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婚約者に裏切られたので諦める事にした  作者: 東海さん
リヴィア編
27/39

ソルシャの離脱

 翌朝、ソルシャが目を覚ます。

ふと隣を見てみると女の子の姿をしたキュウが…………居なかった。


 「キュウ、何処に居るの?」


部屋の中を見て回るが何処にもキュウの姿はなかった。


 「……まさか!ライルの部屋に行ったんじゃ無いでしょうね!」


寝間着から着替えて、ライルの部屋に行く。


ドン、ドン。


 「ライル、起きてる?キュウが居ないんだけれど、知らない?」


部屋の外でドアを叩いてる音とソルシャの声でライルは目を覚ます。


 「ん~、ソルシャか。ちょっと待ってくれ。直ぐ着替えるから。」


起き上がり着替えようとベッドから降りようとすると、ライルの隣で寝息を立てているキュウが居た。しかも、女の子の姿で。


「はぁ〰️、ソルシャが騒いでるのはキュウが原因か。この姿ではベッドに入るなって言ってたんだけどな。」


キュウをそのままに、着替えをしてドアを開ける。


「ライル、キュウがこっちに来てない?同じ部屋で寝てた筈なのに、起きたら、居なかったのよ。」

「あ~、ソルシャ。落ち着いて聞いてくれ。キュウならベットで寝ていたぞ。」

「もう~!抜け駆けしないって約束したのに!キュウ!」


ソルシャは部屋に入り、ベッドまで行くとスヤスヤと寝息を立てているキュウをベッドから床に転がして落とす。


「キュウ!?何が起こったの?あっ!ソルシャなの、何かあったの?」

「何かあったの?じゃないわよ!なんでライルの部屋でしかも同じベッドで寝てるのよ!」

「ご、誤解なの!キ、キュウは……そう、寝惚けてライルの横で寝てしまったの!」


ソルシャの顔を見たキュウは苦し紛れの言い訳をし始めた。


「どう寝惚けたら、鍵が掛かっている部屋のベッドで寝る事になるのよ!これはお仕置きが必要ね!ライル!」

「な、なんだ、ソルシャ?」

「キュウにはお仕置きが必要だと思うの!罰として今日の朝食は抜きにしましょう!」 

「キュウ!?それは横暴なの!断固反対なの!」

「そうでもしないと、キュウは反省しないでしょ!ライルはどう思うの!」


どう思うのかと怒りながら聞いてくるソルシャ、キュウはウルウルと涙を滲ませて見てくる。


「え~とだな、次にベットに潜り込んで来たら、飯抜きでいいんじゃないか?今日の所は注意で終わらせるって事で、どうだろうか?」

「さっすが、ライルなの♪話が分かるの!」

「甘いわよ、ライル。そんな事では、キュウが調子に乗るだけよ!」

「そんな事はないの。ライルはキュウが大事なの♪ソルシャとは違うの!」


言い合いが終わらない二人?を放置して、一人で食堂に移動する。


「朝からこれだけ騒がしいと、考え込む事が出来なくて困るな。」


言葉とは裏腹に笑顔で食堂まで歩いてく。


「ひどいじゃない!置いていくなんて。」

「ひどいの。キュウは何時もライルと一緒がいいの!」


一人で朝食を取っているとソルシャとキュウが寄って来て騒ぎ始めた。


「待ってたら、何時になるか分からなかったからな。しょうがないだろ?」

「そ、それは、私達が悪かったけど、何も言わないで置いていく事は無いんじゃない?」

「キ、キュウもそう思うの。一言、言って欲しかったの。」

「分かったよ。次からはちゃんと言うから、早く朝食を注文したらどうだ?」


ライルに言われて渋々、注文をして朝食を食べ始める。

今日はティアナに謝りに行くのに、ここで時間を使っていられないと思ったソルシャが先に食べていたライルよりも早く食べ終える。その後、キュウにも先に食べられて、ライルが最後になった。


「ソ、ソルシャ、ティアナに何か買っていった方がいいか?謝罪しに行くのに手ぶらっての、あれだろ?」

「そうね、それがいいわ。で何を買うつもりなの?」

「賛成なの♪キュウはティアナに似合う可愛いものがいいと思うの。」

「それをソルシャにアドバイスを貰えたらと考えてるんだが?」


溜め息を吐いてライルを軽く睨む。


「あのね、ライル。謝罪するのは貴方なのよ?私にアドバイスを貰って買っても、それを知ったティアナは喜ばないと思うわ。貴方が選んでくれた物が、ティアナには嬉しい筈よ。」

「そ、そういうものなのか?しかし、あの位の子が気に入る物なんてわからないぞ?変なのを買ってガッカリされるのも嫌なんだが?」

「はぁ〰️、分かったわよ。ある程度は、アドバイスするわ。でも、アドバイスを貰って買ったって言うのは、ティアナに内緒よ?いいわね?」


アドバイスを貰える事になったので安心して食堂を後にして、雑貨屋に向かう。

雑貨屋に着き、中に入って一通り見て回る。


「どれがいいか、分からないな。ソルシャはどう思う?」

「ライルが選んだのなら、何でもいいと思うけど、リボンとかどうかしら?」

「キュウもリボンがいいと思うの。」

「リボンか。そうだな、高いのをプレゼントしても、嫌がられるかも知れないしな。」


リボンを3つ買って雑貨屋を出て、ティアナの家に向かう。尚、リボンの色は赤、青、黄色の三色にした。



コン、コン。


ソルシャがドアをノックすると、直ぐに返事がきてドアが開く。


「皆さん、いらっしゃい。ティアナは中に居るから、どうぞ入ってください。」


家の中に入るとティアナが椅子に座って待っていた。


「い、いらっしゃい。ラ、ライルお兄ちゃん、ソルシャお姉ちゃん。」

「お邪魔するよ、ティアナ。昨日はごめんな。ティアナの事が嫌いで言ったんじゃないんだ。上手く説明出来ないけど、傷付けて本当にごめん。」


ティアナを見るなり、謝罪をするライルにティアナは驚いて困ってしまう。


「ライル、謝るのはいいけど、落ち着いてね。ティアナが困ってるわ。」

「取り敢えず座ってください。今お茶を出しますから。」


ティナに勧められて椅子に座る事にしたライル達、ティアナはライルとソルシャの後に居たキュウに気付く。


「その子は誰?」


ティアナに質問され、キュウが人の姿のまま来てしまった事に慌てる。


「ど、どうしよう?ねぇ、ライル。どうしよう?キュウの姿をすっかり忘れてた。」

「ティアナはキュウの友達だから、隠し事はしない方がいいから、丁度よかったんじゃないか?」


ティアナに、聞かれないように顔を寄せて、会話をする二人にキュウが割り込む。


「キュウも会話に交ざるの!」 「えっ、キュウちゃん?」

「あ~、ティアナ。キュウは人の姿になれるんだよ。ティアナはキュウの友達だから、隠し事はなしにしたいと思ってな。このままの姿で来たんだよ。」


朝から騒がしかったので、キュウの姿を気にしてなかった事を隠して、説明をする。


「キュウちゃんとお喋りが出来るなんて!凄い嬉しい♪」

「キュウもティアナとお喋り出来て嬉しいの♪」


キュウと抱き合って喜ぶティアナ、あまりの喜び様に買ってきたリボンを渡すタイミングが分からなくなるライルだった。


「ティアナ、そんなに騒いで、どうしたの?」

「お母さん。見て、見て。この子がキュウちゃんなんだよ!」

「えっ?キュウちゃんってあのキュウちゃん?」


興奮するティアナの説明が分からなくて困っているティナにソルシャが説明をする。


「へぇ~、凄いのね。キュウちゃんは。」

「でしょ、でしょ!なんたって私の友達だもん♪」


ティナが出したお茶を飲みながら話をして、もう一度きちんとティアナに謝罪する。


「もういいよ。私の事が嫌いじゃないのは、分かったから。私の方こそ、嫌な事を思い出させちゃって、ごめんなさい。」

「ティアナが謝る事は無いんだ。俺が悪いんだから。それでお詫びと言ってはなんだが、ティアナにプレゼントを買ってきたんだ。受け取ってくれるかな?」

「本当!?ありがとう。」

「そんなプレゼントなんて受け取れませんよ。気にしないでください。」


喜ぶティアナの横でティナが遠慮する。


「ティアナは喜んでくれてるんだから、俺の謝罪と一緒に受け取ってほしい。まぁ、ティアナが気に入るかは分からないけどな。」

「お母さん、ダメ?」


ティアナの眼差しに負けて受け取ることを了承してくれる。

ティナが了承したので、リボンが入った包みをティアナに渡す。


「何かな、何かな♪わぁ~、可愛いリボンだぁ。お母さん。見て見て、3つもあるよ♪」

「3つもあるなんて、本当にありがとうございます。」

「ティアナ、気に入ってくれたかな?」

「うん、ありがとう。ライルお兄ちゃん♪」


リボンに喜んだティアナにホッとする。それからはキュウとティアナが二人でお喋りをして、楽しく過ごした。


「キュウ、そろそろ帰るぞ?」

「ライル、キュウは今日ティアナの家に泊まるの!」

「いいのか?」


ティナに聞くと、聞いてなかった見たいで苦笑いを浮かべて頷く。


「悪いな、これはキュウの飯代として受け取ってくれ。」


ライルは机の上に銀貨を4枚置いて家を出ていく。後からティナの声で多すぎます。と聞こえたが、聞こえない降りをして宿に戻っていった。


「ねぇ、ライル?少し話があるんだけど?」

「ん、なんだ?部屋で聞けばいいか?」

「そうね、ライルの部屋に行ってから話すわ。」


ライルの部屋に戻って来ると、ソルシャが話を切り出す。


「あのね、私。リヴィアを出てラグラに行こうと思うの。」

「どうして、ラグラに?」

「ライルの話を聞いて、おかしいと思ったの。私なりに少し調べたいのよ。」

「そうか。」


言葉短めに返事を返すライルは辛そうな顔をして俯いてしまう。


「ライルには辛いかも知れないけど、ちゃんと向き合って気持ちに整理をつけてほしいと思うの。調べ終えたら帰ってくるから、待っててほしいの。」

「…………分かったよ。俺はリヴィアでソルシャが帰ってくるのを待ってるよ。」

「うん、ありがとう。直ぐに帰ってくるわ。」



部屋からソルシャが出て一人になると、無性に寂しく感じたライルだった。







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