最終決戦
俺は地下試験場へとつくと、相対してアマタと一礼した。
それが終わると審判が、ルールの説明を始めた。
「それではルールの説明を始める。どちらかがギブアップと言うまで続けること。
また武器は木製のものを使用し、スキルは何を使ってもよし。故意に怪我をさせる
のは禁止。両者これでよいか?」
「「不服なし!」」
俺とアマタは同時に返答した。
お互い気合と集中力の入り方は互角といったところか。
次の瞬間俺とアマタは、木でできた短剣と木刀を鞘から抜いた。
これで戦いの火蓋は切られた。
(俺は短剣を使って、アマタは木刀だ。武器の長さを考えると、俺の方が圧倒的に不利だ。
打撃でダメージを与えるなら、彼の懐に入るしかない。さてどうしたものか……)
そんなことを考えつつなるべく木刀に強い構えと間合いを保つ。
アマタも短剣に強い懐を隠した構えを維持し、お互い達人の間合いを続けなかなか仕掛け
ようとはしない。
(やはりアマタは凄い。全く隙がない──)
俺は、なかなか仕掛けられないことに苛立ちを覚え始めた。
だがここは抑えるべき場面だ。
なぜならば、武器を考えると俺の方が圧倒的に不利な対面だ。
それにアマタは、魔法剣士ということでスキルだけでなく魔法も使える。
下手に動いて、魔法で嵌められるというのも面白くない。
それに、俺には彼が知らないであろうスキルをいくつも持っている。
こちらから最初に見せて情報アドバンテージを稼がれるのは賢いとは言えないだろう。
ここは見を選択するのが正解だろう。
俺とアマタがにらみ合いを続けていると、突然フッとアマタが笑い声をあげる。
「流石だね、こちらの意図を察してか何も動いてこない。これじゃあこっちもお手上げだ」
「俺もここまで辿り着くのに色々と苦労してきたんでな。ちょっとやそっとの我慢ぐらいなら
できる忍耐力ぐらいは身につけたさ」
そう俺は、先程の戦いでいきなり嵌め殺しされるという苦渋を舐めたばかりだ。
ならば、そこから学習して戦いを組み立てるのが強者という者だろう。
俺は過去のしくじりから学んだのだ。
(昔の俺なら考えなしに、拘束スキルを撃っていただろう。だが、今の俺は違う。
もし、アマタが反射魔法を使っていたときのことを考えると、一撃必殺の拘束魔法は怖くて撃てない。
ここは堅実にチマチマと遠距離からの斬撃でダメージを稼ぐのが正攻法だ)
しかし、次の瞬間に別の考えが浮かんだ。
(いや、これはあくまで正攻法で攻めて勝てる場合の話だ。どちらかというとこちらが不利なこの状況だと
あえて意表を突くために愚策と思われる、攻めを選ぶのも選択肢としてはアリだ!)
俺の考えはおそらく間違っていないだろう。
遠距離から斬撃を放ち、隙ができれば懐に入る。
この戦いで間違いはないはずだ。
ただ問題はそれをいつやるべきかというタイミングである。
これは相手が隙を見せた時が一番いいのだが、それはアマタからは望めそうにはない。
ならば、思い切りがついた時に攻撃する。
それが一番良いタイミングだろう。
そう考えた俺は、頭の中でテンカウントを始めた。
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