第九話 張り詰めた空気
無理でした(´・ω・`) (すみません)
次の投稿……?知らんな!(今週中には出せるように頑張らせていただきます)
さてさて、昨日はしっかり寝たし、朝飯も食った。そんでもって父さん母さんの分の飯も作った。ログインするか。
◇◇◇◇
「よし、ログイン完了。そろそろ立ったままログアウトも卒業したいんだがなぁ」
毎回転びそうになるんだよ、少し浮いてる状態から始まるから。一応家とか買えば寝れるらしいんだが。あと多分そのうち実装されるであろうギルドホームとか。宿屋でも良いが、なんかなぁ。
『ピィー!』
「はいはい、おはようさん」
フラーマも元気そうだな。こいつも調査に連れてくか。異変がなけりゃそのまま探索しても良いしな。おっ?プレイヤーコールだ。多分碧だろ。
『あ、凱人君?』
「ああ、準備出来たか?」
『うん、ゴブリンの森で集合ってことで良い?』
「了解……昨日言い忘れたが、よくもあんなもん1キロも送りつけてくれたな?」
『嬉しいでしょ?ラルドなんてなかなか手に入らないよ?』
「絶賛処理に困ってるんだが??」
ラルド1キロとか、そうそう使いきれる量じゃ無いだろ!!
『………じゃ、早く来てねー!』
「あっ!待てコラ、話は…………切りやがった」
クソが。まぁゲテモノじゃないし、そろそろ許しとくか。
◇◇◇◇
さてそんなわけで全員集合ってな。
「楽しみですね~、強くなっているならそろそろ大規模イベントとかも来るでしょうし」
「そうだな!ワタクシとしては街中では起こって欲しくないんだが……」
「いや無理でしょ。大規模イベントで脱いだら下手したら運営に怒られるよ?」
「とりあえずナオキは脱ぎ癖治そうな?現実だと普通に捕まるぞ?というか実際何回か捕まってんだろお前」
と、和気藹々(?)と話しながらゴブリンの森に向かっているわけだが。
『ギギギ………』
「……なんでもうゴブリンがいるんだ?」
「知らないよ、そんなこと。十中八九異変のせいだろうけど」
「ん?ダモンはどこに………」
「ハッ!」
スパッ
『ギャ………?』
「「「えっ???」」」
何故かゴブリンが森に入る前からいたから、少し隠れて話し合っていたんだが。
「なーにしてんだお前ぇぇぇぇぇ!!」
いつの間にかゴブリンに接近していたダモンが首を撥ね飛ばしやがった!というか、
「だ、ダモン君……その禍々しい刀はなに……?」
いつの間にかダモンの刀がとんでもない事になってるんだが?しかもゴブリンから何か吸ってなかったか???
「実は少し前にラルナさんに強化していただきまして。素材を集めるのに苦労しましたねぇ……」
「そういうことじゃ無いんだよなぁ………」
しかも魔本の見た目まで変わってるし……というかそれあれじゃないか。失踪したダモンの婆ちゃんが置いてったっていう……えーっと、そう。
「【苦楽の境界】だったか?その本」
「そうです!第9章ですね!いやー、こっちに持ってこれるなんて、その上魔本のスキンに変更できるなんて最高ですね!」
「でもそれ、国に禁書指定されてなかった?大丈夫?」
アオイの言うとおり、読んだやつのほとんどが何らかの形で被害を受けたせいで、この超デジタル社会の時代にもなって、禁書指定からの没収されかけた曰く付きの本じゃなかったか?
「私が管理している間は大丈夫ですよ、多分」
多分じゃ駄目なんだよなぁ………。
「まぁ良いが。とりあえず行こう、ほぼ絶対異変は起こってるから、どのぐらい強化されてるか見るぞ」
「「「おー!」」」
◇◇◇◇
さて、到着と。……うん、どう見ても異変だな。まだ浅いエリアなのに、前来たときよりもだいぶ暗い。それに空気も張り詰めてるって言うか、鋭いって言うか……ねばつく感じだな。
「うーん、雰囲気バッチリですね、良い感じです!」
「えぇ……?そんなお化け屋敷に来たみたいな……」
「ワタクシはこの雰囲気は嫌いなんだが…?」
やっぱりダモンはこういうところはどこかずれてるよな。退魔士が死に物狂いで逃走したっていう心霊スポットに行ってニコニコしながら帰ってきたくらいだし(その時ダモンを見た坊さんは気絶したが)。
「んー、そうですかねぇ?結構良いと思うんですが……」
「えー……」
その時、茂みに気配を感じた。少し薄いが、ゴブリンか?とりあえずフラーマ呼ぶか。
「【絆の呼び声】!」
『ピィー!』
「おおっ!?それがカイト君の相棒かぁ、可愛いね!」
お前もずれてないか?戦闘の可能性があるんだが?……まぁ良い。フラーマを呼び出したのは、少し前にフラーマも俺も同時に覚えたスキル《絆の呼び声》の効果だ。言葉に魔力を込めて、そのスキルの対象者の名前を呼ぶと召喚出来るらしい。詳しくは知らんが。
「良いなぁ、ボクはアズール置いてきちゃった」
「私も」
「ワタクシもだ……」
まぁ、こういうスキルはあると便利だよな。
『ギィ!』
「おっと。そんな気配だだ漏れの奇襲なんて食らうか」
せめて複数でタイミングをずらして襲って来ないとな。ま、ここには4人と1匹いるからなかなか奇襲なんぞ受けないと思うがな。それにしても、前まで錆びているとはいえナイフなんて持ってなかったよな……。
『ギャァ!!』
「よっ!ハッ!」
スパッ!と音を立ててゴブリンは縦に両断された。あ、鑑定忘れたな。まだ出来るかな?
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モンスター:ゴブリン:ゴブリンシーフ:死体
性別:♂
説明:怒れる王の影響を受け、特殊な技能を身につけたゴブリン……だった物。まだ身につけたばかりの拙い技で敵に挑んだ結果、その命を落とした。
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なるほど、盗賊か。だから少し気配を消せてたって事だな。そして殺したあとだとこういう表示になるのか。初めて知ったな。一応持っていた武器も……。
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アイテム:武器:錆びきったナイフ
説明:風雨に晒され、錆びに錆びてしまったナイフ。壊れる寸前。その鋭さも、美しさも失われている。腕の良い鍛冶師なら、かつての勇姿を取り戻せるかも知れない。
耐久値:1/20
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ふーん……。要するにこのままじゃただのオンボロですらないゴミか。今度ラルナの所に持ち込んでみよう……。それは置いといて、
「今までいなかったタイプだな。シーフか……怒れる王って単語も気になるな」
「怒れる王……カッコいいな」
「おいおい、高校生にもなって厨ニ病再発か?勘弁してくれよ」
「嶋ちゃんはこういうのカッコいいって感じるのかぁ……。知らなかったです」
怒れる王……。うん、このタイミングでこの単語、絶対にあいつだろ。もうフラグがゲーミング風に光って自己主張してきてるな。まぁ勝てるとは思うがどの程度強化されてるのか、それによるよな。
「みんなー!なんか変な獣道みたいなのがあるよ!行ってみよー!!」
でかいでかい、声がでかい!!
「アオイ!もう少し静かに!ワールドフロンティアがそういうところを作り込まないわけ無いだろ!」
「あっ、ごめんごめん」
アオイのせいで静かに叫ぶという矛盾した行動をする羽目になった。全く……。
「じゃ、アオイの見つけた獣道を進むか。全員わかってると思うが、出来るだけ気配は隠せよ」
「はいはい」
「気配を消すのは得意です」
「ワタクシは苦手だな………頑張るとしよう」
よし、行くか。
『ギギッ!』
『ギャッ、ギャギャッ!』
おっと……
「ゴブリンだな。4体か?」
「うーん………5体だと思う。聞こえにくい足音が1つあるよ」
なるほど?
「1人1体だな。行けるよな?」
「もちろん!」
「もっと任せてくれても良いんですよ?」
「やらせてもらう!」
『ピィ!』
よーし。あっ、
「分かってると思うがステルスキルだぞ?良いな?」
『ピィッ!』
「「えー」」
「派手に行ったら駄目か?」
「駄目だ。なんでフラーマより物分かりが悪いんだ………。とりあえず今はまだな」
俺の予想が正しいなら、もう少ししたら、具体的には1週間くらいの間に派手に戦う羽目になる日があるだろ。
「しょーがないなぁ………。覚えたての、『サイレンサー』」
「あ、もう少し近づくまで待ってくださいね」
よし…………
「合わせろ。3、2、1、今!」
「シッ!」
「セイッ!」
そして俺達が1体ずつゴブリンを仕留めた瞬間、カシュン!と言う小さな音がなり、残った2体のうちの片方の頭が弾けとんだ。うーん、普通だったらグロいな。まぁポリゴンだからいいが。子供には見せられんな。ん?あと1体?それはな……
『ピィッ!!』
『ギョボッ………』
フラーマが鳴き声をあげると同時に、ボン!と音を立てて爆散した。何が、だって?ゴブリンが身体の中から弾け飛んだんだよ。これ以上説明すると気持ち悪くなる奴がいそうだし、説明は控えるがな。
「グロいねー、フラーマちゃん」
「えげつないな……」
「良い趣味です。仲良くなれそうですね!」
「「えぇ……?」」
ダモンの発言にアオイもナオキもドン引きした。俺もドン引きした。ヤバすぎるだろこいつ………。ん?俺の説明で既に想像出来るって?そんなもん知らん知らん。
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