己が未来をも焦がす
王女の護衛のため、王城に滞在していた2週間のある日
今日は朝から実戦訓練したせいで朝ご飯食べ逃したな。もう昼だし、、、さすがにおなかすいたなぁ。
、、、今から兵士の皆さんのところに行くのもなんだし、、、
たまには自分で作るかね。大学行って時には作っていたわけだし。
まぁ、、、ご飯炊いて味噌汁作っただけだけど、、、僕、料理してなくね?
、、、チャーハンならいけるか。
ガチ勢じゃないから、、、僕のチャーハンにブチ切れる可能性も、、、
この世界には流石にいないか、、、いないよね?
「晨弥兄!」
「おや、王子。何かありました?」
「晨弥兄こそ何してるんです?」
「今日飯食べてないからたまには作ろうかと。」
「何つくるんです?」
「チャーハンを、、、あれ?この国に米ってあります?」
「厨房に一通りそろっているはずだし、母上の故郷が米の生産地なのであると思いますよ。」
「良かったぁ、、、ところで、、、」
「?」
「厨房ってどこ?」
「え?」
お恥ずかしながら、僕が知っている地下のあそこって一番大きな厨房ではないんですよね。
てなわけで、王子に連れて行ってもらってます。
「そういえば晨弥兄」
「どうしたぁ?」
「晨弥兄はやっぱり、もとの世界に帰りたいですか?」
「ん?そうだね。帰りたいね。そもそも僕この世界の人間じゃないし。」
「そんなの気にしなきゃいいじゃないですか?」
「そうは言うけどねぇ、、、」
でも実際、、、僕が帰ろうとしている理由ってちゃんとした理由じゃない気がする。
この世界の人間ではいないから、元居た世界に帰りたい。
この世界に異世界人が来れる以上、異世界全もまたこの世界のシステムなんだと思う。
そうなると魔法世界に来た科学世界の人間はこの世界の人間としてカウントされるのではないかと思う。
そうするとこの世界の人間じゃないから帰りたいってのは、決定的な理由にならないのでは?
そう考えてしまう。
もちろん、この世界の人間じゃないってのは、間違いでもないと思うんだけど、、、、
システムとしてはこの世界の異世界人という人種として成り立ってもいるし、
この世界に来たまったく別の生命というのも成り立っている、、、、と思う。
そしてこれが僕が帰りたい理由になっているのは、個人的な帰りたい理由が存在していないことを証明している気がする。
実際、別に帰らなくても良いかなって思う。そりゃぁ家族は心配してくれていると思うし、それを思うと帰った方が良いってことになるけど、それも 家族が悲しむ っていう理由だし、
これが僕が家族に会いたいだったら良いんだけど、僕自身は特にって感じだし。
そもそも魔法世界の方が僕の立場が上なんだよね。
それを考えるとわざわざその立場を捨ててまで帰りたい理由って存在してないんだよね。
「どうしたもんかなぁ、、、、」
====
晨弥が王女を抱えて離脱した時に戻る。
「アッシュウルフきます!」
予定通りアッシュウルフを理由に王女を逃がすことには成功した。
アッシュウルフを制圧するのは王女の護衛をしているだけあって問題なかった。
「警戒を解くな!」
オーダが叫ぶ。
アッシュウルフを討伐した時点でその場に残っていた全員が感じていた。
大きな魔力が接近しているのを。
晨弥君は一体どこからこいつらを感知していたんだ。
全員が同じ様なことを考えながら、魔力の持ち主が現れるのを待つ。
そして、
「!」
きた!
「止まれ!」
大きな魔力の持ち主とその部下と思われる者たちが止まる。
「この馬車はミルティコア王国王女サラ様がお乗りになられている!それ以上近づくならば王女様に危害を加える意志ありと判断する。」
その言葉を聞いた男がつぶやく。
「そうか。情報通りだな。」
「?」
これは晨弥君が王女を連れ出したのは正解だったな。
あの顔、、、やるつもりだ。
「お前ら!王女に手は出すなよ?やれ!」
「かかれ!」
未来は晨弥が見た筋書きをなぞっていた。
====
「晨弥君。何があった?」
晨弥はアンスと数名を連れて、来た道を戻っていた。
「戻る途中、後ろからすごい勢いで迫ってくる魔力を感知したので、未来視をつかったところ王女が連れ去られる未来が見えました。」
「そうか、、、、助かる未来は、、、」
「もう少し早く未来を見ていれば助かる未来はありました。ただ、僕が見た時には助かる未来は見つけることができませんでした。」
「他の情報をくれるかい?」
「はい。襲撃者の人数は5。リーダー的な存在の奴は僕より魔力量は多いです。残りも魔力量は多いです。王女が連れ去られる主な理由が、僕がリーダー格と戦っている間に他メンバーっが全滅または、スキを突かれて王女を誘拐。これが一番多い未来でした。戦闘スタイルは、全員が魔法も近接戦闘も可能です。魔法に関しては火魔法を使っていました。それとリーダー格の奴は僕が見た未来では使う前にことがが終わってしまったので使わなかったんですけど、魔眼と魔眼のような何かを持っていました。」
「なるほどね。魔眼のような何かが不安要素だが、、、君はリーダー格と戦うかい?私がやってもいいが、、、」
「僕にやらせてください。あいつは、、、異世界人です。」
「!?」
「それに同じ日本出身者。」
「、、、、そうか、、、、」
この発言が援護に向かっていた全員の精神を荒れさせた。
、、、、
「そろそろつきます。」
「そのようだね。感じているよ。多くな魔力を。」
「!」
到着した晨弥達が見たのは
「チッ、、、」
殺された、、、、いや、ぐちゃぐちゃにされた護衛メンバーたちの死骸を見た。
そして
「じか、、、、、は、、、かせい、、、、」
オーダの最期の言葉を聞いた。
「?おいおい。この馬車は偽装じゃなかったのか?あれか?国のトップが移動するときに何台も同じ車つ使って偽装するあれか?」
「何を言っているんだ?あいつは、、、、」
最低でも異世界人は確定。そんでもって、、、顔がなぁ、、、日本人だよなぁ、、、
未来見ても結局戦いになるのは確定っぽいし、、、情報収集にいそしむか?
魔眼で未来みても得られるけど、、、同じ質問でも答えが分岐しているし、
アンスさんたちにも発言聞いてもらおう。
「きみ、日本人だよね?」
「あぁ?、、、その顔、、、お前も日本人か。」
ひぇ~。僕が苦手なタイプだよぉ、、、、。
「そうだけど、、、こっち来て何年?僕は一年たってないけど。」
「一年たってない?、、、そうか!お前か!しんやってのは!」
「おや?ご存じで?」
「本人が来てくれるんなら話は早い。抵抗しないなら何もしねぇが、抵抗するなら半殺しにして連れていくぜ?」
なるほどね。王女を誘拐して、解放条件として僕を要求するってのが筋書きだったってことね。
アンスさんは、、、、やる気みたいだし
「えっと?名前が誠也君で、、、年が18歳、こっちに来た時が15歳、、、、ね。」
「!チッ、、、未来視か、、、」
「知っているようだけど、、、王女の馬車を襲撃した時点であるのは死刑だけ。申し訳ないけど、、、
僕はきみに助け舟は出さないよ?」
「「それは俺が負ければの話だろ?」」
「あ!ちなみに今のは未来見てないよ?わかりやすくて助かるよ。」
「テメ、、、」
「さて、煽るのはこれくらいにして、、、よくもまぁやってくれたよ、、、本当に。本当によくもまぁ、、、おかげで死なせちまったよ、、、本当に!」
晨弥を知る者たちは怒りを隠しもしない晨弥に恐怖を抱いていた。
晨弥は普段魔力制御を偽装している。これは初戦闘の時もナーザと初戦闘した時も
ナーザの変異種に襲われたときでさえもそれを継続していた。
しかし今は偽装が解かれていた。
それは本来の制御になったのではなく制御できていない状態
つまり、この世界に来てすぐの状態になっていることを示す。
晨弥はこの世界が嫌いではない。
どちらかと言えば好きである。
そしてこの世界に来てから関わってきた人たちも大事にしていた。
だからこそオーダたちが殺されたこと、
気が付くのがもう少しだけ早ければオーダたちは死ななかったこと。
これが晨弥を刺激した。
その結果の魔力の大放出。
異世界人の魔力はそれだけでも科学世界の住人にとっては脅威である。
そして、今回の大放出が敵に向かっていた。
魔力操作の一つ、覇気
覇気はもともと魔力を常に纏っている状態のことを指す。
それは攻撃の威力を上昇させたり、防御力を上げたりする。
その応用で普段纏っているものを相手に向ける。
相手を威圧したり、仲間を鼓舞したり、使い方は多岐にわたる。
今回は相手の威圧。
晨弥は知識として知ってはいたが、やったことはなかった。
今回も別に使おうとしたわけではない。
完全に制御できていなかった。
それゆえに味方にもその覇気が少し漏れていた。
仲間が恐怖しているのはそれだけではないが、、、
ともかく、この時点で襲撃者5人のうち4人の戦意を潰していた。
「覇気か、、、、」
誠也は自分の魔力で晨弥の覇気を突破し、
面倒だな。あいつ、俺より魔力量が多いな。
晨弥は怒りもあったが、
オーダたちのかたき討ちとは少し違うが、やれることはやろうとしていた。
それゆえに多少の理性も残っていた。
覇気の応用を初めて使う人間の多くは怒りによるもの。
晨弥もこの世界の普通を経験していた。
晨弥が覇気をおさめる。
それと同時に全員が構える。
今いるのは山の中
木々の間からこぼれる木漏れ日の光が増し始めたとき、
一番最初に動いたのはアンス、無詠唱での火魔法を放つ。
二番目に動いたのは誠也、狙いを晨弥に向けて突っ込む。
三番目に動いたのは晨弥、斬撃を放つ。
強者は環境の変化に敏感であり、
変化が始まったと同時に変化し終わったとき
自分が有利な状況でいられるように
行動を開始する。
「拡張斬撃”風の太刀”」
晨弥の斬撃が誠也の魔眼のようなものを切り伏せる。
「今のはお前が最後に殺した男から教わったものだ。」
====
「オーダ部隊長。」
「晨弥君。何かあったかい?」
「すみません。僕、風魔法が苦手なんですけど、、、教えてもらえませんか?」
「あぁ。いいよ。」
、、、
「晨弥君は刀持ってるよね?だったらそれを使って修得していこう。」
「よろしくお願いします。」
、、、、
「ふっ!」
ザンッ
「おめでとう。できるようになったね。」
「ありがとうございます。」
「お役に立てて良かったよ。」
====
「いい人から死んでいくのは、、、どの世界でもいっしょなのかな、、、」
誠也が大剣をふるう。
ガンッ
大剣と晨弥が戦斧に武器を変えてつばぜり合い
「っらぁ!」
晨弥が誠也を吹き飛ばす。
「オーダさんほどじゃないな。あれだろ?あまり技術磨いてこなかっただろ?」
「あ゙?」
「まぁわかるよ。こっちの世界に来た時に俺も思った。力でごり押しするだけでもどうとでもなるなって。だから肉体に頼らないで実戦訓練をして技術を磨いたわけだけど。ゲームなり、漫画なり、アニメなりをやったり読んだり見たりすればわかることじゃん。ある程度までは行けるけどそれ以上は進めないって。」
「だまれ!」
「15歳でこっちに来たんだからそんなこと言っても無理だよね。こっちに来て自分の圧倒的強さを認識してしまえば、15歳ならそれでなんでもできるような錯覚に陥る。正直20になった僕でもふとした瞬間そう思うときがある。」
ガンッ
「でも、陥ったとしても人間性は捨てちゃダメだろ。お前が初めて殺したのは、、、そうか。街で突っかかってきた輩か。それで自分の力を知った。そして、お前が今所属しているところの上の連中にその行為を肯定された。」
晨弥が言葉を紡ぐほどに誠也は大剣が大振りになっていく。
晨弥の相手を誠也がしたことでこいつじゃないならと、
戦意を喪失したはずの4人もまた動き出していたが、、、
アンスたちによって既に制圧されていた。
誠也が振り下ろした大剣をかわし、
カウンターの蹴りで吹き飛ばす。
「お前、、、この世界の人間を人間として見ていないだろ。今自分自身で経験しているからよく理解できる。俺はお前を殺そうとしているのに初めてゴブリンを殺した時のような苦しさがない。あれから多くの生物を殺してきたからってのもあるだろうが、、、一番はお前が罪人だからだろうな。俺はお前を人間として見ていない。お前と同じように。科学世界でも魔法世界でも殺しは罪だ。お前は初めてこの世界で殺しをしたときは怖かっただろう?、、、その顔はあたりだな。でも、お前はそそのかされていいように使われる道具になった。この世界の人間たちを見下し、人として見なくなった。この世界の人間は人じゃないんだから殺したって問題ないという結論に至った。その結果がこれだ。まぁ、ある意味きみも被害者だな。もし、この世界の別のところに転移していればこうならなかったかもしれない。どうせきみが所属しているところの上の連中から指令が来るときはへりくだった感じでお願いされて、調子に乗ってお願いを聞いているんだろうけど、、、そいつらからしたら扱いやすくて助かっているだろうな。」
「だまれ!この世界は俺が住んでいた世界じゃないんだ!俺は被害者だ!俺は異世界人なんだ!異世界人はこの世界では特別扱いされる!便宜を図るべきだろうが!」
「そうか。俺もきみと同じ異世界人なんだけどな、、、、ただ、この世界で特別扱いされているのはきみは異世界人が純粋に強いこととこの世界に新しい知識を落としてくれることだと思ってるんだろうけど、、、確かにそれもある。それもあるけど、、、その場合、俺たちを奴隷にでもなんでした方が安全だ。でもそうしないのは、この世界の善悪の判断と今までこの世界に来た異世界人たちのおかげだ。お前はそれを理解していない。お前は15歳でこの世界に来たわけで、、、向こうじゃ中学生か高校生だな。それでも、、、だ。その年なら漠然とは理解できているはずだろ。動画でもなんでもゲーム実況だっていい。学ばなかったのか?いや、学べなかったのか。あの世界では学ぼうと思えば雑学だとか会話の流れだとか学べると思うんだが。結局それを理解できなかった。同情はしない。お前がこれまで、そしてこれから殺していくことで、今日まで道を切り開いてきた先人たちの努力を無下にしてしまう。そして、これからも来てしまうであろう異世界人たちに苦労をさせてしまう。分かるか?、、、、これ以上は言ってもしょうがないか。最初に言ったとおり、王女襲撃は死刑だ。」
その刹那
ドシュッ
雷を纏った槍が誠也を貫いた。
「邪魔したか?」
「ゾアさん。お疲れ様です。もう帰っていたんですね。」
「間に合ってよかった。同じ国出身の奴を手にかけるのはつらいだろうからな。間に合わなかったとして、アンス団長がやってただろうからな。」
「すみません。気ぃ使ってもらって。」
「まったく。帰ってきてみればあわただしいから何だと思ったら、、、、向こうも向こうで大変で、国王様がすごいことに、、、」
「あぁ、、、、」
「そりゃまぁ、、、」
「ねぇ?」
!
「なんだ?」
「どうした?」
なんだ?この感じ、、、、何かが、、、、
「ぐっ、、、」
は?あいつ、ゾアさんにぶち抜かれただろ!
「なん、、、、」
魔眼もどきが光ってる?、、、僕最初につぶしたよな、、、?
「どうなってんだ?」
「どいつもこいつも、、、知ったような口をききやがって、、、」
ダメだ。解析鑑定でも見切れない。でも嫌な感じがする。なんなんだ?あれ?
というか、、、体がでかくなってる。
「すみません。俺の確認ミスです。」
「どうする?」
「前衛は俺がやります。ゾアさんは武器拾ってください。アンスさんは援護お願いします。」
「おーう。」
「わかった。」
、、、、
さて、、、、
魔眼もどきが光っているときに回復していたところを見ると本当に魔眼みたいな効果があるな。
でもはっきりとわかる。あれは魔眼なんかじゃない。もっとおぞましい、、、
「どいつもこいつも、、、、俺が正しいんだ!」
「癇癪起こしたガキかよ。それはそうと、、、このタイミングで身体がでかくなるのは死亡フラグだぞ?アニメとか見てればわかるでしょ。」
「だまれ!」
晨弥より小さかった身長は晨弥を優に超え、大剣が大剣のようには見えなくなっていた。
ブンッ
晨弥は容易くかわす。
そして誠也の背に手を触れ
「風切」
ザザザザザッ
風魔法で背骨すらも断ち切る魔法を連続で放つ。
そして、背を蹴って飛び上がり
「始まりの火種はここに”ファイアボール”」
「グッ」
切り刻んだ部分に火魔法を放つ、、、、が
「マジかよ。」
普通傷をつけた部分を焼けば回復しない約束だろうが、、、!
なんだ?回復の様子がおかしい。肉体を作り変えている?違うな。
「風の太刀」
ザンッ
誠也の腕を切り落とす。
、、、あの回復が魔眼もどきの影響なのは理解できるけど、、、!光が弱まっている、、、
!解析鑑定がさっきよりできる、、、、けど、、、
晨弥が顔をゆがめる。
「どうした?」
「あの魔眼もどき、、、人間です。」
「は?」
「厳密にいえば、人間の肉塊を固めて魔法でなんやかんやしているようですけど、、、なんやかんやの部分がわかりません。」
「じゃ、あれ、えぐり取るか。」
「そうするのが一番でしょうね。」
話し合ってる余裕はない、、、か。
回復が終わったと同時に誠也は飛び上がり大剣を振り下ろす。
ダンッ
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
叫び声をあげながら晨弥に突進してくる。
晨弥は土魔法で誠也が踏むはずだった地面を下げた。
その瞬間
アンスが魔法で拘束
ゾアが魔眼もどきをえぐり取る。
「グァァァァァァァァ」
「ゾアさんそれ触れてても大丈夫なんです?」
「一応電磁浮遊で浮かせてるけど、、、」
やっぱゾアさんもすごいよな。ゴリゴリの前衛なのに雷の魔法は異常なほどの精度をしている。
「ほら、これに入れてください。」
アンスさんもなんかガラスのカプセル?を魔法で作ってるし、、、、土魔法の派生とかなのかな?
「ふざけ、、、」
こいつまだ、、、
「終わらせよう。」
ゴォォォォォ
晨弥は右腕に炎を集約させる。
炎を纏った右腕を腹に叩き込む。
そして
ゴウッ
叩き込んだ位置から炎を光線のように放ち、体を貫通し燃やし尽くす。
「アガァァァァ!」
、、、
、、、
、、、
「、、、、」
「大丈夫か?」
「大丈夫です。たぶん。」
、、、同じ日本人を殺したってのに、、、あの日みたいに吐かないんだな、俺。
しかもなんでこんなに落ち着いているんだろう。
僕はどうしたいんだろう。あの日から考えている。王子から質問されたあの日からずっと考えているけど答えは出ない。こいつは帰りたい理由はあったんだろうか?そもそも帰りたいと思っていたのだろうか。
こうして王女襲撃事件は一旦の落ち着きを見せた。
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晨弥は考えないようにしてきた。
この世界のどこに転移するかで
この世界の自分の立ち位置が変化する可能性を。
転移位置が悪ければ
この世界を歩くことすらできなくなる
なんてことが起きる可能性を。
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晨弥がこの世界に来る前なのか後なのか、、、、
「あれ?ここは、、、、?」
「おいおい?どっから紛れ込んだ?」
「なかなか上物じゃないか。」
「よく見ろよ。こいつの恰好、、、異世界人ってやつじゃね?」
「マジかよ!異世界人を生で見るのは初めてだ」
「あの、、あなたたちは?」
「異世界人とやんのも初めてだろうが」
「違いねぇ。」
男たちは異世界人の話を無視して盛り上がる。
これが晨弥が怖くて考えてこなかった魔法世界の一面。




