忘年ランチと新年初授業
次の日から冬休みが始まった。
ウチのクリスマスプレゼントは現金1万円。
サンタの存在が判明してからというもの、お父さんから毎年金額固定で貰っている。
(宿題はすぐに終わらせるっと)
3日かけて、宿題を終わらせた。
山田先生から貰った本は非常に面白く、あっという間に読み終わって、感想文も削りに削って2000文字に収めた。
12月もあと僅か。
ふとスマホを見ると、鮎原さんからグループメッセージが入っていた。
『12月30日、ロボ研で忘年会しませんか? もちろん先生も参加してください』
「今年はね、あんまり活動らしいことはできなかったけど、来年はガンガンやるからね」
ワインを口に運びながら言う須藤先生。
忘年会に選ばれた店は、横浜にある、食べ放題、飲み放題のイタリア料理のお店。
学生の私たちにお手頃な値段で、悪いレビューもなかったとのこと。
忘年会、というと、テレビでの紹介のように、大人が集まって居酒屋で酒を飲む。
なんていうイメージかもしれないが、私たちは高校生。
ランチで、ピザをシェアしながらの忘年会となった。
「みんな、来年やりたいことってある?」
「そうですね・・・・・・。ロボット研究部といったら、ロボット相撲だと思います」
森さんは言う。
それに頷き、鮎原さん。
部活を作った当初から、ロボット相撲、そう言っていたのを覚えている。
「それに新1年生の新入部員も欲しいよね」
「それもそう、でも私たちの活動、まだ何もアピールできないのがもどかしい」
11月にあった文化祭も、今後の活動予定(未定)を掲載しただけの物になってしまったので、来た人へのアピールとしては弱かっただろう。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします」
新年始まって初めの家庭総合の授業。
「今日は、お正月の風景を教えてもらいたいと思います」
「1人、1つ、『お正月と言えば?』を書いて提出してもらい、被った人の少ない順で紹介していきます」
(これ、どうなんだろう?)
私は『お屠蘇を飲む』、と書いて提出した。
先生の集計が終わり、発表になった。
「一番多かったのはお年玉。みなさんは幾ら貰っていますか? 先生は、あげる側になってしまいました」
「まず3位。2つあります」
「凧あげ、福笑い。この2つですね。お正月にやる、昔ながらの遊びですが・・・・・・」
「2位。おせち料理を食べる。よく年末にコマーシャルをやっていますね。現在は、好きなものだけ食べるのが主流だとか」
「そして1位。お屠蘇を飲む。書いたのは柴咲さんだけでした。よく知っていましたね?」
「家で毎年飲むんです。みりんのやつ」
「田舎は由緒ある大きいお家ですか?」
「いいえ? 代々、両親とも東京らしいですけど」
「それは意外ですね。屠蘇散は世代ごと、年長者から順番に飲む風習が多くてですね・・・・・・」
そして放課後の部室。
「春花、お屠蘇ってなんなのさ?」
「3が日に飲む薬? みたいなの? やっぱりみんなの家では飲まないのかな?」
「甘酒は知ってるけど、それは初めて聞いたね」
部室では私のお屠蘇の話題が続いていた。
「先生は知ってます?」
「いや、神社とかで配ってたりするけど、飲んだことないなぁ。どんな味なの?」
「どんな、と言われても。甘めで、味は他に例えが出ないような・・・・・・。なんかドロっとした喉越しの飲み物」
正直、年に1度しか飲まないし、美味しいものではないかな?




