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ベアナックル・ヒーラー  作者: 夏野菜固定金具
3/3

ゲーム開始中

いつも通りの生活をしているはずだったが、いじめられっ子を結果的に助ける事になって少々めんどくさい事態になった。

自分と大の字はいじめっ子達をボッコボコにしたのだが、そいつら全員を病院送りにしたため教師達と両親からやり過ぎだと怒られ、さらに言動の端々に至る日頃の生活態度を直す様にという説教を貰った。あとはもう少し大人を頼れとも。


正直な話し、自分と大の字は自暴自棄になっていてピリピリとした空気を纏っていたので大人達の言い分も分からないでも無い。だからまぁ、これから気を付けようと大の字と軽く話して別れ、学校生活を健全に送ろうと家路についた。






学校に来て、授業を受けて昼休み。相変わらずクラスに自分と大の字が居ると空気が悪くなるので廊下に出ると、



「この前はありがとうっ!」



自分達にだろう、久々に声を掛けられた。

やたらと気合の入った声で話し掛けて来たのはいじめられていた奴だった。自分も大の字も顔を見合わせてどうしようかと考えあぐねていると、いじめられていた奴の友達だろうか、男子二人と女子一人がそいつを引っ張って行った。それと中等部の制服を着た女子がもう一人合流して何事か話し合っている。何とも言えない空気が廊下に流れて来て、どうしようかと考えていたら声を掛けられた。



「急にすいません。あいつ約束すっぽかしてどっかに行っちまうもんだから。」



いじめられていた奴を引っ張って行った集団の一人がコッチに来て訳を説明してくれた。どうやら周囲の友達どころか妹にも今回の事件の説明をしていなかったらしく、聞き取り調査を行うとのコトだそうだ。そいつは説明を終えてそれじゃと去って行った。



「クラ、取り敢えずメシ食いに行こーや。」


「そうだな。弁当だけじゃ足りないから購買に寄って行こう。」



なんとも言えない空気に大の字が流れを作った。それに乗って自分も歩き出す。今は昼休み。明後日から始まる大型連休の話しで盛り上がるクラスメイトから逃げる様に廊下に出て、いじめられていた奴に話しかけられた。初っ端大声でお礼を言われるとは思っていなかったので戸惑った。どうやら大の字も同じようだ。取り敢えず向こうにも友達が居るらしいのでこっちはこっちで昼ご飯を食べるとしよう。





「さっきはゴメンっ!」



校舎裏でマッタリと食後のひと時を過ごしていたら、またいじめられていた奴がやって来た。今度は肩で息をしている。



「お、おう。まぁ気にすんなや。」



大の字も若干呑まれ気味だ。いじめられていた奴は言葉を続けようとして失敗してむせている。気の毒になってペットボトルのお茶を差し出した。



「わかったから、まぁ落ち着け。」



そいつはお茶を飲み干すと、お礼やら何やらと一気に話し始めた。どうにも要約すると、一緒にゲームをやらないかというコトだ。


正直なところ、お礼としてゲームを勧めるってどーよ?とも思ったがソフトをもって来てくれたのと、いじめられていた本人ができる精一杯のお礼を無碍に扱うことはできないので結局そのゲームをやることになったのだが、



「へぇー、F4(エフヨン)プレイヤーか。俺もやってんぜ。」


「えっ?大伴君もやってるの?」



何と大の字もそのゲームをプレイしているらしい。いじめられっ子と大の字はゲームの話しで意気投合し、二人揃って自分に勧めて来た。何でもタイトルは《フリーフォームファンタジーフロンティア》というヤツで、VRMMOだそうだ。取り敢えずやってみることにした。






家に帰り、早速ゲームをプレイしてみる。ソフトをセットしてVR専用のメットをかぶる。よし、スタートだ。





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