世界の裏のウラ
皆様どうも
今回の話は読んでて頭にハテナが浮かぶと思います。
ですので、その前に投稿して放置着しちゃっている『スナイプ×フリー』を読めば今回の根幹にあるPDMTって組織が少しわかっていただけると思います。
それ以前に、今回の話もまた断片的ですので前回のお話を参照していただければよろしいかと思います。
襲撃者であるデルモンドは四階に移っていた。
そして、彼はさも面倒くさいといった顔をしながらある男と対峙していた。
その男は、黒いスーツを着こなしており。
傍にはフードを被った少年がいた。
「やれやれ、まさかボクと同じ目的を持っているのにこんな格好で対峙してしまうとは。ボクも運が悪い方なのかな?」
シルクハットのツバをいじりながらステッキを振り回すデルモンドに対し黒いスーツの男は。
「そんな事仰らないでください。こっちの路地裏に配置していた襲撃チームも貴方様の部下に全滅食らっているんです。被害を被って使えなくなった人材を抱えた我々『約束された盤上』の気持ちも考えてください」
そう言って黒スーツは、懐から拳銃を取り出すとそれをデルモンドに向ける。
「引いてください。貴方様がいたら私があの大鷲を殺せなくなる。そもそも、貴方たちの目的は東條絵里でしょう。なぜあの男を狙うのです」
引き金を絞る音と共に狙いを定める。
けれど狙われているデルモンドはそんなのどこ吹く風とも知らず、退屈そうに答える。
「ボクはね、世界の秘密を知りたいだけだよ」
「それとあの男が」
「大いに関係がある。あの男は死なない男と会話しているんだ。それも君が嫌悪して恨んでいるあの組織のナンバー2と」
「………まさか」
拳銃を構える黒スーツの顔が驚きのあまり目を見開いていた。
その様子に何を思ったのか、ただ淡々と報告書を読むように告げる。
「『PDMT』、君が乗っていたバスを爆破し、最愛の彼女を殺した黒幕の正体だよ。陸奥裕也くん」
カツン、と。
陸奥と呼ばれた黒スーツの手から滑るように、拳銃が床に落ちた。
これはとある新聞社の朝刊の見出しの一部。
そこには大きくこう書かれていた。
『バス爆破事件 死者18名生存者1名』
内容はというと、ある大学サークルの乗ったバスが『ワイルド』と名乗るテロリストグループにセットされた爆弾で爆破されるというもの。
テロリストの要求した内容には受刑者の釈放があった為、その交渉の為に当時の大臣、大鷲誠治が担当していたが、相手が要求に飽きたのかバスを爆破した。
運転手と乗客18名が亡くなり、生存者は一人の男だけだった。
その後、警察の機動隊がテロリストグループの潜伏するアジトに突入し、テロリスト7名が死亡してこの事件の幕は引いた。
そのはずだった。
しかし、この事件は奇妙な点があった。
まず、要求された受刑者達と『ワイルド』の接点がない事。
受刑者が全員何らかの精神病を持っており、要注意とされていた事。
そして、助かった男の傍に倒れていた片手片足の失くなった女性。
当時のオカルトや都市伝説マニア達の間ではもはやこの謎が多く、真相が不明な事件を論議しあった。
そして、ある一人のユーザーが書いたその言葉が、この事件の核心をついていた。
『噂のPDMTって組織じゃね? 』
それは他のユーザーにとっては眉ツバものの嘘のような話だったが。
少なからず、黒幕を当てていた。