塗りつぶされたもの
「これより大森林に入る。総員、事前に通達した通り各班に分かれ散開し、合流地点まで進行する。進行開始は1時間後とする。また、進行中に接敵した場合の対処は各班に任せる。合流まで全体の集会はない。何かある者はこの場で、、、」
最後の全体集会を終え、各人、各班で最終調整が行われている。
もうすぐ始まっちゃうなぁ。やれんのかなぁ。やるしかないんだけどさぁ、、、、あれ?そういえばさっきから手錠を付けたやつらが1,2、、、5人か。班の数と同じ?てことは1班につき1人つくってことかな?
「持ってきましたぁ。」
流石に僕も仕事をしている。ただ食材を運んできただけだけど。
「あぁ。ありがとう。」
この人の名前知らないけど優しい人なんだよね。実戦訓練で当たったことないから僕より上のところで実戦訓練をしているのだろう。
「あのぉ、あそこにいる手錠を付けている人たちは?」
「あぁ、あれは罪人だよ。あれも同行させて働かせるんだよ。」
「荷物持ちとかってことですか?」
「特に何もなければそうだね。」
「そうなんすね。」
「そうそう」
「準備できたか?」
おや。騎士団長様がいらっしゃった。
「準備完了しました。」
「もう入るから今のうちしょんべんしとけよぉ。」
ここに男しかいないから、オブラートを捨てたらしい。念のため行っとこう。
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「時間だ。行くぞ。」
魔力感知を使っておこう。まだ大森林に入ってはいないけど、一時間後には距離的には入っているだろうから、使ってもぶっ倒れたりしないかとか、感知の精度を下げればどうなのかとか、今のうちにやっておかないとね。
あと罪人とやら。あれはよくわからん。今の僕に罪人に割くリソースないし、一旦スルーを決め込むことにした。
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バリアス視点
今回の遠征には精鋭としんやしか連れてきていないから他の班も問題は起こらないだろう。唯一の懸念点のしんやも今はだいぶ落ち着いている。班員とも話せていたし、そこに関しては問題なし。ただもう10分もすれば大森林に入る。そこからだな、問題が発生するのは。心づもりはしてきているようだが、、、覚悟をしていてもそれすらも塗りつぶすのがこの世界だと知り合いが言っていたからな。班のメンバーも不測の事態にも強いメンバーでそろえた。あとは、、、、いや、これ以上考えてもだな。今の大森林は何が起きてもおかしくはない。そればかり考えていてはしかたない。
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大森林に入ってからどれくらい経っただろうか。永遠歩いているだけだからよくわからん。スマホって便利なんだね。よくわかる。そりゃぁ圏外になる場所もあるだろうけど、ある程度は大丈夫じゃん?時間もわかるじゃん?すごいよね。そして魔力感知に関しては精度をすごい下げることによってどうにかなった。虫とかも精度を上げると感知できるのかもしれないけど虫は苦手なので精度を下げている今、その心配をする必要がないのがなんともと言ったところ。科学世界のカラスくらいの大きさで感知できるかどうか。これより小さくて猛毒とか持っている生物がいたら終わりだけど、大森林に生息している生物を調べた時にいなかったはずだけど、、、どうなんだろうね?いないでくれると嬉しいんだけど。
・・・
ずっと同じような景色なもんで進んでいるのかわからなくなる。困ったもん、、、、、だ?
「あれ?」
魔力感知範囲で何かが動いてる?こっちにきてね?
「どうした?」
「向こうから何かきます。数は、、、5?」
「総員、戦闘態勢!距離はわかるか?」
「このままだと約30秒後」
「見えました!ゴブリン!数5!」
木の上に上った戦士が報告する。
魔法使いが魔法発動の準備を完了させる。
遠征に選ばれるだけあり、瞬く間に陣形を整える。
ただ一人を除いて。
相対するまでの少しの間、
晨弥は恐怖の中にいた。
戦斧には手を置いてはいるもののその手は震えていた。
少しずつ大きくなってくるゴブリンの声、
それに伴い敵味方関係なく膨れ上がる殺意、
戦場特有の独特な雰囲気、
体がふらついているようなあの感覚。
そのすべてをもって世界が晨弥に襲い掛かる。
「接敵まで10!」
木の上から声が聞こえる。ゴブリンの声が近づてくる。怖い。気持ち悪い。ここから逃げ出したい。できない。
「総員、攻撃開始!」
やらなきゃ。怖い。気持ち悪い。逃げたい。やらなきゃ。怖い。気持ち悪い。逃げたい。やらなきゃ。怖い。気持ち悪い。逃げたい。怖い。気持ち悪い。逃げたい。怖い。気持ち悪い。逃げたい。怖い。気持ち悪い。逃げたい。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
「殲滅を確認。」
10秒も立たないうちに5匹のゴブリンを撃破し、死体から牙などをはぎ取っている。
「おい、大丈夫か?」
「、、、」
「あのタイミングで良く気が付いたな。あれがなければここまで早く片付けることができなかった。よくやってくれた。」
「、、、」
「どうした?本当に大丈夫か?」
「う、、、」
「?」
「おぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「誰か!水!」
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「ご迷惑をおかけしました。」
「大丈夫か?」
「落ち着きました。」
「それならいいが、、、」
殺意、独特の雰囲気、生きた心地がしなかった。その全てから解放されたとき、一瞬気を緩ませてしまった。そしてゴブリンの死骸から漂う匂い、そして傷跡。その全てに体が拒絶反応を引き起こした。って感じかな。
やっちまったなぁ。
「大丈夫か?」
えっとぉ、この人は魔法使いの、、、確か火の魔法が得意な人だったな。
「どうにか。御迷惑をおかけしてすみません。」
「死骸を見るのは、、、初めてだよな?」
「はい、、、」
「団長が時間も時間だからここで一晩明かすってよ。」
別の人も来た。この人は確か、、、そうだ大剣使いの人だ。僕一回も勝てないうちに上に行ったんだよなぁ。
「有難うございます。」
「大丈夫?」
「おかげさまで、、、」
きまずいなぁ。まぁ、原因は自分自身だけど。
「でもよく気が付いたよね。」
「あ~それ思った。」
「魔法で感知していたけどあのタイミングでは引っかからなかったからなぁ。」
気付かないうちに周りに人が増えてた。気まず、、、
「まぁなんだ、飯にしようぜ?ぶっちゃけ気が付いただけでもおつりは来るだろ。」
「そうそう。気にし続けるほうがくるぜ?」
「ありがとうございます。」
皆優しいと心に来るよね。それはそれで辛くなるんだよなぁ。
今日の晩ご飯は鍋?でいいのかな?よくわからないけどうまそう。
「まぁ、食おうぜ?」
「いただきます。」
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晩ご飯も食べまして、僕は現在、団長との面談中となっております。
「お前、体調はもういいのか?」
「はい、どうにか」
「どうする?続けられるか?」
「お願いします。」
「まぁ、索敵してもらうだけでもだいぶ楽にはなるから、それをしつつって感じか?」
「よろしくお願いします。」
「んじゃそういうことで。夜番については分かるな?」
「はい。」
「よろしく頼む。」
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起きました。現在、、、わからねぇわ。時計ないもん。
「おはようございます。」
「おぉ。起きた?」
「おはよう。」
「調子は大丈夫かい?」
「はい。どうにか。」
「それは良かった。」
「現状異変はないよ。」
「そうですか。」
「もう一人くらい起きたら俺寝るから。」
「了解しました。」
「もうか?」
「おう。俺は見張って、眠って、見張ってだな。」
「お前、睡眠分かれてないのか。」
「おうよ。今日はだけどな。」
、、、あぁそうか。今の生活に慣れすぎたのと、他の人の一日なんて聞かないから忘れてた。人間、2時間の睡眠だけで良いなんてやつ普通いないんだった。とはいえ、、、僕はなんて声をかければ良いものか。
「、、、」
「すまん。きみがずるいとか言いたいんじゃないんだよ。ずるいっちゃずるいけど。」
「こっからずっと起きてるんだろ?朝方みんな起きてくる時間にでももう1時間くらい休みなよ?」
「ありがとうございます。」
「そうだ。確か異世界人なんだろ?」
「そうですよ。」
「話聞かせてよ。」
「いいですけど、、、何聞きたいですか?」
「何がいいと思う?」
「そうだなぁ、、、何も考えてなかった。」
「えぇ。」
「あ!地元の話聞きたい。」
「地元ですか?」
「あ~、地元か。異世界のことはおおよそのことは知ってるんだよなぁ。本あるし。」
そういえば書物室に本あったな。
「読んだことあるんですか?」
「そりゃあるぜ。異世界の話の本を読んだことないやつ探す方がむずいんじゃね?」
「そうそう。だからよ、地元の話のコアなところが聞きたいんだよね。」
「そういうことですか。」
「おぁ?なんだなんだ?」
「あ、おはようございます。」
「おはよう。今から、しんやの地元の話聞くんだ。」
「マジかよ。混ぜてくれよ。」
「あれ?そういえばお前、もう一人起きたら眠るって言ってなかったっけか?」
「「あ」」
「おつかれした~」
「チッ 寝ながら聞こ」
その後も入れ替わりで話は各自の地元の話をしましたとさ。
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朝方になりまして、僕ももう一度眠れる時間ができたので、少し眠ったりして、体調も万全。
「よし。全員起きているな。朝食をとった後、出発する。」
朝食はパン。ちなみクソ固い。味は、、、、何と言うか想像通りというかなんとうか。
・・・・
「準備できたか?」
全員がうなずく。
「では、出発。」
始まってしまった、、、今日はできるだろうか。
、、、そういえば、、、一人になる時間なかったな、、、、本当にやさしいなこの人たち。
一人の時間があったらあったで多分やばかったな。
・・・・
「止まれ」
ん?感知には何もいない、、、なんだ?
「これを見ろ。」
「ゴブリンの死体、、、この傷、アッシュウルフか?」
「だろうな。」
「しんや、どうだ?」
「いえ、僕で分かる範囲にはいませんが、そいつ速かったですよね?」
「あ~、分かる範囲に入ったらってことか。」
「はい。」
「どうしましょう。」
「どうしましょうって言ったってよぉ。何かあるか?しんや」
「範囲を増やせはしますが、その場合、、、」
「動きが制限される、、、と」
「はい。ただ、範囲とその精度は要検討ですね。」
「なるほど。現状は?」
「範囲はゴブリンに気が付いたときの場所は範囲の75%のところに位置していました。そして精度は、、、あぁ、ちょうどあの木にとまっている鳥を感知できるかどうか、、、ぐらいですかね。」
「なるほど、なら精度はあの鳥の倍より大きいものが分かればいい。そして範囲は広げられるだけ。いけるか?」
「その範囲は僕が動けるくらいですか?それとも、、、」
「動けなくなるってのは具体的にはどのくらいだ?」
「二足歩行ができない程度からぶっ倒れて誰かに介抱してもらう程度までありますけど。」
「あぁ~、介抱してもらう程度で」
「ア、ハイ」
「どうやって運ぶんです?」
「どうやってってそりゃお前、、、どうやるんだ?」
「「「「「「「「私(僕、俺)に聞かないでください。」」」」」」」」
「だよなぁ。」
「おいしんや。なんかあるか?」
「台車で運ぶとか?その台車も作るための物もないんですけどね。」
「お前、その指輪の中に何か入れてないの?」
「来た時につけてた眼鏡が入ってます。」
「マジ?」
「マジです。」
「どうすっかなぁ、、、」
その後みんなであーだこーだ。
そんな、楽しいひと時。無論警戒をしていないわけではない。それでもみんなでどうしたこうした
いやなことすらも忘れていられる時間。
ここが異世界であることも忘れられる。そんな時間。
今一度呼び戻される。ここが異世界であると。
「すみません。後ろから来ます。数は4」
「!戦闘態勢!」
「しんやいけるか?、、、しんや?」
怖い。また、、、逃げたい。怖い。いやだ。戦わなきゃ。無理。怖い。
「ハーッハーッハーッ」
「おい!しんや!」
「!」
「いけるか?魔法ならどうだ?」
「すみません。最初は物理で、、、」
「そうか。」
「魔法で拘束はできます。」
「やってみてくれ。」
「やってみます。」
「ゴブリンきます!」
来た。
怖い。でも、、、やらなくちゃ。
「スーーーッハーーーーー、、、、」
魔力で、、、、とらえた!
「捕まえました!」
その後、数秒で撃破、、、、速くね?僕の援護いらなくね?、、、、ただ、吐かずに済んだ。これは、、、成長と呼んで良いのだろうか。まぁいいや。
「しんや、大丈夫か?」
「はい。どうにか」
「そうか。良かった。」
ただやっぱり怖い。相対するまでの時間。相対した時の雰囲気の変わりよう。その場に満ちる殺意。ゴブリンが切られたときの断末魔。得られる情報の全てが襲ってくる。
そんなポンポンと 敵ですね~殺りま~す なんてことできるわけがないだろうが。
「魔力の捕縛うまいね。」
「ありがとうございます。」
「ナイスアシスト~」
貢献はできたのかな。ただ、僕の手でってのはできていない。アシストはできた。だからこのまま、、、とはならない。正直今回もぎりぎりだった。怖いし逃げたかったけど、連れてくる意味なかったと言われるのが嫌だって気持ちが上回った結果できただけ。それこそこの目標はある意味今回の接敵で使ってしまった。だからこそこのアシストで満足してしまう可能性もあるし、次の接敵はアシストすらできないかもしれない。
「、、、、」
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バリアス視点
最初の接敵ではどうなるか不安だったが、どうにか、、、と言ったところか。とりあえず自分の最低限の役割を得ることができたな。そもそもあの距離で感知できていたってことだろ?どんな魔法を使っているんだ?既存の感知魔法の範囲より広いかもな。今回の感知魔法担当があまり得意としていないのは事実だが、、、範囲と精度だったか、、、そこを改造することでってことか。随分と魔力の扱いがうまいな。
あと気になるのは、、、物理で最初は仕留めたいって話だったが、、、あれは本人が何かしら考えて結論づけたものだろうし特段言うつもりはない。一番気がかりなのが罪人が静かすぎる点だな。今までで一番静かだな。ただこいつ前の遠征に参加していた時の情報にはよくしゃべるってことだったと思うが、、、
特にしんやと会話をしていた記憶がない。しんやを怖がっている?違いそうだな。何かあるとすれば今夜か? 面倒ごとにならなければ良いが、、、
====
あの後は特に何もなく野営準備です。今日も鍋。さらに材料も一緒。まぁ仕方ないよね。こんな外で温かいご飯食べれるだけマシでしょ。
・・・・
ということでご飯も食べて、眠ったりもしまして、こっからは見張りです。
「んじゃ俺寝るから、あとよろ」
「お疲れさまでした。」
・・・・
夜も更けまして、、、
「おう」
おあ?この人は罪人の人だ。
「えぇーと?」
「あぁあいさつしてなかったな。とはいっても挨拶するほどのもんじゃないけどな。ただの罪人だ。」
「何やらかしたんです?」
「聞くか?それ?」
「それ以外何を聞けと?」
「あるだろ。例えば、、、」
「たとえば?」
「ねぇわ」
「でしょ?」
「、、、まぁいいや。殺人さ。」
「やることやってんすね。」
「そりゃそうだろ。だからつかまってんだ。」
「そりゃそうだ。」
「なんで殺したのかとか聞かないのか?」
「いやぁ。怖そうだし。」
本当はこいつが胡散臭いからだけど。
「そうか。、、、ところでお前異世界人なんだってな?」
「ご存じで?」
「昨日しゃべってただろ?」
「あぁ」
確かにしゃべってたけどさぁ。やっぱこいつ、、、ダメだな。
「それで、、、?」
「あぁ。俺、お前以外の異世界人の初遠征にも参加したことがあってな?」
「あるんですか!?」
「おうよ。んで、そいつも吐いていたなって思ってよ?」
「ちなみに名前とかおぼえていますか?」
「なんつったかなぁ。あぁでも、覚えてても意味ないんだけどな?」
「それはまたどうして?」
「死んだんだよ。遠征で」
「しん、、、だ?」
「おう。」
「あなたが参加しているときに?」
「おう。なかなかに笑える死にざまだったぜ?夜だったんだけどよ?何ていっていたか忘れたけど騒いで自分からゴブリンの群れがあると思われる場所に突っ込んでいって、そしたら断末魔が聞こえてきてよ?班の連中が助けに行ったときにはって感じだ。」
「騒いでいたってその騒ぎで起きたのか?」
「いや?もともと起きていたんだ。そしたら一人でぶつぶつと言ったと思ったらって感じだ。」
「止めなかったのか?」
「なんで止めなきゃいけないのさ。俺は万一の時に切り捨てられて死ぬ役なだけで、自分から死にに行くようなやつを助ける理由はないぜ?なんなら死んだ姿は笑えたぜ?」
「そうか。」
「あ?なんだよ?切れねぇのか?同郷を見捨てた人間が目の前にいるのに?随分とつめてぇ野郎だな。」
「アンペアの伝記を読んだ。知ってるか?」
「知っているとも。」
「ならわかるだろ。」
アンペアの伝記
交信の魔眼を持って生まれたアンペアという男が仲良くなったゴブリンと世界のあり方を変えようと奮闘した人生が書かれている。しかし、最終的にこの世界があり方が世界にとって最良の形になっていたってことがわかり、、、、ということが書かれている。
「あぁ~そういうこと?」
「そういうこと。」
「なるほどねぇ。ところでそんな君に聞きたいことがあるんだけど?」
「?」
「お前、二回目の戦闘でアシストした時、自分の存在価値を見出しただろ?あの時、一回目に何の役にも立てなかったのに、二回目でうまいこと自分の仕事を見つけられて安心しただろ?」
「そうだな。」
「そんな自分の存在価値を必死こいて見つけようとしている人間がなんでそんな顔してるんだ?」
「かお?」
「あぁ。その顔はあきらめたやつのする顔だぜ?」
「何をあきらめている顔だ?」
「そこまではわからねぇけどな?でもわかるんだよ。殺人をするような人間がまっとうな人間の顔を見てきたとでも思ってんのか?」
「今の僕の顔はまっとうじゃないと?」
「あぁ。」
「なるほどね?」
「?何をにやけてやがる?」
「?良い情報もらったなと思ってね?」
「お前、、、」
「ちゃんと気付いていましたよ?最初の異世界人のところが嘘で顔がどうしたってところが本当の話であってますよね?」
「チッ」
「最初の異世界人の話はそもそも、異世界人一人だけが起きている状況はありえないって話で、ですよね?騎士団長?」
「正解だ。」
「起きていたのかよ。」
「お前がずっと静かだったのが気になってな。やってくれると思ったよ。」
「しんや。そのまま解説の続き言ってみな?」
「えーっと?そうだそうだ。異世界人が一人で起きている状況がありえないって話で、理由は単純。一人だけ起きているタイミングで襲撃にあったら気付いた時には勝ちの目がない可能性がある。だから、一人だけの状況はありえない。ってことだね。」
「その次は?」
「えーっと、それで死んだ姿がどうしたこうしたって話の部分で僕に感情の変化がなかったことで、逆に感情を出したあたりが話が嘘なんだろうなってところを補強してくれて、そして僕にわざわざそんな話を作って聞かせるあたり、他人が負の感情をむき出しにしているところを見るのが好きなんだろうな、と思って、最初の作り話が通じなかったことで、僕自身の話しかも本当の話で感情を出させようとしたのかなというところで、情報を得ようとした、というわけです。」
「よくもあの時間で考え付くもんだな。」
「まぁ、僕が何をあきらめているのかまで知りたかったですけどね。」
「そこまでは、高望みじゃね?」
「それもそうですね。」
「おいお前ら。ハナから俺を使う気でいたってことか?」
「「当たり前じゃん(じゃね)?」」
「クズどもが」
「犯罪者に言われるのは誉め言葉では?」
「確かにな。」
てな感じでうまいこと犯罪者で僕自身に関する情報を得ることができました。クッソ睨まれているけど、、、まぁいいや。
ここからも見張り頑張ります。




