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From Abyss  作者: バルト
第一章 「新たなる神」
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第二話 変態

 さて、学校から戻ってきて、前から何度も来ていて、行きつけになっているファミレスに入ったところまでは良い。俺が提案したんだからな。だが………


「そんなに食って、金は大丈夫なのか!?」


 こいつらアホみたいに食ってやがる!まさか俺に奢らせるつもりじゃ無いだろうな!!?


「え?そりゃそうでしょ?」

「だよねぇ?」

「そうですね、だって」

「「「燼宮くん(さん)が奢ってくれるんでしょ(ですよね)?」」」


 やっぱりそうだったよ!こんなことだと思った!!


「ハァ……まぁ良いがな?俺の財布も無限じゃないんだ、そこは考えてくれよ?」


 ホントに頼むぞ?


「「「分かってる分かってる」」」

「………いつも通り仲良しでらっしゃる…息ピッタリじゃないか」




 手持ちギリギリで何とか払えたが、財布が恐ろしいほど軽くなってしまった………後で下ろさないとな。さて、と。


「腹一杯食ったんだ、そろそろ帰るぞ?」

「そうだね、やっぱりいつもの所は安心するね」

「なんだか温かいですよね」

「じゃ、碧の家に行くか」


 何があるんだろうな?


「ふっふっふ………期待してくれてていいよ?4人分手に入れるの大変だったんだから!」

「へぇ?」

「楽しみですねぇ」

「碧さんが用意してくれるんだ、きっと凄いぞ!あぁぁ、楽しみ過ぎて……我慢出来ない!!」


 おい、ちょっと待て…我慢出来ないってまさか!?


「今すぐ田嶋を止めろぉ!!」

「皆様ァ!脱皮しませんか!?脱皮はいいぞォ。マジで気持ち良すぎだろォ!さぁ、はやくゥ!新しい自分を解き放つんだ!心の革命はもうすぐだぞォォォ!」

「うわぁー!!!」

「こんな天下の往来でとんでもないことを叫ぶんじゃねぇ!!というか服を着ろォ!?」

「嶋ちゃぁぁぁぁん!!」


 もう無茶苦茶だ!!見ての通りこの男、田嶋 直樹にはとんでもない脱ぎ癖がある。少し精神が高揚しただけで所構わず脱ごうとする、生粋のド変態である。暴走し始めるとどうしようもないから、張り倒してでも黙らせなくてはいけない。


「碧、駄文、左右の手押さえてろ!気絶させる!!」


……………………………………………………………………………




「とりあえず黙らせられたな…いつ目を覚ますかわからん、このまま碧の家まで行くぞ」

「「はーい………」」


 疲労困憊になりながら、俺達はようやく碧の家へ向かうのだった。




挿絵(By みてみん)

彩田 碧のイメージ画です

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