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海幸山幸カインとアベル(^^)ノ

正午になる前には、美保神社から出立したので、名古屋には遅くとも、夜の七時までには到着するだろう。


道中長いが、夫は車の運転が好きなようなので、眠くならないように、夫の好きそうな話しを沢山の話しをした。


夫は、あのさ、記紀に書いてある、海幸彦と山幸彦の神話ってさ、実は大和政権による九州の隼人族に対する服従の物語なんだよ、と言った。


へえ、そうなんだ。 


山幸彦の子孫が天皇家に連なり、海幸彦の子孫が隼人族に連なる訳だけど、隼人族からしたら、恩を仇で返されると言う、あまりにも屈辱的な内容だよね。


釣り針貸してあげたら、呪われるって酷い話しだよ。


まあ、確かに。


だからなのか分からないけど、隼人は日本書紀の編纂時期に大規模な反乱を起こしてるんだよね、と言った。


私が隼人族ってどんな人達なのかと聞くと、夫は、隼人族は凄いよ、叫び声によって、悪霊を鎮める事が出来る一族だよ、と言った。


えっ、そんな事って、本当にあるの、と訝しがって私が聞くと、夫は、あると思うよ、だって、記紀にそう書いてあるから、と答えた。


それから、夫は、海幸彦と山幸彦の日本神話と、聖書に書かれている物語の類似性を語った。


日本神話に登場する海幸彦と山幸彦って、天孫の邇邇芸命ににぎ木花咲耶姫このはなさくやひめとの間に産まれた兄弟だよね。


聖書だと、人類の始祖であるアダムとイヴの間には、カインとアベルと言う二人の息子がいたと記されているんだ。


エデンの園を追放されたアダムとイヴだが、その後、この夫婦は、二人の息子を授かったんだよね。


二人の息子の兄、カインは農業を生業とし、弟のアベルは牧畜を生業とした。


ある時、二人は神に捧げ物をする。


兄のカインは、土から採れた作物を神に捧げ、弟のアベルは、羊の初子ういごの中から最良のものを捧げた。


神は、弟のアベルの捧げ物は喜んで受け入れたのに、兄であるカインの捧げ物には目もくれなかった。


その為、カインはアベルに激しく嫉妬して、アベルを殺してしまう。


これが、人類最初の殺人となったそうだよ。


神は、兄であるカインに、弟アベルの行方を問うが、カインは知らないと嘘をついた。


これは、人類がついた最初の嘘だと言うよ。


結局、この嘘が原因で、カインはエデンの東にあるノドの地に追放されてしまい、神は、今後、カインが耕作を行っても、作物は収穫出来なくなる事を伝えたんだって。


どう、この話しって、海幸彦と山幸彦の神話と近いディティールでしょ。


しかも、このカインとアベルの物語って、農耕民と放牧民との争いと、遊牧民の農耕民に対する優越性を正当化するものと、解釈する向きもあるんだって。


つまり、聖書の神は、農作物でなく、動物の犠牲を喜ぶ特徴があると言う事だよね。


じゃあ、次に、ヤコブとエサウの物語だね。


ヤコブとエサウと言う双子の兄弟は、イスラエルの民の始祖であるアブラハムの孫にあたる人達だよ。


夫は、少し芝居がかった調子で、ヤコブとエサウの物語を話し始めた。


昔々、エサウと言う狩人がいました。


エサウは、父であるイサクから、非常に愛されていました。


ある日、エサウの双子の弟であるヤコブが、レンズ豆の煮物を作っていた所、兄であるエサウがお腹を空かして猟から帰って来ました。


兄のエサウは、弟のヤコブに、私は飢えて疲れているから、その赤い豆を食べさせてくれと懇願しました。


ところが弟のヤコブは、エサウに長子の特権とレンズ豆の煮物を交換しよう、と持ちかけます。


お腹の空いたエサウは、長子の特権を軽く見てか、ヤコブの提案に軽く応じてしまいます。


こうして、弟のヤコブは母のリべカと計り、年老いて目の悪くなった父イサクに、自分がエサウだと偽り、長子の祝福を騙し取ってしまうのです。


長子の祝福を受けられなかったエサウは、激怒し、ヤコブを殺そうと考えました。


母であるリベカは、危険を察知して、リベカの兄ラバンの元へヤコブを逃亡させました。


その後、エドムの野で暮らしていたエサウのもとに、財産を築いた弟のヤコブから再会を求める使者が訪れます。


エサウは四百人の供を連れて、これを迎えた為、ヤコブは恐れ、ひたすら低姿勢でエサウの元に向かいました。


しかし、ヤコブの恐れは杞憂に終わります。


エサウはヤコブとの再会を喜び、二人は共に泣いて和解しましたとさ、おしまい。


ね、細かい部分は違うけど、聖書に書かれたこの二つのエピソードって、海幸彦と山幸彦の神話と結構近い部分があるよね、と夫が言うので、私は、まあ、確かに近いかもね、と答えた。


海幸山幸の話しって、聖書を知らなければ、書けないような内容かも知れないなぁと思ったが、あんまり、これは絶対そうだ、とか信じちゃうのも、それはそれでちょっと違うだろう。


名古屋の宿泊先に着いたのは、きっかり夜の7時だった。


これじゃ観光なんだか、移動なんだか良く分からない。


疲れた。


夜は、ホテル近くの、手羽先の有名な居酒屋で一杯やった。


手羽先を余す所なく食す方法を、昔、名古屋出身の友人に教えてもらい、それを実践して見せた。


夫は、感動して早速試していた。


いやあ、手羽先にはハイボールですわね。

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