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仮設風向計/詩集その3

緑の詩

作者: 浅黄 悠

おたまじゃくしは生まれたとき

どんな景色をみていたのだろう

水面に泥のおちる空だろうか

湧き水のいっそうつめたいところで

めだかが探しものにでかけたあとで

目をさます



いちばん素敵な朝は

どんな景色だったっけ

葉っぱのみんなに

若草のみんなに

あいさつするために

朝露が実をむすぶ



はるかな時代の船のなかで

あの王女さまが捧げたものはなんだろう

もういない人

はじめからいなかったかもしれない人に

祈りはじめる

はてしない 途方もない恋のうた



ノートに万年筆

洗濯物かごとTシャツ

氷のとけたコップ

ようやく咲けるとうれしそうなふじの花の香るかげで

拗ねてころんと小石のにおい 

蔦のにおい風のにおい お日さまのにおい


お日さまは きらきらなのだった

卵いろのきらきら

とおい大地で ほんとうは誰も気づけないところで


いつも


いつまでも







きっと失ったわけじゃない

今も続いてるんだ……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 透明感に溢れた何か不思議な感じのニュアンスが素敵です。 疑問形で綴られていくせいでしょうか。 王女さまのくだりでは、シェアラザードを思い出しました。 ラストにかけてがまた良かったです。
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