屋台決戦
これはただ僕が書いてみたかっただけです。
突然だが僕は今、とんでもない選択を迫られている。
話は僕が初勝利を手にしたときにさかのぼる。
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「よし、これから屋台行くぞ!」
何を言っているんだ双剣使い。今さっきまでばててたくせにいきなり元気になったぞ。
「でも僕、この世界の金持ってないっですよ。」
「?おごりに決まっているだろ?」
「マジすか?!」
「マジマジ」
太っ腹やな~この人。
「なら俺もだそう。」
今回の実戦訓練の監督官的な人も乗り気やんけ。
「初勝利は盛大に祝わないとな。」
「マジすか?!」
「マジマジ」
なんか同じやり取りしている気がするけど、、、まぁいいや。
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そんなこんなで屋台のラーメン屋に来ている。ラーメンやっぱりあるんだね。先人の皆さんありがとう。
それはそうと何を頼むかこれが問題だ。僕が好きなのは味噌ラーメン(豚骨味噌も)。メニューの中には豚骨味噌がある。しかしこれを頼んで良いものなのだろうか。僕がここに来るのは初めて。ここの大将のこだわりが強い場合、険悪な雰囲気になってしまう。そうなってしまったらここに連れてきてくれた人たちに失礼だ。しかも特にこれがおすすめ的なことが書いてあるやつも見当たらない。ラーメン食えると思ってはしゃいでいたせいでおススメ聞き忘れた。やはりここは醤油なのだろうか。そんなことを考えていたらほかの人たちの注文が終わってしまった。うっわ。大将めちゃくちゃ見てる。異世界人のレベルを図ろうとしている?ラーメンは好きだけど、そんな毎日食うようなマニアじゃないわけで、、、異世界人代表はさすがに気が重い。
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大将サイド
突然だが俺は今、勝負の時を迎えようとしている。今目の前で注文をしようとしているこの青年。どうやら異世界人のようだ。このラーメンという料理の発祥は異世界、、、どうやらウキウキしながら来たらしい。間違いない。この男、ラーメンが好きだ。だからこそ失敗は許されない。!?この男屋台の中を見渡している。なんだ?何を確認している。店の中の細部にも目を配れているかの確認か?、、、どうする?
目が合った。そろそろ勝負の時間だということか。
すぅぅぅぅ。ふぅぅぅぅぅぅ。
「お客さんはナニニシマスカ。」
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「お客さんは何にしますか。」
まずい。ついに来た。致し方あるまい。こうなったら僕の好きな豚骨味噌で行く。好きなものを頼むんだ。期待のまなざしで注文しよう。
「豚骨味噌をお願いします。」
「あいよ。」
なんだ?これはどっちだ?連れてきた人たちの顔は、、、、なんだその顔!?なんなの!?どういう顔なの?僕はやらかしたの?やらかしてないの?あ~胃が痛い。
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一般騎士視点
おれは今歴史的瞬間に立ち会っているのかもしれない。異世界人と異世界の料理をふるまうこの世界の人間。この二人が出会う瞬間。、、、あれ?、、、これで口に合わなかったりしたら、、、あ、あれ?
どうなるんだこれ、、、あ、注文した。豚骨味噌。いいね。今日は頼んでないけれど毎回候補になるぐらいうまい。、、、さてどうなることやら。
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大将視点
豚骨味噌。あの目。さては好きだな。異世界人もこの世界の人のようにあのような顔をするのだな。しかしあの楽しみそうな顔。精神誠意作らせていただこう。
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「あいよ。おまち。」
お!来た来た。
「いただきます。」
スープも良い感じにドロッとしている。僕好み。やったぜ。個人的にはスープから飲む派なので特にこれから食えみたいなのもないし、問題ねぇだろっていう判断です。あ~しみるぅ~。麺は太麺なのね。マジでしみる。久々に食ったからってのもあるのかもしれないけど、、、いや、そんなの関係なしにうまい。
コト
?煮卵?僕頼んでないよ?
「サービスです。」
マジかよ大将。かっこよすぎませんかね。絶対常連になります。金はないけど。
「ありがとうございます。」
寡黙な人だねぇ。だからこそこそ良いんだけど。無駄になれ合わない感じ。常連しかいない状態だと普通に話すんだろうけど。それは常連の特権てことで。それとも常連はこのなれ合わないけどほかの常連や大将との確実にある絆的なのを感じているのだろうか、、、それを確かめるためにも常連にならねば。とうかサービスまで出してもらったってことは、、、そういうことだよね。やったね。
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大将サイド
上手そうに食いやがる。気持ち良い食いっぷりだというのはこういうことだ。俺のラーメンは異世界人にも通用するということだろう。しかし、ここで気は抜かない。いや、抜けない。彼はまだ食べている最中だ。ここから評価を落とす可能性も考えられる。普段ならここまで初見に意識を割かないが今回は相手が相手だ。万全を期す。
「サービスです。」
そう。煮卵。これは評価を一定の数値以下にしないようにするためであることも否定はしない。しかし、良い食いっぷりを見せてもらった礼でもある。さてあとは食い終わるのを待つだけだ。そこで俺は戦えたのかそれとも、、、、。
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スープまで飲んじゃった。そういや血糖値とかってどうなってるんだろうね?、、、ラーメン屋でこんなこと考えるのは無粋か。にしてもおいしかったなぁ。、、、、おや、そろそろ帰るっぽいっすね。
「大将。お勘定。あいつのは俺持ちだから。」
「あいよ。」
いやぁ。本当に寡黙な大将。確かにラーメン屋の店主ってのは寡黙なイメージあるけど、、、屋台の場合は結構しゃべるもんだと思ってた。世界が違うから何ともだけど。最後はちゃんと挨拶しないとね。
「ごちそうさまでした。」
いやぁ、こだわりが強い人が悪いとは言うつもりはないけれど、とりあえず
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大将サイド
スープまで飲み干してる、、、口に合ったってことだな。あぁ緊張した。ここまでの緊張は師匠に自分の店を持つ許可をもらうとき以来だ、、、あの時よりも緊張していたかもな、、、なにはともあれ
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一般騎士視点
あの二人の間で交わされた火花の数々冷や汗を散々かいたが、二人とも機嫌がよさそうなのを見るに両方ともに満足しているのだろう。まさか見ているこっちが手に汗握ることになるとは思っていなかったが、何事もなくて
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「「「良かったぁ。」」」
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この日、この三人はぐっすり眠ることができたとさ。
他の騎士の人たちも一緒に来ていましたが、一人の騎士を除いてラーメンを食べることに夢中で、二人の心境とそれを見届けんとする騎士の心境には気付きませんでした。




