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15話ー「なんかぁ……これ、負けフラグじゃないですか?」

こんにちは、腎臓くんです(*'ω'*)


今日は会社でとんでもないミスをして明日処分が決まります( ゜Д゜)

胃薬いっぱい飲んでシンプルに反省します……(;´・ω・)


以上、元気の無い腎臓くんでした(*'ω'*)



 対戦相手が発表される。


「では! 第2回戦目の発表をします。 1回戦はまさかのまさか! 大番狂わせを起こし、観客含め審査員までも驚きの檄に巻き込んだ男! リクルートスーツの小さな巨人ッ! 黒糸染ッ!」


 全員の前に歩いて行くと周りの受験者が湧き上がる。

 前回と打って変わった変化にさすがに緊張が走った。


「対戦相手はこの人だッ! 万年最弱最下位ギルドの生みの親! ギルドにあるクエストでは採取以外見たことない下の下の下ッ! だが、いつも折れずにいる強靭なメンタルに心打たれるファンも多いっ! 下請けマスター! 韋駄天イージス!」


 40代か50代ほどの鎧を装着したダンディーな男が歩いて来る。

 長髪の白髪にオールバックで鍛えられた筋肉質な身体が鎧の内側から伝わってくる。


「こんにちは。 君が染くんか、よろしくね!」

「あ、はい。 お願いします」


 お互い笑顔で握手を交わす。


 遠くで見ていた六教官は冷汗を流した。。


「あらら、まじかよ……。 こりゃ……来年だな、あいつ……」――。



 軽い挨拶を終え、染とイージスは話しながら六教官の方へやってくる。


「いやぁ、すごかったよ。 あれだけのパワー特化選手を倒してしまうとは恐れ入った。 あはははは」

「いえいえ、とんでもないです」


 軽やかに話す染。

 柔軟な話し方をするおじさんに心が緩んだのか、緊張が緩和しているように見える。

 そこにいつもならどっかに腰掛けて染を待つ六教官だが、あちらから駆け足でやってくる。


「お久しぶりです! 先生!」


 ビシッとマニュアルのような敬礼をする六教官。

 ダルそうな挨拶をした姿しか見たこと無い染には衝撃が走る。


「おお! 久しぶりだね、六くん。 1回戦目おめでとう。 いや、君には当たり前かな。 あははははは」


 ん?

 六くん?

 先生?


「とんでもありません。 お気遣いありがとうございます」

「いえいえ。 あれから……どうだい? 元気だったかい?」


 イージスは六教官の敬礼を手でゆっくりと押し戻し、肩に優しく触れた。


「はい。 兄が亡くなってから、立ち直れない私や家族一同の為に代わりに葬式を立てていただき本当にありがとうございます」

「いやいや、とんでもないよ。 シンは……俺が気づいていれば防げたからさ。 ほんとうにすまなかった」

「とんでもございません。 お顔をお上げください」


 なんだ、一体なんなんだ、この完全な主従関係。

 こんな六教官見た事ない。


「あぁ、割りいって悪かった。 紹介する、元防衛隊員時代に俺の指導を行っていただいた『韋駄天イージス先生』だ」


 え?

 教官の先生――ということは先生の先生ッ!


「こっ! これは失礼いたしました! 僕は六教官の下で隊長を任されておりました、黒糸染と申します! よろしくお願いします!」

「話は聞いているよ。 よくやってくれているようだね。 ありがとう」

「いっ、いえっ。 こちらこそありがとうございます!」


 2人は並んでビシッと敬礼をする。


「そう固くならんでくれ。 まぁ、今回の対戦相手でもある。 あまり深い話をすると手を出しずらいだろう。 全力で戦えることを願っているよ。 あははははは」

「は、はいッ!」


 そういって足早にこの場を去った――。


 試合まで残り時間が10分を切った頃、六教官が口火をきった。


「とりあえず、申し訳ないが今回は勝てる見込みが皆無だ。 だから、戦うな。 逃げろ」



 えっ――。




ご愛読ありがとうございます(*'ω'*)

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