第三話 激戦(大嘘)
ようやく新章3話目更新よー(次の更新予定:未定〔多分きっと恐らくメイビー2週間以内には……〕)
今回はいつも読ませて頂いている方の書き方を真似て、会話ではない部分を1マス開けてみました。どちらの方が読みやすいか教えてください!!(出来ればいいねや感想で……)
「さて、あのマッチョマンどうする?」
遠目から見てだとゴブリンキングよりも細いなぁ、としか思わなかったが、近くから見るとただの(?)緑色なマッチョメーンだった。なんだあれアスリートか?それともボディビルダーか?そんなレベルでムキムキだ。ちなみにキングの方は筋肉もあるんだろうが、脂肪の方が多そうだったな。
「どうするって……倒すでしょ?」
「どう見てもレアモンスターかなにかだろう。それが一番だとワタクシは考えるが?」
まぁそりゃ倒すが。そしてナオキ、その新しくなった服を脱ごうとするな。
「私も倒しておきたいですね。あまり戦えなくて少し不完全燃焼だったんです」
「お前あんだけ斬り捨ててまだ足りないのかよ……大丈夫か?それに飲まれてないか?」
めっちゃ不安なんだが?ダモンが戦闘時に魔法を撃つとき、その本フワッと浮かび上がってパラパラしてるんだよな。なんか黒く光ってたし。そういうエフェクトなのか、それとも…………
「ふふふ、大丈夫ですよ。これは新しくなったこの刀のスキル効果を試したいだけですから」
「頼むぞほんとに……失踪してくれるなよ」
お前のばあちゃんみたいにな。
「じゃあさっさと行く?見た感じ結構強そうだし、楽しみだね!」
「こわ。バトルジャンキーかなにかか?」
じゃ、あの剣呑で物騒な武器持ったマッチョマンをぶっ飛ばしに行くか!
《プレイヤーのボスエリア侵入を確認》
《ゴブリンの森最深部・ゴブリンキング》
《イベント進行中》
《ゴブリンジェネラルに変更》
《戦闘開始》
やっぱイベントか!なんて思った瞬間に、目の前のゴブリンジェネラルが息を吸い込んだ。………あん?
『ウ゛ォォオォォォオォオ!!』
「ぐおっ!うるせぇ!!」
「クソデカボイス~!」
「鼓膜が破れますー!」
と、俺達は悶絶しているのだが………
「あれっ」
………なんでナオキだけ平気そうなんだろうか?
「……なんでお前だけ平気そうなんだ?」
「いや、そんなこと言われても……平気としか言えん」
意味が分からん、ヨシ(いや良くないけど)!
「考察なんて後々!来るよ!」
「やべっ!」
「そういえば戦闘開始してるんだったな!」
「また叫ぶ前に寝かせましょう!永遠に!!」
相変わらず物騒だなダモn『グォォォ!』ッとぉ!?」
やべぇ、想像よりも数倍速ぇぇ!少し意識を反らした瞬間に斬りかかって来やがった!デカイからリーチも長いし、どうみても重いから威力もある。あんなん食らったら下手すりゃ一撃で死に戻りだ!こいつは激戦になりそうだな!!
「全員、絶対に直撃を貰うなよ!」
「当たり前だろう!痛いのは誰だって嫌に決まっている!!」
「ボクは後衛だから大丈夫!多分!!」
「多分はいらん!」
「できる限りの避けますとも!」
ダメだこりゃ。心配になってきたなぁ……。ん?なにしてんだあの筋肉、俺を指差して……?あ、嫌な予感。
『オォオォォォオォォォ!!』
『『『ギャギャー!』』』
「ですよねー!」
取り巻きが全部こっちに来やがったァ!!1、2、3、4、5…………10体くらいか?
『ギャァァ!!』
「ぐっ……ラァ!」
一撃がやけに重い……この体格からなんでこの威力の剣を繰り出せるんだ?中学生くらいじゃないか。ゴブリンの中だとでかいけどな。鑑定っと。
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モンスター:エリートゴブリン:ゴブリンリーダー
性別:♂
説明:ゴブリンジェネラル直属の配下。複数のエリートやノーマルの兵士を統率、さらに連携し軍隊のように戦える。
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なるほど、リーダー。兵士を統率し軍のように戦う、か。うん嫌な予感がさらに強くなりやがったな!絶対また増えるだろ!
「そんなん許せるか!フラーマ!」
『ピィー!』
『『『ギョァァァァァッ!?』』』
と、言うわけでフラーマのヘルファイアでリーダーどもにはこの世からご退場してもらった。相手してられっか、あんなん。
『グォォォォォ!!!』
「あっれなんか怒って、るゥ!?」
あっぶねぇ、真横をあのバカでかい剣?が通りすぎたぞ!盛大に地面を砕きやがった……なんでこいつこんな急にキレんだよ!
「カイト君………前もこんなやり取りしたよね……?」
「なにがだ!」
「そんな雑に大打撃を与えられたら怒るに決まってるでしょ!お約束とかそういうの知らないの!?」
『グォォゥ!!』
こ、こいつ…同意するかのようなタイミングで鳴くんじゃねぇ!罪悪感が募るだろ!!なんて思っていると、
『グギャァァァ!?』
なんて悲鳴をゴブリンジェネラルがあげた。何事かとあいつの後ろを見ると、そこには刀を抜いたダモンが立っていた。
「そんなものはバラバラに刻んで犬にでも食わせてあげれば良いんですよ。それで負けたりしたら意味が無いでしょう?」
うーん、ド正論だな!俺はそっちの方が正しいと思うぞ。
「と、言うわけで、行くぞー!」
「なんか納得いかなーい!!」
「ボス相手になら性能を試せるだろう、楽しみだ!!」
「服は着ててねナオちゃん!!」
『ピッ!』
フラーマがこっちも忘れるなと参加してきたな。さぁ、メインディッシュだ!
『ウォォォォ!』
『ピィィィィ!』
ジェネラルとフラーマが互いに威嚇しあっている。音を聞いただけだと圧倒的にフラーマが不利そうだが、音量はどっちも同じくらいだし、見た目も入れればフラーマは小さなフェニックス的だから普通に強そうだ。とりあえず……
「フラーマ!もっかいヘルファイアをぶちかましてやれ!!」
『ピィィィィ!!』
「えっ、またそれ!?」
そんなアオイの声を気にせず発動させたフラーマが纏っている炎が凄まじい勢いで集まり、輝く火球となってジェネラルに向かって撃ち出された。あれが直撃すればもう勝ちのはずなんだが……と考えながら位置を変える。
『グォッ!』
「だよなぁ!流石に避けるよなぁ!」
そりゃ部下を全滅させた攻撃なんぞ避けるわな。そしてそのまま近づいていた俺に斬りかかってきた。だが今度は、俺もちゃんと構えてる。
「ハァッ!!」
『ウ゛グォォァ゛!?』
しっかり見ていれば絶望的に遅いその一撃を避け、ザクッと深く斬りつけてやる。人間なら普通これで死ぬんだが……。
『グォオァォオォォ!!』
「平気そうなのが流石だよな!だが……」
俺だけ気にしてて良いのか?
後方から飛来した蒼く輝く光条が、ゴブリンジェネラルの右肩を貫いた。そして奴が悲鳴をあげる前に、2つの影が奴の左右に現れた。
「覚悟!」
「お前もそんな窮屈な鎧を脱皮しないか!?」
ダモンの刀とナオキの槍が交差し、片方は強固な鎧ごと肉体を切り裂き、もう片方はその鎧を風化させ、塵に変えて、その下の身体を傷つけた。
『ピィ!』
そこにさらにフラーマの炎を纏った突進が炸裂した。鎧が風化して塵に変わってしまったので、鳩尾に良いのが一発入ったようだ。
『ッゲェ!?ォ、ァ……?ガッ………!!?』
見事に全ての攻撃がクリーンヒットしたジェネラルは、何が起こったのか分かっていない様子で、鳩尾に火傷を負い、全身を血で染めながらふらついていた。これでも倒れないか。でもまぁ瀕死だな。
「今回のトドメは進化したばっかりなナオキにするか?」
『ボクはそれで良いよー』
いつの間にか森の中に潜み、俺達から距離を取っていたアオイは通話越しだ。戦闘中でも使えるとか便利だな?
「私はもちろんナオちゃんで大丈夫です!むしろ譲りたいくらい」
「むむ……良いのか?なんとなく経験値とかがたくさん貰えそうだが……」
「気持ちの問題だから大丈夫だ、多分」
ま、本当にトドメを刺した奴の経験値が多くなっても、今一番レベルを上げるべきなのは進化したてのナオキだろ。アオイは進化した時の試し撃ちで大量に経験値をゲットできたが、ナオキは違いそうだしな。
「いや、ワタクシもそれなりに狩りをしながら合流はしたんだが……いや、ここは素直にありがたく貰っておこう」
「素直が一番だな」
いや、ほんとに。意外とこいつも(その辺で脱ぐとき以外)遠慮深いしな。ん?〔も〕ってことは他にもいるのか、って?そりゃもちろんダモンだ。普通にめっちゃ遠慮するぞ?あんまり我を遠そうとしないしな。本当に嫌なこと以外は基本譲ってくれる。こっちの気が引ける事もあるが……。
「では、とりあえずワタクシの必殺技?をご覧にいれよう」
そう言ってナオキはやたらと豪華になった槍を構えた。えらい鋭いし、良く斬れそうだな?深緑の宝玉と下地の素材、その上に銀の装飾か。芸術的だが実用性も高そうな良い武器だ。
「ふぅー……」
そしてナオキが集中を始めると、それに呼応するように槍の先に風が集まりだした。なんで風が見えるのか?それはな、薄い緑で色が着いてるからだ。だから目を凝らせば見える……のだが。
『ねぇ、緑がどんどん濃くなってってない?』
そう、風が圧縮されて行っているのかどんどんしっかりとその旋風が見えるようになってきているんだよな。渦を巻く速度がかなり速いな。あれを飛ばすのか?と思った所で答え合わせの時間が来た。ナオキがカッ!と閉じていた目を開いたんだ。そして、全身ををバネのように使い、槍を構えたまま吶喊し、跳ね上がった。って、はぁ!?
「これで眠れ!《万物を穿ち崩す風》!!」
と、高らかに叫び、その槍を思いっきり奴の眉間に向けて、体ごと貫く軌道で投擲した。
「マジかよ、槍ごと投げつけるのか!」
『でもその方が質量はあるだろうし、何より強そうだよ!』
「カッコ良ければそれで良いんです!」
まぁそうだが……なぁ?
◇◇◇◇
『ヴ、ォオォォオオォォア゛ァ゛ァ゛!!』
王の帰還を待っているゴブリンジェネラルは、なんとしても迫り来る己の最期を、敬愛する王が帰るべき場所を喪ってしまう未来を回避しようとその武器を掲げた。王に与えられたらその剛剣は、普通の槍の投擲ならそれで防げたことだろう。だが、その槍は全く普通ではなかった。
『オ、アァ!?』
その槍はいとも簡単に彼の剛剣を貫いた。いや、風化させたと言った方が正しいだろう。槍の纏う風に触れた部分は、どんどん塵のようになって行った。ものの一瞬で剛剣には大穴が開き、槍は彼の額に高速で接近し……
『…………ァ』
ズドン、という音と共に彼の頭も身体も貫かれ、その肉体は剛剣と同じ末路を辿った。元は何だったかすら分からない塵となる末路を。そして大地に墓標の如く突き立った槍も、それを投擲した者の手の中へ……風に吹かれて行く、数瞬前まで生き物だった塵を、何の感情もなく見つめ、槍に向けて手を伸ばしている者の下へ戻っていった。そして、誰も居なくなった集落の中心で、塵だけが虚しげに風に飛ばされていった…………。
凱人達はそこそこ高身長です。女の子なので碧が一番低いけど彼女も女子の中ではだいぶ高い方です。
そして前書きでも似たようなこと書きましたが皆さん!感想と!いいねと!評価(下の方の☆☆☆☆☆マーク)を!作者に!下さい!!




