表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

初めての工業技術基礎

 1週目の授業では、先生たちとの自己紹介や中学の簡単な復習をする数日。

 そして、ついに機械科特有の授業、工業技術基礎の時間がきた。

 工業技術基礎は教室で作業着に着替えて、2階のホールに整列するらしい。

 名前の刺繍された水色の作業着に着替えて、帽子も被って準備完了。ホールへ向かった。


「はい、点呼を行います。名前を呼ばれたら元気よく返事をしてください。いいですか? "元気よく"お願いします」


 ホールで待っていたのは、緑の作業着を着た若い男の先生だ。


鮎原あゆはら


「はぃ」


「元気なさそうですね。もう一回!」


 ずいぶんと大きい声で言われて、私たちは若干引いていた。


「はい!」


 鮎原さんは負けじと声を張った。


「え~、なぜこんなことをやらせるか? この授業は体調が万全でないと危険です。なので体調不良の場合は無理せず言ってください。それで単位が足りない場合、補習も行います」


 私たちはあまり納得できない感じで、とりあえず返事をした。


「では、このアルミ材。これを削ってもみたいと思います」


 ガラガラと台車で機械と金属の塊が運ばれてきた。

 機械から電源コードが伸びる。

 機械の前で説明を受け、先生が実際に機械で金属の塊に穴を開けた。


「授業でもこんな硬いものに穴を開ける訳です。回ってる部分に指が触れるだけでちぎれます。髪の毛も"必ず"帽子の中へと入れるようにしてください」


(こわっ)


 体調不良でこの授業を受けられない理由がよく分かった。

 おそらくどこの教室でも同じようなことがあるのだろう。


「製図以外で、科の作業中ではゴーグルと帽子は"必ず"着用してください。飛んできた金属くずで失明するのはよくあるので」

 

 出席番号順に5人ずつに分かれて実習室に向かう。

 クラスの人数は全部で20人。

 4つのグループに分かれ、授業を受ける。

 私の出席番号は11番なので、今日は実習室2へ向かった。


「集まりましたか? 出席番号11番から15番です。柴咲しばさきさん、鈴木すずきさん、長田ながたさん、橋本はしもとさん、藤川ふじかわさん」


 長机の前に座り、呼ばれた順に返事をしていく。


「はい結構。今日の授業から6週間、"フライス盤"を教えます。僕は梶川かじかわ、そっちの彼が栄田さかえだ先生」


「栄田です! みんな、よろしく」


 先ほど点呼を取っていた、目の細い若い男の先生は梶川という名だ。

 教室の後ろでメモを取りながら、私たちと一緒に立っているのは栄田という先生。


「先に断っておきますが、危険なとき、言葉より先に僕たちは手を出します。もし、不快であってもこちらの言うことを聞いてください。なによりも安全を優先します」


 私たちはその言葉にゴクリと唾を飲んだ。


「では、"フライス盤"について説明します」


 そこから教科書を読みながら、長々と1コマ分、フライス盤についての説明を受けた。

 ちなみに1コマというのは1時限分、50分のことだ。

 この1コマ分で教わったことを簡単にまとめると、刃を回転させ、そこに固定した品物を当てることによって削る。

 角型の物を作るのに向いている、穴あけも行える。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ