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イカサマ

 俺が席を立って向かった場所は、それはカジノの片隅にいたある人物のところだ。

 この人物にこそ俺は、用があるのだ。

 それはなぜか? 以前王都に来た際、居酒屋での噂話を盗み聞きしたことがあった。

 その際に、とある噂話を耳にしたのだ。当時はくだらないことだと思っていたが、今と

なればまさに値千金の情報である。

 その情報とは、カジノの一番端っこの方にいつもタダ酒を煽っている男がいる。

 そして、その男はルーレットで一度も負けたことがないそうで、ルーレットに何か必勝法を

持っているのではないかというものだ。

 こんな運否天賦でしかないギャンブルに必勝法等あるのかとても疑わしいが、噂曰くその男は

常勝で遂にカジノ側もルーレット出禁になった程であるそうだ。

 そんな凄い男が、実際にそこにはいた。

 そこで俺はその男にこんな提案を持ちかけた。

「なあルーレットで負けたことがないって本当か?」

 男はびっくりとした表情を一瞬浮かべ、俺の方を向き直した。

 そしてゆっくりと口を開いて言った。

「ああ、本当だ。俺はルーレットさえできれば必勝なんだ」

 なるほど。どうやら噂は本当だったようだ。

 そして俺は、更に続ける。

「どうやったらルーレットで必ず勝てるんだ? タネを教えてくれ」

「……教えて俺に何のメリットがある」

「俺は今百十枚チップを賭けて三十六倍にする勝負をしている。端数の六倍のチップはアンタにやるよ」

 それを聞いた、彼は目の色を変えた。

「その話乗ったぜ。どうせもうこの方法で俺はルーレットができないんだ」

 そう言うと、例の男は俺にタネを教えてくれた。


 俺は彼から教えてもらった必勝のトリックを引っさげて、席へと戻ってきた。

 彼から教えて貰った必勝の策とは、なんと細工されたボールを使ってルーレットを行うといものであった。

 彼はルーレットが回る瞬間に、自分が持ってきた細工されたボールとホール側が用意した普通のボールとを

目にも留まらぬ速度ですり替えを行っていたそうだ。

 それにより出目を操作して、大勝ちをしていたそうだ。

 問題は彼と同じような芸当が、俺に出来るかだがそれ問題ない。

 俺の職業は兎にも角にも、器用さが高い。

 そして何より俺はSランク冒険者だ。

 彼よりも凄い腕前で、堂々とイカサマを行ってやろうではないか。

 そういう考えの元俺は勝負の席へと戻って来た。

 席に戻ってきた俺に対してディーラーは、賭け金とどこに賭けるかを聞いてくる。

 それに対して俺は当然の如くこう返した。

「ゼロに全額ベットする」

 それを聞いたルリとサーシャは、当然驚きの表情を浮かべている。

 ディーラーも同様だ。

「本当にそれで大丈夫なんですね?」

「大丈夫だ、早くしてくれ」

 流石に一度にこれだけの大金が動く勝負だ。内心の焦りが露骨にあらわれていた。

 そして勝負の時は来た、ルーレットが回りだす瞬間俺はスキル『すり替え』を使ってイカサマボールと普通のボールとを入れ替えた。

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