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婚約者に裏切られたので諦める事にした  作者: 東海さん
リヴィア編
31/39

発見?

大変遅れて申し訳ありませんでした

 ライルから別れて宿の部屋で気付く。


「そう言えば名前を聞いてなかったわね。」

「誰の名前を聞かなかったのですか? 」


 セイラの独り言に反応して聞いてくるセイル。 


「セ、セイル。居たの!何でも無いわよ」

「居るに決まってるじゃないですか。私の部屋でもあるんですから。それで誰の名前を聞き忘れたんですか?」

「セイルには関係無いでしょ! 何かいい情報は見つかったの?」


 話を剃らそうと違う話を振るセイラ。ここで追及すると怒ってくるのが分かっているのでそのまま違う話をする事にした。


「まだ着いたばかりですからね。何とも言えないですね。セイラはどうなのです?」

「わ、私は……無いわね。」

「ふぅ、そうですか。今日の所は休んで明日からですね」

「分かったわ。」


 


 翌日、目を覚ましたキュウはライルが何時迎えに来てもいい様に準備をする。


「キュウちゃん、ライルお兄ちゃんが迎えに来たら直ぐに帰るの?」

「それはライル次第なの。キュウはライルに従うの」

「そっか。じゃあ、ライルお兄ちゃんに言ってお昼を一緒に食べようよ」

「ライルがいいって言ってくれたらそうするの♪」


 二人がこの後どうするか話しているとドアをノックする音が聞こえてくる。


「ライルお兄ちゃんかな?」

「間違いないの。ライルなの」


 ノックをしてティナに家の中に入れて貰っていると二人が玄関に来てライルに飛び付いてくる。二人が怪我をしない様に優しく受け止めてやる。


「おっと、こら。危ないだろ?」 

「エへへ、ごめんなさい」 「ごめんなさいなの」


 ライルに怒られても離れない二人。溜め息を溢して受け止めた二人を地面に下ろしてやる。ライルに抱き付いていたのに下ろされた二人は少し不満そうにしていたが、目を合わせて頷き、右腕をキュウが左腕をティアナが引っ張って行く。


 ライルの腕を二人が引っ張って急かすので渋々付いていく。

 テーブルに連れていかれてライルを挟んで座る二人は昨日二人で遊んだ事を楽しそうに教えてくれる。話を聞いているとティナが対面に座りお茶を出してくれる。


「ありがとう、キュウは迷惑を掛けなかったか?」 

「えぇ、キュウちゃんはいい子にしてましたよ。アッシュもキュウちゃんが可愛くて仕方ない様子でしたしね。」

「そうか、それは良かったよ」


 ティナと会話をしていると裾を引かれた方を見ると頬を膨らまして睨んでくる二人。


「あぁ、悪かったよ。ちゃんと話を聞くから怒らないでくれ」


 そう言うと機嫌が治り二人の話を聞いていく。



「もう、お昼だな。そろそろお暇させて貰うよ」

「え~、ライルお兄ちゃん。帰っちゃうの?家でお昼を食べていけばいいよ。ねぇ、お母さん」

「ティアナ、ライルさんにも予定があるのよ?あまり無理を言っては駄目よ」


 言われて少し落ち込んでしまったティアナを見て申し訳ない気持ちになってしまう。


「悪いな。また今度一緒に食べよう。その時は奢るから皆で食べに行こう」

「うん、分かった。約束ね?」 「あぁ、約束だ」



  ティアナの家を出てキュウとギルドに向かって歩き出し、途中の屋台で串焼き等を買って腹を満たす。

 ギルドに入ると人は疎らで掲示板には依頼が少なかった。


「この時間だといい依頼は残ってないか。さて、どうするかな?」

「ライル……キュウのせいでギルドに来るのが遅れてごめんなさいなの」


 俯き自分のせいだと言って落ち込むキュウの頭を撫でてやり、声を掛ける。


「別にキュウのせいじゃないから、気にするな。元々ギルドには昼頃に顔を出す予定にしてたからな」


 掲示板を覗き適当に残っている依頼書を受付嬢に持っていき、依頼を承けてキュウを連れてギルドを出る。

 

「あれ、あんた冒険者だったの?」

「ん?君は昨日の……そう言えば名前を聞いてなかったな。俺はライル、君は?」

「私はセイ……じゃなかった、セラよ。」

「宜しくな、セラ。こっちはキュウ、俺の相棒だ」 


 セラにキュウを紹介する。


「キュウなの、昨日はライルが世話になったの」


 昨日の事は知らないがライルに近付く女に警戒して威圧的に話す。


「え、えぇ、宜しく。」

「セラはギルドに依頼しに来たのか?」

「ま、まぁ、そんなとこね。私、用事を思い出したからこれで失礼するわ」


 慌てて踵を返して帰っていくセラ。


「ギルドに依頼しに来たんじゃないのか?まぁ、いいか。行こうか、キュウ」

「分かったの、行く途中に今の女の話を聞くにするの」

 

 キュウに聞かれて昨日の出来事を話と一人でブツブツと喋っているキュウ。


「やっぱりなの。ライルは一人にすると危険なの。」


 そんな状態のキュウを連れて依頼をこなしていく。




 ライル達から離れて路地裏に入って頭を抱えて座り込む。


「アイツがライルなのね。それに連れていたのがキュウって言ってたから間違い無いわね。どうしよう? 対象の人物と仲良くなったなんてセイルに何て言えばいいのよ」 


 セイルに怒られると思いどうすればいいのかと悩む。

 話したら話したでライルをどうするのか、ケビンに襲わせるのか等、頭の中で色々考えてるとふと思い出す。


「キュウって言ってたけど、普通に小さい女の子だったわね。連れてるのは従魔の筈、でも名前は集めた情報通りだった。あれ、どういう事? 同じ名前で違う人物? う~ん」


 路地裏で悩んでもろくに考えが浮かばないので宿に戻る事にするセイラ。

 


「でも本当に対象の人物ならどうしよう?」




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