忌々しい月め
太陽より、月のほうが、多いかも。
背びれ 背びれ
バタ足に頼りすぎだ
水面を切り裂いて 垂直に帆を立てろ
月夜 月夜
見あげれば まんまるだな
ちょっとぐらい欠けてたほうが
可愛気あるってもんだってのに
妬ましさが 服を脱ぎ
シュノーケルくわえこんでるみたいな
第3コースの勇姿は なんか勇気をくれるだろう
忌々しい月め
顔をあげれば視界にはいるから
水につけたまま 背びれを揺らす
忌々しい月め
バタ足を2割増しにして
もうどれくらい ひきはなしたのか
せびれ せびれ
自腹を切るまでもない
けちくさいやつほど ためこんでやがるんだ
尽きよ 尽きよ
はきだして ひからびてけ
さかさまにして ふってやるが
可哀想とは これっぽっちも
あさましさが 服を着て
首脳陣に軒を連ねるみたいな
最短コースの出世は 敵もたくさんつくるだろう
やましくはねえよな
顔をそむけて視線をはずすけど
首はななめでも 背すじはぴんと
やましくはねえよな
つらの皮 2枚重ねなら
逆恨まれの凶弾もはじく
「背びれ」と「せびれ」で韻を踏みたかった、それだけでした(苦笑)