第二話 孵化
さて、卵にMPを注いで行こうか。あいつらはログインしてない、と………。ま、最近結構濃かったしな。別のゲームでもやってんのかね?それはもう置いといて、MPか………おっ。
《幻獣の卵にMPを注ぎますか?yes/no》
楽で良いな………もちろんyesっと。
《どれほど注ぎますか?4分の1、半分、全て》
全てで良いか……MPポーションも買ってきたし。クソ不味いのを我慢すればなんとかなるだろ。
《完了しました》
「おぉ、光り始めたな………うっ!?」
すげぇ吐き気が………MP切れってやつか……?さっさとポーションを………マッズ……………
「最低な気分だ…………まぁやれるだけやるけど」
わざわざNPCショップのポーションを在庫が無くなるまで買い占めて、迷惑料としていくらか置いてきたんだ、全部使い切るまで注いでやる……!
30分後
………………使いきった。もう飲みたくねぇ…………。とりあえずもうログアウトしよう。
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「あ゛ーー……腹へったな、なんかあるかな…………」
今日は父さんも母さんも道場だし、出来合いの物がなかったらなんか作っとくか………もう1時だしな。
「やっぱなんもないよな…………冷凍の米と卵、ケチャップはあるから、オムライスでも作るかな」
…………………………よし出来た。二人の分はー……作っとくか。
「よし、二人の分も完成、早速食うか」
やっぱりオムライスの卵は半熟だよな……ゲームで卵を孵そうとしてるのにこっちで卵食ってんのなんかやだな。気にしたら負けだ、さっさと食っちまおう。
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さてと、もっかいログイン……MPは全快か、注ごう
《完了しました》
うぅ、気持ち悪い………後は進化したスキルの確認しとくか。
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スキル:パッシブ:獄炎の剣士
説明:剣の心得を持ったものが、炎を使い戦い続けた結果、炎を纏わせ戦えるようになった。
スキル効果:炎系属性攻撃力上昇。また、スキルツリー『獄炎剣』を解放
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「………どうなんだこれ」
よくわかんねぇなぁ………スキルツリーってのもわからないし、炎系属性の攻撃力が上がるのは嬉しいが今はそんなに多様してない。通常攻撃が弾かれるからスキル使うしか無かったし。まぁいい次行こう次。といっても最後だがな。
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スキル:アクティブ:燃え上がる憤怒
説明:彼の怒りは収まること無く、今一層強くなる。怒りは彼の強さを呼び、彼の更なる憤怒を呼ぶ。
スキル効果:
攻撃力+100%
物理防御力+100%
魔法防御力+100%
スキル効果+100%
任意発動、またはHPが50%を下回った時に自動的に発動する。効果時間10分。自動的に発動した場合は、効果が10倍に、効果時間が2倍になる。クールタイム1時間。
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「えぇぇ…………ぶっ壊れすぎじゃね…………?」
なんだ+100%って。しかも自動発動したら+1000%で、効果時間20分とかマジ?自動発動のラインもだいぶ緩いぞ……ナーフされそうで怖いな…………。CT1時間ってのも大概だがな。効果の割にCTが短いし、このままなら普通にメインで使えそうだ。うーん…………暇だな、他のもチェックしよう。
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スキル:パッシブ:破壊者
説明:悉くを破壊する者。
スキル効果:敵の部位や装備の耐久値に対するダメージが増加する。
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うん、まぁまぁ使えるな。でも出来ればヴォルド戦の時に鱗を突破して欲しかった……。スラッシュとパワースラッシュは良いか、他は……
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スキル:アクティブ:ルナスラッシュ
説明:月の魔力を纏わせ、敵を切り裂く。
スキル効果:月が出ている時、ダメージ4倍。
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スキル:アクティブ:暗黒召喚
説明:この世の闇を召喚する。
スキル効果:対象を拘束し、持続ダメージを与える。
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スキル:アクティブ:邪悪結界
説明:聖なる攻撃を遮断し、邪悪なる攻撃を吸収する結界を作り出す。
スキル効果:聖属性系攻撃無効、闇属性系攻撃吸収。闇属性系攻撃を受けた場合、HPを一部回復する。効果時間30分。
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スキル:アクティブ:堕落魔法
説明:あらゆるモノを堕落させる。
スキル効果:スキルを幾つか内包している。
現在使える魔法
・攻撃力堕落
・物理防御力堕落
・魔法防御力堕落
・スキル堕落
・装備堕落
・レベル堕落
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「うーーん、最後かなり壊れてんなぁ」
もう疲れてきたし、今日はこれで終わりにしよう………。
-----------翌日-----------
「よし、そろそろ孵化すんだろ、ログインしよう」
父さんも母さんも、今日はなんか門下生全員連れて遠征とか言ってたし、今日もいないだろ……オムライスはちゃんと食ってたが、冷めてるとか文句言ってたな。うるせーなら食うなー。って言ったら黙ったがな。よし、M・R・Gを着けて………
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「よし、ログイン完了っと……」
《幻獣の卵が揺れだした………》
「ナイスタイミング………かな?システム的に止まってただけかね?」
いろいろ考えつつ、幻獣の卵をインベントリから取り出した。おぉ、揺れてる揺れてる。
《コツ………コツコツ……コツコツコツ…………と、音が鳴り出した…………》
「おっ、ホントに中から音が……『ピシッ!』おうっ!?」
クソビビった……いきなりヒビが入ったな………
『パリッ!パキパキ……ッ!』
おっ!割れてきた!!中は…………なんも見えねぇ!?システムか!?
《今、卵が孵る!!》
「そんなシステムメッセージいらん『ピカー!』目がーーーッ!!?」
クソォ………何が生まれたんだ……ワイバーンから産まれたんだからやっぱワイバー『ピヨピヨ』ン……は?」
思わず声が出てしまった。なぜならそこにいたのは……
『ピ?』
「……………ひよこ?」
美しい深紅の羽毛の、ふわふわな『ひよこ』だった。
ちなみに見た目まんま可愛いひよこです。
まだ少ないですが新作『暗空の首狩り公』もよろしくお願いします!




