表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/15

部員募集と初めての部活動

 翌日放課後。

 私たちロボ研は追加の部員募集をすることにした。

 科の職員室にほど近い掲示板。

 すでに担任の山田先生には許可を得ている。

 ここの掲示板に部活勧誘のチラシを貼りだしておく。

 テンプレートを埋めただけの簡素なチラシ。それがいくつも張り出されている。

 私は既にロボット研究部に入っているから関係ないのだが、掲示板には様々な部活があった。


(競技麻雀部? ライフル射撃部? うわぁ。色々見てから決めればよかったかも)


 中学では見たこともないような部活もたくさんあった。


「うちの学校ってさ、弓道場なんてあったっけ?」


 吉元さんが疑問を口にした。

 体育館はあるが、そんな場所は学校見学のときにも見ていない。


「施設が無いのは近隣の学校と合同でやる、って言ってましたよ」


「へぇ~。じゃあボウリングとかゴルフもそうなんだね」


「あ。そっちはたぶん大学と合同ですよ」


 やけに詳しい鮎原さんだ。 

 

「色々調べて、でも、せっかくだからわたしたちの高校でしかできない部活をやってみたくて」


「それでロボット?」


「はい! 工業高校ならではの部活です」


 ということで、貼り出し完了。

 あとは他の科の職員室前にも貼る。


「にしても広いなぁ」


 4棟、4階建ての校舎。

 自分たちの普段使わない校舎。


「なんか独特・・・・・・」


 機械科の実習室もかなり鉄と油の匂いがするが、こちらはインクの匂いがする。

 場所はデザイン科の職員室。

 掲示板に画びょうでポンポンと4カ所貼り付け、これで4科すべての職員室のところに貼り出せた。


「誰か入ってくれるといいねぇ」





 今日は3回目の数学Ⅰの時間だった。


「よーしぃ、いくぞぉー!」


 教師の小野寺おのでら先生は勢いよく黒板にチョークで数式を書いていく。

 ちゃきちゃきの関西人で、今年から関東に赴任したのだと自己紹介で言っていた。


「2x(3x-2y) 、はい、出席番号、今日は~4月の13日、13番、長田ながた!」


「・・・・・・」


長田ながた!」


「あっ、はい!」


 まだまともな2回目の授業なのに、先生の立て板に水を流すような指名についていけなかったのだろう。


「まだめちゃくちゃ簡単な中学の復習だぞ~。3、2、1・・・・・・」


「えっと」


「はい~。6x2乗-4xyでした~」


 カツカツと黒板に素早く回答を書く小野寺先生。

 なんとか板書して、授業が終わる。

 中学1年生相当の復習の内容だったとはいえ、春休みを挟んだせいで頭がぐうたらになっていた。


「みんな、来週は基礎学力試験があるからな。復習をしっかりしといてください」


 

 今日は初めての部活の集まり。


「今日はみんなでロボット相撲の動画をみて、感想を書いてもらおうかな」


 プロジェクターで映した動画をみて、思ったことを書くことになった。

 ラジコン型や自立型のロボットがぶつかり合い、先にラインの外側に出たら負けというルールらしい。

 その動画を見て私が思ったのはこうだ。


『動く速度がハエ叩きくらい早くてびっくりした』


 見た目は金属の塊に見える、ロボット掃除機の大きい版みたいな感じなのに、シャカシャカととても機敏に動いていた。


(私にこんなのがつくれるようになるのだろうか?)


 工業高校に決めたのは、なんとなく人とは違うことをやってみたかったから。

 この部活にしたのは、誘われてなんとなく。

 この適当な判断が、後々、私の人生を狂わせることは知る由もなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ