因縁のはじまり
「そろそろお開きにしましょうか。」
「お時間とっていただきありがとうございました。」
「いえいえ。同じ同郷の方ですからね。この世界ではなかなか会うのは難しいですし。真理さんにお会いした時で構いませんのでよろしくお伝えください。」
「わかりました。伝えておきます。」
よろしくお伝えくださいなんて言われたことないから正しい返し知らないんだけど。
まあ、、いいべ
こうして短い時間ではあったが日本人と日本食に近いものを食べ
充実した時間を過ごすことができた。
ギルドへと帰路についていた晨弥は満足そうな顔をしていた
していたのだが
その顔は一瞬で崩れ去る。
なんかあきらか僕を見ながらチ数いてくるこぎれいな服を着てる、、、、
いや、あれは服に着られているデブだな。
一人の男が晨弥に近づいていた。そして
あの野郎、、、天秤をちらつかせてやがる。めんどいなぁ、、、、
あきらか僕だもんなあ、、、、
「晨弥様ですよね。」
うっわ。話しかけてきやがった。
「どちらさまですか?」
「わたくし、ビークと申しましてシュポーロ運営局で働いているものです。」
「そんな方が僕に何か御用ですか?」
まぁ、おおかた予想はつくけどね。
「少々、お話を聞いていただきたく思いまして。お時間いただけますか?」
めちゃくちゃ断りたいけど、、、こいつ天秤持っているんだよなぁ、、、、
断っても余計面倒になるだけだろうなぁ、、、
「わ、、、かりました。」
「ありがとうございます。」
、、、、
こうしてビークに連れられて今度もまた高そうな店へと入る。
「どうぞこちらに」
「ありがとうございます。」
促された先にはこれまた豪華な部屋に連れてこられた。
なんだか最近、こういう不相応な部屋に通されることが多くて気疲れする。
さっさとこんな場所からおさらばしたいし、、、本題にはいってもらおう。
「それで、、僕にどういったご用件で、、、?」
部屋に食事が運ばれている最中ではあるが無視して話を始めさせる。
「晨弥様はミルティコアでは王城にお住まいになっているとか。」
「ええ。そうですね。」
「では王城で使われている米がどこの国の物かご存じですか?」
「ジパングですよね?王妃がジパング出身でその流れでって話でしたよね。僕も詳しくはないですけど」
王妃の出身地ジパング
晨弥が初めてその話を聞いた時 「日本じゃんか!」と困惑した
一万年前の初代九世のうちの一人が建国した国である。
「おっしゃる通りです。ミルティコアの米の消費量も輸入量もミルティコアでは主食はパンなので多くはありませんがジパングより輸入しております。」
そうだね。僕が聞いた話もそうだったね。そんで何が言いたいんですかね?この人は?
「そこでですね、晨弥様にお願いがありまして」
「お願い?」
「ええ!アルゼディア国王陛下に米の輸入をジパングからシュポーロに帰るように説得していただき「お断りします。」
え?」
「そもそも私にはそんな権限持ち合わせていませんし。私は陛下と政治的な干渉をしないという契約を結んでいますので、私がそんなこと言い出したらどうなるかわかりませんし、そちら側の方が面倒ごとが舞い込みますよ?」
政治的を干渉をしないという約束は国王様が僕にした契約であって僕側からの契約はないけどね。
嘘はついてないから天秤は反応しないし、この言い方だと向こうが勝手に勘ぐってくれるでしょう。
これであきらめてさっさと引いてくれると助かるんだけどね、、、
、、、、
ビーク視点
面倒な野郎だな。天秤が機能していない以上いてることに嘘はない。
まぁこっちはうまくいけば儲けものってぐらいだ。気にすることはない。
、、、、
「米の件は把握しました。」
それは良かった。さっさと解放してくれ
「ではもう一つ話を聞いてくださいますか?」
まだあんのかよ。まぁ、、、米の話だけじゃ物足りないっちゃ物足りないわな。
「なんでしょうか。」
「単刀直入に言わせていただきますと、シュポーロ側に付きませんか。」
勧誘で草
「それは電車だかなんだかを森に通すためですか?」
「ご存じでしたか。もちろんそれもあることは否定しません。ですがここは冒険者と商人の国なのです。多くの情報とモンスターが運び込まれます。例えば危機的状況にある人たちの救出依頼なんかも時間との勝負です。晨弥様がいらっしゃればそういった方々を救出できる可能性は格段に上がります。」
「なるほど、、、」
こっちが本命なのね。仮に米の話が断られても、ひとつ前の話を断ったからとこの話を断りにくくするっていう日本人特攻ね。そしてシュポーロ側に付くことそのものを断られても何かしらの条件か何かをつけて呼び出せるようする。多分呼び出すってのが狙いなのかな。
「お断りします。」
「何故です!多くの救助者や救助者でなくとも助けを必要としている人々を見捨てるのですか!?」
それっぽいこと言うの上手だな。ちょっと心が動く。でもさあ
「私がミルティコアを捨てた場合、ミルティコアにいる助けを必要としている人々はどうなるんです?」
「ミルティコアには多くの優秀な冒険者がいるでしょう。」
「この国にだって優秀な冒険者はいるでしょう?それに優秀な冒険者の割合の話をするにしたってシュポーロを拠点としている領主級以上の冒険者の割合も相当高かったはずですが。」
「それでも人手が足りないのです。」
「ミルティコアでは人手が足りているとでも?」
「そういう話では、、、、そういう話ではないのですよ!この国で、、、この国で魚を普及させるんですよ!あなた方の国では魚は食べられるんでしょうけどこの国じゃ食えないんだよ!」
なんかどんどん口悪くなってね?
「それが本心なんですね。何が助けが必要な人がどうしたこうした言えましたね。」
「だまれ!こっちが下手に出てやれば!だまってこっちに付けばいいんだよ!」
ゼェゼェいいながら言い切ったね、、、このデブ
「本心どころか本性まで出してきちゃったよ。僕からも答えを言わせてもらうと、お断りします。以上です。あ!以上じゃないわ。もう一つ。二人ばれてるぞ?」
魔力感知に引っかかってんだよ。
「チッ!やれ!」
ビークが号令をかけると
後ろの壁と窓から二人の刺客が攻撃を仕掛ける。
ゴウッ!
仕掛けてきた瞬間、炎が二人に直撃する。
「生きてるかどうか知らないけどわざわざ窓破壊してくれてありがとう。」
窓の穴を炎で広げたことは知らないふりして
そう言い残すと晨弥は窓から逃げ出す。
が
「まだいんのかよ、、、」
着地した晨弥の魔力感知に動きが明らかに変わった人が数名現れる。
その瞬間
「チッ」
ドン!
着地した地点に魔法が放たれる。
人通りの多い通り道での白昼堂々の襲撃
だというのにもかかわらず
連続して晨弥に向けて魔法が放たれ続ける。
晨弥はかわし続ける。
初弾で通行人にも被害が出ていることと通行人が少ない道が近場にないことが重なり
晨弥が躱すだけで被害がそこかしこで出ていしまっているが
仮に止まったとしても被害が出ることが未来視で見えていたので
晨弥は逃げるほかなかった。
さて、、、、と。だいぶギルドから離されたな。狙われることなんて経験ないから逃げ方もよくわかんねんよ。こんなことなら王城で王様に頼んでその手の人たちに教えを乞うべきだったな、、、
ギルドから遠く離されちょっとした露天商のようなものがあるくらいで
あとは家が建っているだけ。
シュポーロの中では栄えているが中心地から離されているのは明白だった。
人通りはそれなり。少なくはないがギルド近くほどの人はいない。
裏路地とかもある。そして追手は、、、4人か。うまいこと隠れてるけど感知できている。
感知の外からの攻撃も気を付けておかないと。
!くる!
通行人の間をすり抜けて一人の男が小刀のような物で首を狙ってくる。
バッ!
しゃがんでかわす。
攻撃はせず獲物を確認する。
うっわなんだっけこれソードブレイカーだっけか?てことは刀出して応戦はだめ。戦斧も明らか軽装の連中相手に無謀だな。
てかそもそもこんな人間特化ビルドしてそうな連中に僕の腕じゃどうにもならんから馬鹿正直に相手するわけにはいかないか。
てことは逃げの一手だな。とはいえ攻撃したりしないとまずいっちゃまずいよな。
晨弥は解析鑑定の魔眼を使い距離をとりながら動き回り続ける。
前衛ってもしかしてこいつだけか?残りの三人は僕を囲うように立ち回ってる。
前衛の体力が減ったら三人のうちの誰かと交代とかするのかな?わからないけど、、、、
わざわざそこまで相手する義理はないね。
見晴らしの良い屋根へと戦場を移す。
「風の太刀」
襲撃者が攻撃を仕掛けようとしたタイミングでこちら側から仕掛ける。
攻撃はしとかないとまずいなこれ。圧倒される。風の太刀なら刀そのものはあの武器に触れないから
いいね。あとは、、、魔法でどうにかするか。
風の太刀をかわした襲撃者は素早く動き遮蔽を利用し晨弥に強襲する
が
「風切」
屋根上にきたタイミングで魔法を放つ
かわすよね~。何度も経験してきたんでしょうね!勘弁してほしいんですけどね!
じゃあもうしょうがない。
逃げ回っていた晨弥が動きを止める。
襲撃者も一旦動きを止めたが一斉に動き出すことになる。
それは晨弥を狙うためではなく、晨弥から離れるために
晨弥は普段抑えている魔力を開放する。
晨弥を囲う三人も入るほどの広範囲を晨弥の魔力が覆いつくす。
襲撃者は晨弥の情報を集めていた。だからこそ知っていた。
晨弥の二つ名を
だからこそ範囲内から離れた。
その結果
よし!
晨弥を囲う檻にほころびができたそこを目指して出来うる限りの最速で駆け抜ける。
そして
ギルド前、、、ついた、、、、
ギルドに戻ってくることに成功する。
も、、、もう試験が始まるまで外には出ない、、、
などと思いながらギルド内に戻ると
「しんやさん!探しましたよ。」
あ~、、、嫌な予感しかしない。
こういった願いは往々にして叶わないのである。
、、、、
「以上です。」
「そうでしたか。」
襲撃者は自分の主に今回の襲撃の結果を伝えていた。
「申し訳ありません。」
「そうですねぇ。今回の一件で外にでる可能性はだいぶ下がってしまいましたね。」
「申し訳ありません。」
「私も多少見くびっていたところもありましたし、高い授業料といたしましょうか。」
「次の準備を進めておきます。」
「よろしくお願いします。ところでビークはどうなったんですか?」
「確認したところ目標が放った魔法に腰が抜けたようです。」
「、、、そう、、ですか、、、ありがとうございました。下がってくださって構いませんよ。」
「失礼します。」
「、、、」




