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第4話 終戦! ~平和の笑顔~

やっと文化祭になりました。 つむりです。

というわけで、この学戦も最終話となりました。

今までお付き合いありがとうございました!


では、お楽しみください!

明斗と火凛の見た結末とは…!?

10)


教室に戻ると、授業は終わり、すでに給食が配られていた。


そして机の上には―


「ハー○ンダッツだ・・・!」


本当に千湖の言った通り、高級アイスクリームが一人一つずつ置かれていたのだ。


でも、待て。


オレたちの求めていた、余りの一つは・・・?


オレは、教卓に置かれたダッツの入っていた袋を手に取る。


しかし、なかった。


間に合わなかった・・・?


周りを慌てて見渡すが、どこの席にも二つは置いていないし、クラスメイトも持っていない。


これは、一体・・・!?


その答えは後ろから聞こえた。


しかもそれは、予想もしてなかったことだった。


「ないねん。 元からな」


そう言ったのは、千湖だ。


ない・・・? 嘘だろ?


「どういうことよっ!?」


信じることのできない火凛が、千湖に叫ぶ。


「言葉の通りや・・・。 ウチの学校は知っての通り、貧乏校や。 それが奮発するねん。 無駄な分を買うわけないってことや・・・」


「そんな・・・」


火凛は唖然としてその場で立ちすくむ。


マジかよ・・・。


じゃあ、オレたちが今までしてきたことは無駄だったのか・・・?


必死で教室を飛び出し、ライバルたちの妨害を乗り越え、室長まで倒したんだぜ・・・?


それが何の意味も持たないのか?


「は、ははは・・・」


ダメだ、もう笑うしかねぇ・・・。


オレたちの戦争はこんなにもあっさりと終わっちまったのか・・・。


「いや、まだ終わってませんよ?」


「えっ?」


突然、オレの心の中を読んだかのような発言が後ろの廊下から聞こえた。


今日、何度目だろう。


後ろを振り向いて嫌な目にあったのは・・・。


そこには、横に細い眼鏡をかけた長い髪の女性が、神のような優しい微笑みを浮かべていた。


しかし、どこか黒いオーラが・・・。


「こ、校長先生・・・?」


「ふふ♪ 天野くん、佐東さん、神美さんに望月さんたち、それに夏鳥くん、果集院さん。 みんな、校長室行きでーす♪」


やっぱりこういうオチは、しっかりなんだな・・・。


てか、なんで楽しそうなんだよ、この人・・・。



ふ、ふふふふふふ・・・。


「不幸だぁぁぁぁ!!」


オレの心の奥の叫びが、校内中を駆け回る。


これが、オレたちの戦争の終了宣言となった――。


--------------

11)


全てが終わった。


オレたちのイレギュラーな一日が。


長い長い校長先生の話を聞いているうちにダッツは溶けて、もはや甘い汁と化していた・・・。


現実では、やりたい放題ってのはできないな・・・。


やっぱり幻想の世界が一番だと思う。


オレはそんなことを考えながら、リンゴのように赤い夕日の中を火凛と一緒に帰っていた。


「はぁ・・・。 残念だったなぁ、ダッツ・・・」


火凛は頭の上で腕を組み、ため息ながらに言う。


「まぁ、しょうがねぇよ。 高級アイスが出る時点ですげぇことなんだからさ」


「でもさぁ・・・」


オレはなだめるように言ったけど、やっぱり火凛はどこか不満げだ。


というオレも、満足はしてない。


あんなオチ、あってたまるか。


でも、何だろなぁ。


不思議に気分がいいんだよな。


そう思ったとき、ふいに今日のことが一気に蘇る。


火凛の作戦で教室を抜けたこと。


火凛の一撃で蓮治から助かったこと。


火凛に手を引かれたこと。



・・・んっ?


今日思ったら、なんか火凛に助けられてばっかりじゃねぇか・・・?


しょうがないな・・・。


「なぁ、火凛」


「何よ?」


「あ、ありがとうな。 いろいろ・・・」


うわぁ・・・、思いきってストレートに言っちまったよぉ!!


今のオレ、臭せぇ・・・。


それを聴いた火凛の顔は、みるみる夕日と同じぐらい赤くなる。


「べ、別に、アンタのためにやったわけじゃないしっ!! ダッツのためだし! それに・・・」


「それに?」


火凛は怒ったかと思うと、今度は小さくなってしまった。


本当に忙しいヤツだな、コイツは・・・。


しばらくの沈黙が続く。


・・・。


・・・ ・・・。


「早く言えよ・・・」


「せ、急かすなっ! その・・・!」


さすがに長いから思いきって沈黙を破ってみた。


そしたら、火凛から意外な言葉が返ってきたんだ・・・。


「その・・・、中庭でのアンタ、かっこ・・・よかったよ。 うん・・・」


火凛はオレと目線を反らし、頬をかきながら言う。


・・・マジかよ?


あの火凛が人を褒めてる!?


まさかコイツ・・・。


「熱でもあるのか・・・?」


「ないわよっ!!」


そこまで怒る必要ねぇだろ・・・。


オレは、はぁ・・・、と深いため息を付く。


それにしても、今日はなんだかんだで充実した一日だったかもな。


たまには現実も悪くない、か。


それに今日の火凛はなんだか、よかったしな。


そう、なんだか・・・。


何だろう。 そう考えると胸の鼓動が速くなり始めた。


戦争は終わったのに・・・。


「どうした、明斗?」


「!?」


火凛に何気なく声をかけられただけで、なんでこんなにビビってんだよ!?


・・・もしかして、か。


オレは火凛が嫌いだ。


コイツと一緒にいたら命がいくつあっても足りねぇ。


でも・・・。


「なぁ、火凛?」


「何?」


「その――。」


戦争の後の夕日の下で、


彼女は平和な笑顔を見せた――。


お疲れ様でしたぁ!

改めまして、こんにちは。 つむりです。


やっと、この即席小説も最終話えを迎えることができました。

つむりの学校でとうとう文化祭の日を迎えたのです。


初めにも書きましたが、この小説は文化祭で公開するものとして書きました。

ほぼ3日で書いたので、かなりグダグダでしたが楽しんでいただけでしょうか…?


最後はほのぼのと行きました。

なんだかまたまた急な展開…。


では、これで終わるとして。


やっと、本命の小説に移れる…。

Soul・Linkもよろしくお願いします…。

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