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婚約者に裏切られたので諦める事にした  作者: 東海さん
リヴィア編
26/39

ソルシャの決断

ソルシャはティナと二人でティアナを追い掛けてると、子供の足なので、直ぐに追い付く。


「ティアナ、待って。」 「お、お母さん!」


追い付いたティアナを抱き締めると涙を流しながら、ティナに抱き付く。


「ティアナ、ライルも悪気は無かったの。私には分からないけど、前に何かあったみたいなの。許してあげて?」


普段の口調をやめて、優しく語りかける。

そんなソルシャを見つめてティナから、離れる。


「ライルお兄ちゃんに何かあったの?それであんな事を言ったの?私が嫌いだから言ったんじゃないの?」


矢継ぎ早に質問してくるティアナにソルシャは優しい口調を

そのままに語りかける。


「さっきも言ったけど、ライルに何があったのかは分からないの。決してティアナの事が嫌いで言った言葉じゃないのよ?」

「ほ、本当?私の事嫌いじゃないの?」

「本当よ。これでも、ティアナよりもライルの事は知ってるつもりよ?ライルには後で私から怒っておくから、そしたらまた会って遊びましょう。」

「分かった。約束だよ?」 「えぇ、約束ね♪」


ティアナを落ち着かせて、ティナに、はソルシャから誤り、後日謝罪をさせに行くと伝えて家を教えて貰い二人と別れて、ライル達の元へと戻る。


「ソ、ソルシャ、ティアナはどうだった?」


俯きながら、ソルシャに問い掛ける。


「好きな人にいきなりやめろと叫ばれて、傷付かない女の子は居ないわよ。どうして、あんな事を言ったの?」


ソルシャの問い掛けに答えず、俯いたまま動かない。


「はぁ~、取り敢えず宿に戻りましょう。キュウもいいわね?」

「キュ。」


ソルシャに促されて、宿の部屋に戻って来た。部屋に戻る途中、俯いたまま何も言わないライル。


「ライル、一体どうしたの?ティアナは自分が嫌いだから、あんな風に言われたんだと誤解してるわよ?そんな事はないんでしょ?」

「あぁ、ティアナの事が嫌いで言ったんじゃない。俺が悪いんだよ。」

「その原因は私達にも話せない事なの?」


ベッドに腰を掛けて、困りながらもライルは旅に出た理由をキュウ、ソルシャに話し、ティアナに言われた言葉が小さい頃にエリーに言われた言葉と重なった事を伝える。


「ライル、可哀想なの。キュウはライルの味方なの!」


人の姿になり、ライルに抱き付き、背中さする。


「そうだったの。ティアナの言葉をそのエリーって人の言葉と重なってしまったのね。でも、エリーさんは何故そんな事をしたのかしらね、ライルから聞いた話じゃあ、そんな事をする様な人には思えないわ。」

「さぁな、ケビンがAランクだからか俺に悪い所があったのか、それは分からないが、もう終わった事だ。気にする事はない。」

「気にするなって言うけど、今のライルは辛そうよ?私が話し方を変えた事にも気づいてないでしょ?」


いつもの自分なら、ソルシャが口調を変えた事は直ぐに気付くのに、今は気づけなかった事にまだ引き摺っている自分が嫌になる。

 (割り切った筈なのに、情けないな。)


「明日、ティアナに謝りに行きましょ?今日の所はこのまま休んで。」

「分かったよ。明日謝るよ、ティアナは許してくれるだろうか?」

「そんな不安そうな顔をしないの!ちゃんと謝れば、ティアナは分かってくれるわ。私とキュウは部屋を出ていくから、ゆっくり休んで。」

「キュウはライルと居るの!キュウが慰めてあげるの!」


ライルに抱き付いて離れないキュウを無理やり引き剥がし、連れていく。


「ライル~。」 「じゃあね、今日は違う部屋を借りるから、1人でゆっくり休んでね。」


ライルを部屋に残してソルシャはキュウを連れて同じ宿の部屋を借りる。


「ソルシャはなんで、辛そうな顔のライルを一人にするの!」

「キュウ、落ち着きなさい。辛いからこそ私とキュウが傍で慰めても、ライルは自分の事を情けなく感じると思うの。だから、一人で考える時間をあげましょうよ?」

「それがライルの為になるの?このままどっかに行っちゃわないの?」


不安そうに聞いてくるキュウを抱き締めて言い聞かせる。


「大丈夫よ。それと、キュウに言っておきたい事があるの。」

「キュウに言っておきたい事ってなんなの?」

「私、ライルの話を聞いて疑問を感じたから、ライルが居たラグラに行こうと思うの。私が居ない間はキュウにライルの事はお願いね。抜け駆けは無しよ。」


最後はウィンクをしてキュウの頭を撫でる。


「ライルの事はキュウにお任せなの!ソルシャが戻ってきてもキュウとライルの間には入れない様にしておくの!」

「ちょ、ちょっと。キュウ、抜け駆けはなしって言ってるでしょ!」


怒ってくるソルシャ、抱き締められているキュウは手をソルシャの背中に回す。


「それが嫌なら、早く帰ってくるの!」

「ふふっ、分かったわ。早く帰ってくるわ。この事をどうやってライルに伝えようかしら?」



この日のソルシャとキュウは普段と違って仲良く話をして同じベッドで眠った。



一方、ライルは1人にしてくれたソルシャに感謝をして、自分がどうしたいのか、もう一度考える。





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