大臣宅にて
俺達は場所を変え、件の大臣宅へと足を運んだ。
そっちの方が何かと都合がよい。実際に見てみなければ、事件の詳細というものはわからないものである。
「さっそくですが、現場に向かってもよろしいですか?」
「おお、それは心強い。せっかくなら、お茶でも飲んでくつろいで頂いてもよかったのですが」
そう言って悠長なことを言い出す大臣。
しかし、俺達は待たせている人がいる。それに、敵の程度にもよるがまだダンジョンクリアの代金も受けとっていない。
これからたんまりと代金は分焚くるつもりだ。お茶のような、小銭で誤魔化されては困る。
そんなことを考えて、俺達は大臣宅の蔵へと足を運ぶ。
大臣宅の蔵へと着くと、その異様な臭気に俺達は面食らった。
しかし、大臣はというとケロッとしており、どこ吹く風といった表情だ。
おそらくこの感覚は、冒険者にしかわからない独特の感覚なのだろう。
この嫌な感覚に俺達は頭をズキズキとさせながらも、なんとか蔵に魔物を封印したという壺の位置にまで
辿り着いた。
その頃には、ルリは少し疲労困憊気味で、サーシャも同様であった。
というのも、先程ダンジョンをクリアしたその足でこの大臣宅に向かったのである。
それも無理はない話であろう。
俺達が壺へと近づくと、ガタガタと物音を立て始めた。
おそらくだが、俺達Sランク冒険者が近づいて来たというのを察知し、身構えているのであろう。
「どうする? このまま戦闘に移っても大丈夫か?」
「その方がいいでしょう。善は急げです」
そう言ってルリも俺の案に乗ってきたため、俺達はさっそくこの魔物を退治することとした。
しかし、この場所で封印を解くというのはチト不味い。
どこか安全な場所に移動して、この魔物を倒すことがいいだろう。
俺達は、この壺を誰もいないであろう場所へと運んだ。
誰もいないであろう場所に着くと、周りを見渡す。
辺り一面何もない野原で、あるものとすれば草原が生い茂っているそれだけだ。
大臣は、俺達からかなり離れた場所で、魔物を退治してくれるかどうかを傍観している。
本当ならば、もっと離れた場所にいてもらい倒したら、また戻ってきてもらうというのが理想なのだが。
どうしてもこの目で、魔物が倒されるところを見たいと駄々をこねて聞かない。
俺達は、それには流石に根負けして大臣の要求を飲むこととした。
そしていざ、封印を解くこととなった。
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