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異世界食堂in王都

 善は急げだ、俺達はさっそく王都へ向かおうとした。

 移動魔法を使えるレイが一瞬にして、王都へと送り届けてくれるそういう手筈であった。

 しかしレイの顔を見ると、何やら浮かない表情を浮かべまるで王都へ向かうことを拒否するかのようだ。

 俺はなぜ王都に向かうことを拒むのか検討がつかなかったため、いっそ尋ねてみようか考えた。

 けれども俺はそういえばレイはこの国の王族であることを思い出す。

 もしかすればそのあたりに王都に行くことを嫌がる理由があるのかもしれない。

 そう考えると、少し面倒だ。お家騒動特に王族ともなるとその影響力は計り知れない。

 もし下手にレイにずけずけと物申して地雷を踏んでしまっては、何かと今後面倒になる可能性もある。

 俺は言葉を選びつつなんとか彼女の地雷をかいくぐる方法はないか一考した。

 しかし、そのことを全く意にも介さない様子で、ルリがレイに尋ねる。

「あれ? どうして王都に向かわないんですか? 何か不味いことでも?」

 ──この娘は本当に少し鈍いところがあるな。このことは、バベルと一緒に旅をしていた時から思いっていた事だ。

 しかし、その鈍さが突破口となる場合もある。物は考えようだ、この状況を逆に利用してしまおうと俺は考えた。

「そうだぞレイ。何か隠し事があるならもう言っちまえよ」

「ねえナユタ。人には聞かない方がいい事情ってものもあるよね? 私にとってはそれがそうなの。どうしても王都に行きたいなら

これを使って行って帰ってくればいい」

 そうしてレイは、俺にレイの移動魔法が込められたマジックアイテムを手渡してきた。

 それを見て俺は、これはどうも深刻な問題そうだぞと一層疑念を深める。

 ルリは相変わらず状況をイマイチ飲み込めていないようだ。

 当然新入りのサーシャはちんぷんかんぷんで、何も口を挟まないでいた。

 これ以上レイの秘密について探ろうとすれば、きっと険悪な雰囲気になることは間違いない。

 もしかすると今後の冒険にも何か支障が出るかもしれない。

 それはまずいし、避けなければいけない事態だ。

 俺はルリとサーシャを呼び寄せて、レイの言った通り三人だけで王都に向かいどんな事情があるのか探ることとした。



 レイから手渡されたマジックアイテムを使い、俺達は王都へと一瞬にして辿り着いた。

 王都には、俺達がいた街にはない珍品や沢山の人、そして情報が溢れているに違いない。

 俺は、小高い建造物から見下ろす限りの景色を見てそれらに圧倒された。

 ここがレイのお爺さんが治める国かと思わず周りをキョロキョロ見渡してしまう。

 ただそれは田舎者であることを自ら告白しているようなものなので、なるべく辞めたほうがいいのだが。

 俺達は今一種の混乱状態にある。それを一旦落ち着けることでまた見えてくるものがあるだろう。

 とりあえず路肩にある大衆食堂で一服をとることとした。

 路肩にある大衆食堂に入ると、俺達はまず一番奥のくつろげる席へとつきとりあえず腰を据えることとした。

 食堂に来てまず一番最初に驚いたことがある。

 物価の高さだ。普段なら銅貨一枚で食べられるであろう物がここではものによっては数倍の値段で置いてある。

 それを見て思わず二人は腰が引けてしまったのか、注文するのを思わず躊躇する。

 それを見て俺は、きっと二人が遠慮していること。そして俺が、そこまでの経済力がない男だとみなされたように感じ

少し憤りの気持ちを覚えた。

「なにやってんだ。好きなもの頼んでいいぞ」

「本当ですか……?」

 その言葉にいの一番に反応したのは、サーシャの方であった。

 サーシャはどれだけの間奴隷に身をやつしていたのかはわからないが、きっとその間はろくな物を与えられてはいなかったであろう。

 レイやルリのように女の子らしいセンスのした、小洒落た物を頼むセンスは俺にはなかったが、せめて気持ちだけでも気楽に過ごさせて

やりたかった。

 その意図を察してか、ルリが動き出す。

「じゃあ私これ頼もうかな? サーシャもこれでいい?」

「うん」

 そう一言ボソリと呟いたきりであった。

 腰を落ち着けるだけでも一苦労であった。

 しかし、パーティメンバー同士の交流も重要な行事である。決しておなざりにしてはならない。

 それに関しては完全にルリに一任することとして、俺はまさかと思いつつもここでも裏メニューを頼めるのではないか?

 そんな考えが頭によぎり、なんとか裏メニューを頼もうとするのであった。

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