から逆側の景色が見える。

 まるで世界の一部であるように

 確かにある

 そんな刃を姿を現していた。


「お前の姿、雨やらのせいでよく見えないな、、、、この雲、、、晴らすか、、、」


 この嵐の中

 晨弥の声は書き消え続けている

 それでも刀は

 晨弥の声に反応する。


 空へと刀を突きあげる晨弥


「ソード・オブ・ネビュラ」


 その瞬間

 切れ間一つ見えずはるかかなたの空まで覆っている分厚い雲が搔き消え

 光り輝く星々が世界を照らした。

死にたかったのは本当のくせに

自分が生きていていいって言われたかった主人公の纏晨弥君

めんどくさい主人公だね。

<追記>

最近、いつもの1/4くらいでの投稿になってしまい申し訳ありません。

物語の流れそのものは決まっているのですが

どこで切るかなどが苦手なものでこうなってしまいました。

今後も同じような事態になることが発生するかと思いますが

お付き合いいただけると幸いです。

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