第五話 ボスの位置の聞き込み
さて、ボスを殺りに行くって言っても、ゴブリンの森にいるって事しか知らないんだよな………。あのマップ案外広くて探すのめんどくさいんだよな……町で聞き込みしてみるか?とりあえずギルドでプレイヤー探して聞いてみることにしよう。じゃ、ワープするか。………ペットも一緒に跳べるよな?
「フラーマ、行くぞー」
『ピヨッ!』
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うし、ギルドに着いたし、誰でも良いから聞いてみよう。うーん…………。と、周りを見ていると、パーティーらしき3人組が目に留まった。特にこれといった理由もないが、なんだか気になったから、そいつらに聞いてみることにした。
「すまん、ちょっと聞きたいことがあるんだが良いか?」
「あぁ、大丈夫だ…ぞ………!!?」
声をかけた薄紫色の髪の男は、何故か振り向いて俺を見た途端に驚いた。思わず、
「…………俺あんたになんかやったか?なんでそんなに驚く?」
と、聞いてしまった。俺このゲームで人に迷惑をかけた覚え無いんが………。肩に乗せてるフラーマに驚いたのか?
「あ、あぁ、すまん、なんでもないんだ。ただあんたとんでもない装備着てるからな。それに驚いたんだ。それとその……鳥?にもな」
あー、やっぱりか。そういや装備も今じゃまだ絶対に手に入らないようなやつだからなぁ………。
「まぁ自己紹介させてもらうか。俺はカイトだ。よろしくな。で、この肩に乗ってるのがフラーマだ」
「俺はギール、こっちがフィスト。そして、我らが女神!カーラさんだ!!」
「フィストだ!よろしく!」
「女神は止めてって言ってるのに……もう。カーラよ、よろしくね~。まさかここでお話出来るとは思わなかったわ~」
ん?向こうは俺の事を知ってたみたいだな?
「あんたは知らんだろうが、あんたと一緒にいた女の子。あの子がナンパした男をこっぴどくフッた所を見てた奴は、結構いるんだぜ?」
あぁー……あの時の………あれ見られてたのか。そりゃ顔覚えられるよなぁ……でも俺あんまり関係無くね?と言うと、
「いやいや、あの時点でその装備なんだから注目されるに決まってんだろ!それで、名前も聞いて掲示ばn………」
「「ギール?」」
「はいなんでもありません」
「……………?」
なんて言いかけたんだ?まぁ良いか………。
「あっ、そういえば何か聞こうとしてたわよね?何を聞こうとしてたの?」
「おっと、忘れるところだった。ゴブリンの森のボスの噂を聞いてな。こいつのレベリングついでに殴りに行こうと思ってな」
「あー、確かにボスは見つかったな。ザ・定番ってやつが」
「倒したことはあるか?」
倒したことが無きゃ居場所は分からんだろうからな……いや調べれば出たのか?まぁ声かけちゃったしこのまま行こう。
「そりゃあるさ、なんせ……」
「見つけたのは俺達だからな!!」
「そ、だから居場所も分かるわよ」
マジかよ、大当たりじゃねぇか。
「マジかよ、大当たりじゃねぇかみたいな顔してるわね?」
「あんたはエスパーか?」
なんで一語一句間違えないんだよ、怖いわ!
「ま、まぁそれは置いといて、教えてくれないか?」
「良いわよ~」
「俺もオッケー」
「俺も良いぜ」
やったぜ、レベリングにも良いだろうしラッキーだ!
「でも、少しでも良いからあの、ヴォルド?とか言うあのボスについて教えてくれないかしら」
ヴォルドか…………。まぁ教えてもなんのデメリットも無いし、言いふらさないように条件付けとけば良いかな?
「教えるのは良いが、あんまり言いふらさないでくれよ?仲間がキレるかも知れないからな………」
「「「それはもちろん!」」」
よし、じゃあ教えていくか……
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「まさかそんなギミックがあるなんてねぇ………」
「突破のしようが無くないか……?」
「多分なんかボスを倒せばアイテムが手に入るんじゃないか?ゴリ押しで突破したカイト達がおかしいだけで………」
「俺もフィストと同じ意見だ。さすがに腕がないと突破できないなんて事はないと思う。ま、助かったよ。すぐ言ってみる」
「おう。役に立てたなら良かったぜ!」
「フレンド登録もありがとうね」
この後ももしかしたら何か情報を貰えるかも知れないし、フレンド登録をしてみた。アオイ達以外では初めてのフレンドだ。今度アオイ達も紹介したいな。ま、今はボスだな。定番も定番、ド定番なボス。『ゴブリンキング』だ。
-------ゴブリンの森・最深部-------
さて、ここがギール達が言っていた位置のはずだが……おっ?
《フィールドボスとの接触を確認》
《小鬼族の王:種族名〔小鬼王〕:level30》
《接触したプレイヤー カイト》
《戦闘フィールド生成、及び隔離》
《完了しました》
《boss battle start》
よし!合ってたな!うーん、めっちゃデカイゴブリンだな。ゴツい大剣持ってるし。ご丁寧に王冠被ってやがる。まぁさっさと倒しちまおう。と、その時、
「あーっ、間に合わなかったぁ……」
「先に行かれちゃったか………」
「待つしかないかなぁ、でも一人だし負けてくれると助かる……」
と言いながら走ってきた3人組がいた。なんだあいつら、失礼だな。
「よしフラーマ、とっとと倒すぞ。レベリングするにはちょうど良いだろ?」
『ピッ!』
良い子だ。さて、本気で行くか!




