ライルの心
ソルシャとキュウの喧嘩を止めさせる。
「キュウ、友達も見てるんだぞ?ソルシャも人前でキュウを煽るなよ。」
「キュ!?キュ、キュウ。」
ティアナが見ている事に気付き、情けない声を出して、反省をする。
「別に煽ってなどいない。ただライルが寂しそうに見えたから、そう言ったまでだ。」
キュウを煽るつもりはなかった、自分には悪い所はないと胸を張って言っている。
「キュウがソルシャの言葉を聞いたら、喧嘩になる事はわかっていただろ。小さい子も居るんだから、場を考えてくれ。」
「う!?そ、そうだな。私の考えが足らなかった。」
「反省してくれるなら、それで良いよ。悪かったね、え~と?」
「私、ティアナって言うんだよ。お兄ちゃんはライルでそっちのお姉ちゃんはソルシャって言う名前でいいの?」
「こ、こら、ティアナ。年上のお兄さんとお姉さんを呼び捨てにしちゃ駄目よ!すいません。」
「いや、気にする事はないよ。ティアナ、俺の事はライルと呼んでくれて良いぞ?」
「ティアナ、私もソルシャと呼んでくれ。その方が私的にも嬉しいからな。」
ティアナが呼び捨てでライルとソルシャを呼んだ事に、叱るティナに二人で気にしない様にと伝えて、これからもライル、ソルシャと呼んでくれと頼む。
「う~ん。じゃあ、ライルお兄ちゃんとソルシャお姉ちゃんって呼ぶ。お母さんそれならいい?」
「そうね、それなら良いわよ。」
ティナに確認をしたティアナ、ライルとソルシャはお兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ばれてむず痒い思いがした。
「ねぇねぇ、ライルお兄ちゃんとソルシャお姉ちゃんは恋人なの?」
「なっ!?な、何を言ってるんだ。なぁ‼️ラ、ライル。」
「キュ!?」
顔がニヤケそうになるのを堪えてライルに話を振る。キュウはビックリして、ライルを見てくる。
「違うよ。ソルシャもキュウと同じで俺の仲間だ。」
「キュ、キュウ。」
ライルの発言にそうだと言わんばかりに、頷く。
「そ、そうだぞ。………少し位動揺してくれてもいいじゃない。」
ソルシャは内心落ち込んで、最後は誰にも聞こえない小さな声で呟く。
「ふ~ん、そうなんだ!ライルお兄ちゃんは恋人はいないの?」
「……あぁ、いないよ。」
「こら、ティアナ。失礼よ。そんな事を聞いては駄目よ。」
「え~、なんで?なんで聞いちゃダメなの?」
ティアナに訊かれ、なんて答えたらいいか分からず、困ったティナは初対面の人に聞く事じゃないと言うと、顎に手を添えて考え出す。
「すいません、ライルさん、ソルシャさん。いきなり変な事を聞いてしまって。」
「別に大丈夫、気にしないでくれ。」
「うん、子供が言う事だ、気にしてないから。」
母親がライル達と話をしていると、考えても分からなかったのでキュウを両手で抱き上げて顔を見る。
「キュ?」
「ねぇ、キュウちゃん。会ったばっかりのライルお兄ちゃんに恋人が居るのを聞くのは失礼なのかな?どう思う?」
「キュ〰️ウ、キュ、キュ、キュウ。」
腕を組んで考えて、ティアナの質問に首を横に振って答える。
「だよね!カッコいいお兄ちゃんに恋人がいないのか、普通に聞くもんね♪」
「キュウ!?」
キュウが又しても固まり、ティアナはキュウを抱き締めてライルに近寄っていく。
「お母さん、お母さん。」 「何ティアナ?」
「キュウちゃんに聞いたら、失礼じゃないって。」
キュウを両手で持ち上げてティナに見せる。
キュウをティナ、ライル、ソルシャが見ると、顔を横に向けて視線から逃れようとする。
「ティアナ、ちょっと言いかい?」 「なぁに、ライルお兄ちゃん?」
「ティアナの質問は俺とソルシャは気にしないが、他の人だと嫌がる人もいるんだ。さっきお母さんはそれを気にして、ティアナに言ったんだよ。」
「そうなんだ、分かった。」
ライルが言った理由に納得してくれたのを見てホッとするティナ。
「ライルお兄ちゃんはソルシャお姉ちゃんとは付き合わないの?」
ティアナの言葉に反応してライルを見る。
「ソルシャは仲間だからな、付き合うとかはないと思う。どうして、そんな事を聞くんだい?」
「え~とね、ライルお兄ちゃんが好きだから、気になっちゃうの。」
顔を紅く染めて言うティアナを、ティナ、ソルシャ、キュウが見つめる。
「そ、そうか。それは嬉しいんだが、俺とティアナは今日会ったばかりだぞ?」
「一目惚れなの。」
「俺なんかより歳の近い子とかがいいんじゃないのかな?」
「歳が近い子達は子供っぽくて、駄目だよ。ライルお兄ちゃんがいいの!」
グイグイ強く押してくるティアナにたじたじになる。
「大きくなったら私、ライルお兄ちゃんのお嫁さんになる。」
「あら、そうなの?ふふふ。」 「キュウ!?」 「えっ!?」
ティアナの発言に微笑むティナに驚くキュウとソルシャ。
ライルはティアナに言われて、子供の頃のエリーとの会話を思い出す。
「ねぇ、ライル、私。大きくなったら、ライルのお嫁さんになってあげる♪」
「えっ、エリーが?」
「何よ!私じゃ嫌なの!」 「嫌じゃないよ。」
「なら、約束ね。私はライルのお嫁さんだからね♪」
昔の会話がライルの脳裏に過ると「やめろぉぉ‼️」と叫んでいた。
いきなり叫びだしたライルを皆の視線が集まる。ライルにやめろと言われた事に傷付いたティアナは涙目でライルを見ていた。
「ど、どうした、ライル?」 「キュウ、キュウ?」
「はっ!す、すまない。」
名前を呼ばれて気が付いたライルは誤り、申し訳ない顔でティアナを見ると、ティアナはビクッとして、この場から走って行ってしまう。
「あっ、ティアナ!待って。すみません、これで失礼しますね。」
「私も一緒に追いかけよう。キュウ、ライルの事は頼んだぞ!」
「キュウ!」
ティナとソルシャがティアナを追い掛けて行く。キュウは心配そうに二人の後ろ姿を見てから、ライルを見ると辛そうな顔をして俯いていた。
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