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レベルアップ、職業、スキル


/『イニサル町付近』午前/




 雲は少なく、太陽の光は殆ど遮られることなく草花に注がれ、光の筋が表れている。


穏やかな風が吹き抜け、それに合わせて地面に広がる景色も揺れて輝く。




 しばらくこの風景を眺めるのも良いが、今回は依頼がある。


森に続く道を地図で確認し、道を歩く。遠くには疎らに獣のようなものや色の付いた液体のようなものが見えた。魔物だろう。




 森へ続く道を進んでいくと、その途中で鳥のような魔物に遭遇した。初の戦闘だ。


長棒を取り出し、片手で構える。


 まずは相手の様子を見てみる。


  羽はあるが飛ぶ気配はなさそうだ。


  相手もこちらの出方をうかがっているようだ。


  攻撃がよく利きそうなのは頭と心臓だ。


  攻撃の手段は嘴、足の爪、風魔法での吹き飛ばしのようだ。




 取りあえず長棒で殴りかかる。


片手で振り上げた長棒をもう片方の手でも握り、近づくのと共に横に振り払い胴体を殴打した。




「ギャアアッ」


 魔物は悲鳴を上げて飛ばされ、道から外れたところで横向きに止まる。


ぐったりとしていて今にも死にそうだ。


近づいてとどめをさしに行く。


「カハァァッ」


 魔物は鳴き声になっていない声を上げる。


すると突風が体に叩きつけられる。風魔法による吹き飛ばしだ。


後ろに倒れかけたが長棒を地面に突き立て耐える。


風は一瞬で止んだ。


魔物は辛うじて生きているのが分かるぐらいに弱っていた。


 もう魔法も打てなさそうだ。


今度こそ殺すために近づき、魔物の心臓がありそうな場所に向かって両手で長棒を突き立てる。


 何かが砕け、果実を潰したかのような感覚がした。魔物は動かなくなった。


それと同時に自分が強くなったかのような感覚がした。




/




『関数”レベルアップ”を確認。対象のプロパティを登録。パスの生成、接続完了。OS”GIFT”を付与します。確認終了。異常は見られませんでした。』




/




 初めて魔物を倒したが、この死体はどう処理するべきか。


困ったときのガイドブックだろう。早速本を取り出し、索引からそのページを見つける。




 魔物の死体は解体することで素材を手に入れることができます。いらない部分は燃やすか埋めることで処理できます。また、処理せずに放置しておくと腐敗します。




 ということで解体した後に埋めることにした。


ベルトポーチからギルドでもらった道具を二つ、ナイフと小型のスコップを取り出し、


まず頭を落として死体を開き、肉を皮からはがす。


そのあと、剥がした肉から潰れた内臓や砕けた骨を取り出す。


そして、道から外れた場所に穴を掘り、頭とか内臓とかをまとめて入れて上から土をかぶせる。


取った肉は、取り敢えず近くに生えていた大きい葉で包んで、ツタっぽいもので結ぶ。葉っぱの形が違ったのでツルマキではなさそうだった。




 処理を終え、もう一度地図を確認しようとした瞬間、どこからかピピッと電子音が鳴る。




『GIFTを起動しました。仮想デバイス”タッチパネル”を表示します。』




 どこか偽物めいた声が聞こえ、目の前に半透明な板が現れる。


大きさはガイドブックを横にしたようなぐらいだが、その左上に『職業』、その下に『スキル』と文字が載っているだけで残りの九割くらいは空白だ。


試しに職業に触れる。すると、画面の表示が変わると共にさっきの声が聞こえた。




『職業が選択されていません。取得可能職業からランダムに選択されます。…科学者系統”哲学者”が選択されました。変更したい場合は祭壇より申請してください。




哲学者に転職しました。スキルが取得されます。


哲学者適正はSです。適性補正により追加でスキルが取得されます。


スキル「分析」「瞑想」「解読」「思考汚染無効」「具現化強化」』




 画面に目を向ける。すると、職業の説明が書かれているようだった。






 職業 哲学者


適性装備 ローブ、杖、棒


補正スキル 分析 瞑想 解読


補正能力 賢さ 精神力 感覚


傾向 科学者系統で魔法使い、僧侶、芸術家寄り。






 もう一度画面に触れると、最初に戻ったので今度はスキルの文字列に触れる。


今度は声がすることがなかった。






 スキル 


分析 5


 対象から情報を得る


瞑想 2


 精神を落ち着ける。使用中は魔力回復率に、使用後は短時間魔力変換率に補正


解読 3


 暗号を解除する


思考汚染無効 ―


 思考への汚染を無効化する


具現化強化 1


 対象の具現化に補正




 どうやら持っているスキルの説明が見られるようだ。後ろの数字はそのスキルの補正具合を表しているのだろう。




 色々と確認を終えたので今度こそ森に向かおう。そうして移動を始めようとした瞬間にタッチパネルは消えた…




/『イニサル森林』午後/


 草原のものよりも背の高い草花が不ぞろいに生え並び、木々は皆その葉を揺らしながら聳えているため、木漏れ日もわずかに揺れている。確かに薄暗いが、しかし不安や恐怖を感じるほどではなく、その明るさは穏やかで落ち着けるものだ。




 森林を進みながら、木に巻き付いているツタを軽く確認していく。


色は全て同じに見えるが、その葉の大きさや形は思っていたよりも多種多様で、既に4種類は見ているが、肝心のツルマキと思しきものは見つけられない。…







 ようやくツルマキを見つけた。探し始めて5分ぐらいだろうか。やはり雑草ではなく薬草として扱われているためか他の草より見つけにくい。


しかし、その大きさは想像以上にあり、茎ごと回収すると恐らく6本程見つければギルドから渡された袋はいっぱいになるだろう。周辺にシロツメも少し生えていたので後で回収しておこう。ツルマキ1本とシロツメ40本ぐらいが同じ大きさになりそうだ。




 ツルマキを回収するために、その根がある部分まで辿ろうと注視していると突然タッチパネルが出てきた。






スキルが発動しました。


 ツルマキ


植物系素材


見込み補正 体力回復+5


根以外すべて回復薬の素材として使える。


夏に花を咲かせる。その花弁は解毒の効果を持つ。


野生の動物や魔獣は怪我をしたとき他の野草に優先してこれを食べようとする。






 たぶん分析というスキルの効果だろう。


見ただけで効果量まで分かるというのはなかなか便利なものではないだろうか。


シロツメも見てみよう。






スキルが発動しました。


 シロツメ


植物系素材


見込み補正 体力回復+5


根まで回復薬の素材として使えるが、土が混ざると品質が落ちるため茎までで回収されることが多い。


春に花を咲かせる。






 どうやらシロツメはツルマキと違い根っこにも効能はあるらしい。まあほとんど利用されないようではあるが。


回収したものの中には1本白い花の咲いたシロツメがある。ということはどうやら今は春の初めぐらいなのだろう。




 まだまだ依頼達成には足りないので分析をしながら森林を歩いた…










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