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界外の契約者(コール)  作者: 瀬木御ゆうや
邪神の躍動
87/88

87話 miracle@その呪縛は一つの奇跡から始まった

昔、劣悪な環境下に置かれた人々がいた。

国が滅び、住むところを失った人々。

過酷な流浪の旅の最中、その命はどんどん失われていく。


少年はそんな人々の中でも特に不幸だった。

旅の最中に親を失い、独り身になった直後に身売りに飛ばされ、牢獄のような場所で責め苦を受けながら生き続けた。


少年は責め苦と苦しみからいつの間にか感情が消え、何も考えずに人から人へと流れるように身を任せる。




ーもうどうでも良いー




胸中に抱いたそれが最後の感情だったのか、少年がそう思う頃にはとある教団の地下牢獄に閉じ込められていた。


その教団は、1人の富豪が趣味で作った悪趣味。

多くの供物と称して人々を生贄に捧げる信奉者無き異端の教団だった。

たった1人の信奉者無き教団は、666人の奴隷を使いある禁術を行おうとした。


姿なき神、邪神の界外だ。


邪神には姿形は決まってはいない。

動物の時もあれば人間、神話の生物で現れたりする。

そのような定まっていない偶像を『界外術』で呼び出す。

負の感情で呼べる悪神、それ以上に残酷で純粋な感情で呼ばなければいけない。


富豪は自身の力の権威とそれらを象徴する教団の神の顕現に苦労した。

そして、苦心の末集めた奴隷たち。


富豪はこの時点で自身が本国…遠く離れた新天地や海を越えた先に広がる新世界すらも手に入れられると本気でそう思った。



かくして、666人が何の説明もなく動物を同時に殺す事で一致した殺意に呼ばれ、たった1人の富豪の夢と理想で姿を作りそれを模した邪神がこの世界に現界した。



富豪は即座に、その神に願いを叶えてもらおうとした。


邪神の出力が、曖昧な儀式の供物で現界したことによって本来の60%程の力しかないのを知らずに、巨万の富や強靭な兵士(もののふ)で出来た軍隊を邪神に願う。


邪神はそれらを中途半端な形でしか叶えられず、それらに力を使えば消えてしまう。

それも知らず富豪はありったけの欲望をぶつける。


しかし、富豪の願いは聞き届けられなかった。



その邪神の出力の範疇で、全てを叶える事が可能な願いを唱えた1人の少年によって。



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