魔王
扉を開けると、そこに魔王がいた。
俺は魔王に問うた。
「どうして魔王城に何の罠もしかけなかった?」
「さあな。それはお前自身が考えろ」
「……なるほど」
魔王らしい傲慢な考えだ。
だがそんなことはどうでもいい、じきい始末する相手だ。
俺は短剣をやつの喉元へと突き刺した。
「グアアアアッ!」
よし、勝った!
俺たちは魔王を倒すことができた。
これで世界は救われたのであった。
そう思っていた時だった。
魔王の屍が動き出し、口を開いた。
「よお、ナユタ。久しぶりだな」
「バベル……! 生きてたのか!」
「ああ。それだけじゃねえぜ? さっきお前が倒した魔王の次の魔王に選ばれたんだ、どうだ凄いだろ?」
俺は、怒りで思いっきり口を噛み締めた。
俺を追放し、魔王の尖兵に落ち、そして最後には魔王にまで落ちたのか……。
もうバベルに勇者だった頃の面影はない。
「まさかお前を倒すのは二回目になるとは思わなかったよ」
「俺を倒す? 馬鹿言え、俺は魔王だぞ?」
「確かに俺一人じゃ無理だ。だがお前には、もう仲間は一人もいないぞ」
「は? 何が言いたい」
「お前の周りには誰一人仲間といえる仲間がいない。お前は常に一人だってことだ」
「ハン、言うじゃねえか。ただなナユタ。真の強者は常に孤独なんだ……! 逆に弱者は群れたがる」
「俺たちは弱者でいい、だからお前を倒す!」
俺たちは、持てるだけの力をもってバベルへとぶつかった。
気がつけば、仲間達は傷つき最後には俺とバベルだけが戦える状態になっていた。
「ハァハァハァ……、やるなバベル」
「グッ……てめえこそ」
この光景はまるで、最初にバベルと戦かった時と重なるものがあった。
ならばあの時と同じ用に決着をつけるべきだろう。
俺は過去一番の速さで斬撃を放った。
「グアッ……!」
バベルは倒れた。これで本当に魔王は倒れたのだった。
「やった! ナユタが魔王を倒したんだね」
レイやルリアマタが祝福の声をあげる。
しかし、魔王が倒れたことにより、魔王城が崩壊を始めた。
「やばい……! どうしよう」
「大丈夫。裏メニューで目覚めたスキルを使えば」
そう言ってレイとアマタは、新たに目覚めたスキルを使って魔界から脱出に成功した。
そして、俺たちは元の世界へと戻ってきた。
俺が救った世界は美しかった。
応援ありがとうございました!
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【回復術師】を追放されたぼくは【施術師】になる
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