恋愛なんてできない
まずは私の自己紹介でもしよう。
20歳になった。東京の近くのとある国立大学に通う女子大生。親元を離れ、大学のマンションで一人暮らしをしている。もう3年生になる。サークルは中心年代として、引退間際の身としてあれこれ考えたくなる時期だ。ゼミも始まって充実しているが、思ったほどガリガリ活動はない。
実は、学外の学生団体に長いこと所属していて、それで手一杯だ。そこらのサラリーマンよりひどい生活を送っている気がしてならない。今夜も研修やイベントの企画書をやらなければ。当然生活は荒れ、ひどい生活を送っている。
中学時代は運動部だった。その反動で高校時代は音楽系の文化部に入ったが、そこは全国レベルの部活で、ひたすら部活に学生団体に勉強に、忙しい日々を送ってきている。もうここ数年、暇な時なんてあっただろうか。とはいえ、おかげさまで体力は存分にある。
そして私は、「彼氏いない歴=年齢」という、典型的などうしようもない女である。
幼いころは、体ももう少し弱くて、フリフリのピンクの服とかが好きな女の子だった。けれど小学生くらいになると「ぶりっこ」という言葉があちこちで使われるようになった。この「ぶりっこ」という言葉が、私は大嫌いだった。「ぶりっこ」にならないよう、私はスカートを捨て、毎日ジーンズをはくようになった。ピンクの服を着なくなり、青いパーカーを着るようになった。髪こそロングヘア―を保ったが、動きやすいようにいつも結んでいた。男子と話すなんてもってのほかだった。本当は本を読んで一人で静かに過ごしたかったが、そうすると友達はできず、「ぶりっこ」と言われる可能性が高くなってしまう。おまけに「読書が好き」「好きなテレビ番組はニュース」という子だった私は、頭が良かった。このままでは「ぶりっこ」だけでなく「がり勉」になってしまう…。私は苦手なドッジボールを進んでするようになり、サバサバした言動を繰り返し、自分の理想であった「元気で友達がたくさんいる明るくて面白い女の子」に近い立場を何とか手に入れた。小学校を卒業するころだった。
そこから、私は中学高校とそれを引きずって生きてきた。部活が男子並みに忙しかったこともあり、おしゃれもせず「サバサバ女子」を演じた。もはや演技ではなく本性になりつつあった。周りが徐々に色めき立っている中、私は男子と対等であることを望む、かっこいい女子になるべく努力した。結果体力テストや学力テストで男子を負かし、それを誇るかわいげのない女になってしまった。恋愛の「れ」の字もない学生生活が過ぎた。
大学生になると、学生団体の活動が本格化し、忙しい分メンバーとの固い絆ができた。しかし男子メンバーの家でみんなで雑魚寝をしても何も思わないという環境。悲しいことに、私にとってメンバーの男子は恋愛対象にはならず、歴戦を生き抜いた「戦友」にしか見えなかった。
頼みの綱のゼミやサークルも、私の「男子と対等に評価されたい」という想いが先行し、サバサバ女子を演じてしまった。おそらく恋愛に発展する見込みはない。というか、サークルに至っては数少ない男子が全員彼女持ち、ちゃっかりサークル内恋愛とかしている。人数が少ないサークルゆえに、なかなか致命的だ。口に出しては絶対言わないが、悪いけど、みんながいちゃいちゃしている間に、サークルのいろいろな業務、勝手に全部やっちゃってますけど状態。何でもないふりをしているが、いい加減怒鳴りたくもなってくる。まぁいいや。サークル楽しいし、やりがいある活動しているし。
密かにチャンスと思っていた成人式と同窓会も、サバサバしっかりもの女子のイメージが抜けていないどころか進化しており、「タバコ吸います?」「お酒足りてます?」「カラオケで洋楽歌われます?」みたいな謎な扱いで終わった。何も起きなかった。なんてこった。
さすがの私も化粧やファッションに興味を持つようになり、恋愛関連の記事をむさぼるようになったが、あまりに「出会い」がなさ過ぎて記事は役に立たなかった。「出会いがない」というよりも、「人を好きなるというのはどういうことなのかわからない」という感覚だ。
「ビビッとくる」「ひとめぼれ」なんて信じられなかった。
コミュ障の弟ですら、高校で彼女を作って来た。
もう、わたしは恋愛もできない、ダメな女だ。
今まさに、私は絶望の淵にいる。
思い付きで書き始めてみました。
え、自分を投影しているって?
ええそうです。私も彼氏いない歴=年齢です。
たまに更新する予定なので、ゆるーく読んでいただけたら嬉しいです。