9話―「少しずつ手に入ってきたなぁ。 こんな日常を。 幸せだァァァァ!」
こんにちは、腎臓くんです(*'ω'*)
えーっと、遅刻決定しましたwwwwww
いやぁ~、やっぱり朝は難しいよね( ..)φ
ってことで、今日も前向きに白い目線を受けれていきまーす!www
遅刻の腎臓くんでした(*'ω'*)
――それから2人で開会式と授賞式を受けた。
その日は家に帰り明日の「冒険省の試験」に向けて支度をする。
「ただいまー」
「ただいまー! せんお兄ちゃん!」
「おかえりでしょ。 おかえりなさい、ご飯できてるよ。 今日は試験に向けてすき焼きにしてみた。 へへ」
「お、やったー! ありがとう~」
あれ?
こういうときってカツ丼とかじゃない?
なんて思ったことは心の中に封印した――。
らんをお風呂に入れてからすき焼きパーティーを開催する。
ぐつぐつと煮だっている蓋を開けると、甘いじょっぱいタレが染み込んだ野菜とぷりっと脂身ののったお肉が出迎えてくれる。
最高のフレグランスを含んだすき焼きの香りが部屋中に広がる。
あぁ~なんて最高の香りなんだ。
この香りを香水として販売したら売れないかなぁ。なんて馬鹿な考えをしてしまうほどに洗脳的なすき焼きの匂い。
いつも通りキンキンに冷えた瓶ビールの栓を抜き、みんなで乾杯する。
もちろん、2人はジュースだが。
「えーそれでは、お兄ちゃん、明日ぁ~頑張りますっ!」
「うん、頑張ってね」
「へへ。 がんばってぇ~!」
「うん! ありがとう! ではっ、乾杯!」
『かんぱ~いっ!』
グっグっと冷えたビールをお風呂上がりの熱々の身体に流し込む。
ぐぁぁあああっ~!
全身の生気が戻っていくのを神経一本一本で感じとる。
ビリビリと弾ける意地悪な強炭酸が僕の思考を薄れさせていく。
これだよ、これ。
僕はこのために生きている。
本気でそう思ってしまうほどのかけがえのない幸福な時間。
これが幸せなことに、2人の笑顔も見ながら食べれるんだからなぁ。
僕はこんな時間がずっと続くと感じていた。
これから椿が大学生になって彼氏を連れてきて、そいつと別れさせて――らんが中学生になって思春期を迎えて、親父みたいに一緒に悩んで考えて――未来の全てが楽しみだった。
まさにこれから僕の人生の歯車は回り始まると思っていた。
だが、人生は理想通り進まない。
まさか、あんなことになるなんて――。
ご愛読ありがとうございました(*'ω'*)