ミーティングルーム
いぜんとして闇の中に居る
もはや無音状態と言っても良いところ
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「さてと これからいくつか僕から提案させてもらっていいかな?」
アモンが言った。
「さっき、この場所の機能が『仕様書づくりの場所』と決めたよね。
だったら 今度は ここの名前と仕様を決めたらどうだろう?
それとも君は 今のままの状態でも平気かな?」
『もしかして 私がここを「ミーティングルーム」と名付けて色々決めたら
ここが快適空間に変化するの?』
「そうだよ」
『わーい!とりあえず明るくてアモンさんの姿が見えて
気持ちよく座れるひじ掛けイスが欲しい♡』
「君が望む僕の姿は?」
『アポロンの彫像のようなお姿を希望します♡』
「君自身の姿は?」
(アフロディーテの彫像のような姿を望んだら厚かましいかしら?)なんて考えていると
目の前に明るい金髪碧眼 クルクル巻き毛のアポロン(肌は黄色人種系)という理想の王子様が出現しました。
そして私・・
はちみつ色の髪 緑の瞳 ゆったりとカールした髪がきちんと整えられ均整のとれた肉体になっていました。♬ ♫ ♬
(ちょっと いや かなり照れるな(;'∀'))
鏡に映ったわが身を見て思いました。
なんと いつのまにか 姿見が現れていたのです。
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(肉体ができるとなんだか急に 何かを飲みたい気分に。
別に空腹やのどの渇きを覚えたわけでもないのに。)
「とりあえず ここに 君の基本的な欲求を満たす環境を作り上げて新しい世界に接続するかい? この場合 接続後は仕様書機能は使えなくなるよ。」
『いろいろな設定を作り出したいから、できるだけ長く仕様書機能を使い続けたいです。』
「オーケー じゃ ここに持ち込めるのは 作業に必要なもの+気分転換用の何か一つだけに限定しようか」
『新しい世界に自分好みの環境を作って そこでくつろぎながら
こっちに戻ってきて設定を試行錯誤しながら考案できるようにしたいのだけど』
「その場合 僕はずっとこの部屋の中にとどまり続けなければいけないね」
『つまりアモンが新しい世界に行ったら もう私がこの部屋に戻ることも仕様書機能を使うこともできなくなるということ?』
「うん」
『わかった そのつもりで とりあえず新しい世界の一部として
まず最初に私の居場所を作る方向で考えるわ』
★ ☆彡 ★
「ほっほっほっ。やはり人間というやつは 何度転生しても 欲望まっしぐらよのう」
「でも そのおかげで 天地創造なんてめんどくさい作業をおしつけることもできるのですから」
「さてさて 今度の世界も何日もつことやら。」
「欲望まっしぐらですぐにエネルギ―を枯渇させて世界を荒廃させるのもヒトの常」
(これは、この物語の主人公の様子を覗き見している 物語世界の神様たちの見解です。)