20話―「オマエカヨ……」
こんにちは、腎臓くんです(*'ω'*)
そろそろ書き溜めがなくなってきて焦りが出てきている日々です(;´・ω・)
本日は喉が腫れて、変な汗が出てきて会社を早退いたしました。
本当に申し訳なさ過ぎて、煙草が止まらなかったです。
早退して皆に「ごめん」とか思いながら吸う煙草は世界一美味しかったです(*ノωノ)
以上、クズゴミな腎臓くんでした(*'ω'*)
――翌日、ほとんどの受験者が個人戦で負った傷を抱えながら「チーム戦」に挑むことになった。
広場には顔色の悪い24名の受験者が会長を目の前に立っていた。
1名は全治2か月の怪我で試合続行不可能と判断された。
「ごほんっ。 皆よくぞここまで頑張った。 ここからは疲弊した自分との闘いに加え潜水艦にてインベーダーとの戦い、それに各々の最大限のパフォーマンスを見せなくてはならない。 ゆえに『ぶっちゃけ勝ち残ったけどもうもたないわ』って者がいたらここで離脱してくれても構わない。 今日から残りの4日間はノンストップで走り切るからのぉ。 ハッキリ言って、この設定をしたわしらでも鬼だなぁ~って感じてる」
なんかお気楽な爺さん相手に受験者の顔付きが微妙にイライラしているのが分かる。
「さぁ、ここでリタイアしたい者は今しかないぞ。 なぁあに逃げる事は恥じゃない。 次受けて合格したらええんじゃ」
誰一人帰る気配が無い。
むしろ早く次に進めろよ。 くらいに殺気立っている。
「うーん、今年は豊富じゃなぁ~。 予定よりも残ってしまったのぉ。 うーん」
多分予定より人数が多く残ってしまったために、チーム戦の予定人数が合わないのだろう。
この弊害により評価を下す審査員の人数の調整や、他にもずらさないといけなくなってしまったようだ。
それだけ今年の人財はレベルが高かった。
「よしっ決めたぞ! 2~3人制だったのを教官含め5人制のチームに変更する。 それぞれこっち側が決めるぞ」
僕達は囚人のごとく番号を言い渡され、勝手にA~Eに振り分けられる。
運よく六教官と一緒のチームになったが――運悪く……。
「おっは~! 染くぅん~!」
とんでもない汚物もこっち側に来てしまった――。
「後はその審査員に従って動くように。 では、残り4日間幸運を祈る」
会長は深く腰を折り、肩に拳を軽く当て全員の帰還と合格に祈りをささげた。
それに倣い周りの関係者も同様のポーズを執る。
それぞれが重いくらいの気持ちを受験者にぶつけた、そんな覚悟の一瞬だった――。
染達は潜水艦のメインルームに案内される。
「では、改めて挨拶をさせていただきます。 今回このAチームを担当することになりました。 陽帝 英雄と申します。 よろしくお願いします」
『よろしくお願いします!』
ここは周りと合わせないと浮くため、吐きそうな感情を押し殺して挨拶を交わした。
「では、皆さんにも自己紹介をしていただこうと思います。 えー、ではそこの大人の方から」
「はい」
六教官が指名された。
「私は慈生 六と申します。 以前まで防衛省にて第15部隊前線歩兵隊の教官を務めさせていただました。 若い者に置いてかれぬよう精進する所存です」
「ありがとうございます。 では、そこの~君」
「はい」
次は長身の黒人の方だ。
「えー、俺はフシロム・X・ソーと申します。 ギルド『仙人月歩』にて前線役職の破壊として討伐クエスト中心に仕事をこなしてきました。 接近術がメインなので潜水艦の機械操作には難を見せるかもしれませんが、指示をいただければその通り動きますのでよろしくお願いします」
自分を客観的に見ている。
こういうタイプは常に冷静に物事を判断するため仲間にいるとかなり助かるな。
そして――破壊。
まず、破壊とは超接近戦で戦うスタイルの役職。
大剣や太刀や斧のような1本剣で敵陣に突っ込んでいく特攻を担っている。
以前戦ったアバランもクラッシャータイプだろう。
だが、ギルドには様々なスタイルがあっても防衛省にはそのようなスタイルは存在しない。
そもそもギルドと防衛省は特性が真逆と言っていいほど違う。
防衛省では全体が動き結果を得る戦闘スタイルだが、ギルドは個が結果を出すスタイルだ。
つまりオールラウンダーを育てるのが防衛省のやり方だが、ギルドは一ヵ所特化のモンスターを育てるやり方だ。
だから、彼にとってはこの潜水艦で戦うやり方は脳自体が吸収しにくい事柄で苦手なのだろう。
逆に言えば、担える役職が明確なので助かるが。
「ありがとうございます。 では、次女性の方」
「……はい」
綺麗な顔立ちの女性、さっきから表情が動かない辺りクールビューティータイプなのだろう。
「私は元々冒険省で働いていました。 色々とあって一旦職場を離れて現在にいたります。 よろしくお願いします」
……。
……うん。
なんだろう、見た目通りになんにも個人情報喋んなかった。
「えー、はい。 では――ハアハア。 んんッ。 染くっ……。 んんッ、ハアハア。 えーっとぉ~そこのぉ~きみぃ~……」
いや、隠しきれてない。
ていうか隠しきれてないってなんだ。
こいつ、女性にモテ過ぎてそっち系に走ったんじゃ……。
いやっ落ち着け。
どうでもいい。
こいつの事だと尚更どうでもいい。
今は忘れろ。
今は忘れろ。
今は忘れろ。
陽帝は目をトロンっとさせ染を見ながら片手で股間を抑えている。
少しよだれが垂れそうなのを我慢している。
……。
忘れろ、忘れろ、忘れろ、忘却忘却忘却忘却忘却忘却忘却忘却忘却忘却忘却……。
「はい。 えー、私は元々防衛省で働いておりました。 黒糸染と申します。 実は私も第15部隊前線歩兵部隊に所属しておりまして、隣にいらっしゃる六教官は元の教官でした。 ですが、ここでは対等な立場で物事を判断してまいりますのでご迷惑をおかけいたしません。 若輩ものですがよろしくお願いいたします」
ぺこっと頭を下げる。
締まりが良かったからなのか、全員が拍手をして自己紹介タイムは幕を閉じた――。
続いて、その日は潜水艦の機械操作を1から教わった。
初めての人でも乗りやすいようにシンプルかつ簡単に操作できるようになっていた。
1日で覚えられたことに安堵したのか、フシロムが「良かったぁ……」と心の声が漏れていたのに僕までも安堵してしまった。
それに比べやはり元冒険省勤務者。
名前すら分からないまま1日が終わったが、明らかに潜水艦の機械操作が群を抜いて上手い。
最初からパソコンのブラインドタッチができているようなレベルだ。
多分明日はこの女性が潜水艦を動かすのだろうと理解した。
そして、その日はそれぞれの部屋に戻る。
僕は今日詰め込んだ機械操作を忘れないように復習をした後、お風呂から出て髪を乾かしていた。
そんなとき、ノックが鳴った――。
ご愛読ありがとうございます(*'ω'*)