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From Abyss  作者: バルト
第二章 天に煌めく黒雷
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第十五話 共に

《ワールドアナウンス》

《遠雷の森ボス、鳴神ノ眷属:雷翼竜『ヴォルド』》

《討伐完了》

《討伐プレイヤー:カイト・アオイ・ナオキ・ダモン》

《新たなエリアへの道が開かれました》


は?


「うっそだろ、ワールドアナウンスとか聞いてないぞ!」

「まぁ仕方無いかと思いますよ?だってこんなに強かったし、何よりフラグがないと来れなさそうじゃないですか」


 うっ、確かに……でもなぁ………


「全プレイヤーに知れ渡るんだぞ?俺達の名前が。それもステージボス討伐者として」


《報酬を授与します》


 まぁ、良いもん貰えそうだし良いか!


「何が貰えるのかね?」

「楽しみだね~」

「ワタクシとしてはそろそろもうちょっとたくさんのスキルが欲しい所だな……」

「私は魔本が欲しいですね!」


《報酬として討伐プレイヤー全員が『幻獣の卵』を獲得します》

《通常称号【墜竜者(ドラゴンスレイヤー)】を獲得》

《【墜竜者】の効果により、スキル『墜竜撃』を獲得》

《雷翼竜・特殊個体の素材を獲得》

《スキル『飛翔』を獲得》

《キャラクター経験値及びスキル経験値を大量に獲得》

《閉ざされていた道が開かれました》

《途切れていた販路の開通により、NPCの店の品揃えが増加します》


「おおっ、良いな!レベルが5も上がったぞ!」

「ボクも良い感じだよっ!スキルも何個か強化されてる!」

「うーーん……元のスキルが少ないから、強化はされているが、あんまり変わらないな………まっ、称号で貰えるのは嬉しいけどな!」

「魔本はありませんでしたか………仕方が無い、良いでしょう」


 ダモンは何に対して許してを与えているんだ……?まぁほっとこう。それよりも………


「ワイバーンから出たのに幻獣の卵…………?」

「ボクもそれは思ったよ………」


 鑑定してみるか………

____________

幻獣の卵・紅

種別:???

説明:我々が地に墜としたこの竜は、新たな命を宿していたようだ。宝玉のように美しい殻は、金剛の如き硬さで、中の命を守る。だが、親を喪った子は、前へと進めるのだろうか。我々は、これで良いのだろうか。

____________


 えぇ………?説明めっちゃ重いじゃねーか…………?種別:???ってなんだよ?てか、ワイバーンとかドラゴンって幻獣扱いなのか??………………………疑問しか沸いてこなかったな。


「……どしたのカイトくん?」

「ん?何がだ?」

「いやいや、何がだ?じゃなくてな…………お前、固まってたぞ?」

「はぁ?そんなにか?」

「えぇそれはもうガッチガチに」


………………………


「これ見たら多分お前らもそうなる」


 俺は三人に鑑定結果を見せた。


「「「…………………………」」」


 ほらな。


  ※※※※※※少々お待ちください※※※※※※


「えぇ…………?いや、えぇ………………………??」

「親を喪った、か…………」

「これでは私たちが悪役ですねぇ…………」

「あぁ……気分が悪い。所で、お前らのはなんか色書いてあったか?」


 鑑定した結果、アオイが蒼、ナオキが緑、ダモンが暗黒だった。……………暗黒って色か?まぁ良いや。


「意識すると今すぐログアウトして寝たくなるから、もう考えるのやめてさっさと先に進むぞ」

「もう良い時間だけど、確かに次のエリアには行ってみたいよね」

「ワタクシも楽しみだからな。というかここでログアウトは出来んし、町に帰るのももったいない」

「…………そういえば、鳴神ノ竜、結局出てきませんでしたね?」

「あー、確かにな。もうここにはいないのかもな?それであいつを残していったとか?」

「「「なるほど!」」」

「お前ら考えるのめんどくさくなったろ」


 こいつらの飽き性もしょうがねぇな…………ま、俺もめんどくさくなったし、行くとするかね。


……………………………………………………………………………


「おっ、森が開けて来たな」

「お日様の光だー!」

「いやこれ仮想空間………まぁ良いか………」

「こういうのは気分だぞカイト」

「それに感覚が実装されてますからね。日の光に当たるのも気持ちいいと感じるのでしょう……………(多分)」

「今多分って言わなかったか?」

「気のせいですよ」

「そうか?………………ってアオイはどこに行った!?」

「何が~?」

「「「うぁぁあぁぁぁ!!?」」」

「ヒッ!?………驚きすぎでしょ………さっ、早く行こ?新しい町も見えてるよ!」

「お、おう………」

「ウッス……………」

「……………(心臓が止まるかと思いました………)」


________________________


 しばらく歩いて、ようやく新しい町に到着した。『商業都市デイザックス』と言うらしい。詐欺とか実装されてねぇだろうな……?


「綺麗な町だね~」

「ホントですねぇ」

「うーむ……ワタクシはあんまり好みじゃ無いなぁ…」


 確かに、城壁が真っ白で、いかにも清潔そうだ。俺も綺麗だと思うが………


「ナオキはどんな色が好きなんだ?」

「緑だ!」

「苔むしてねぇかそれ………?」


 こいつの美的センスはわからん。


「おや?ようこそデイザックスへ。こっちから来るとは珍しい。どちらからお越しで?」


 城門前にたどり着くと、二人いる守衛の内のピシッとしている方がが話しかけて来た。


「あぁ、アルフレアから来た。ま、ライトニングワイバーンなんぞいたら来れる奴なんてそうそういないだろうしな」


 すると、もう片方の守衛が、


「ライトニングワイバーンだと!?……ってもう倒したのか。あんたら、強いんだな。尊敬するぜ!」


 こっちは気安そうだったが、イメージ通りだったな……守衛がだらけててどうするんだと聞きたいが。


「入っても?」

「あぁ、どうぞ!では改めて………」

「「ようこそ、デイザックスへ!!」」


 これいるか?ま、歓迎してくれてるのかね。二人に見送られて町に入ると、これまた綺麗な家がたくさんある。


「やっぱりこっちの方が栄えてるね」

「商業都市らしいしな」

「とりあえずギルドに行きませんか?ワープ出来るようにしておきたいですし、もしかしたら報酬が出るかも知れません!」

「よっしゃ行くぜ!」

「あ、おい待てナオキ!」


 あいつを一人にするのはいろいろ不安しかない!!

……………………………………………………………………………


「ようこそ、ギルドデイザックス支部へ!ご用件はなんですか?」

「いや、遠雷の森の話なんだが……ライトニングワイバーンがいたってのは知られていたか?」

「えっ!ライトニングワイバーンって……アルフレアから来たんですか!?」

「あぁ。討伐クエストが出ていれば取り下げるように言おうと思ってな」

「もちろん出ていましたよ!報酬を用意しますね!…………おや?もしかして、幻獣の卵をお持ちでは?」

「あぁ、持っているが……何でだ?」

「よろしければ売っていただけないでしょうか?宝飾品として人気なんです」

「宝飾品?卵なのにか?」

「はい、幻獣の卵は、孵化の条件が分からず、そのまま死んでしまうんです。そうすると、卵は輝きを失い、塵になって消えてしまうんです。ですが、魔法を使って特別な処理を施せば、卵の美しさを保ったままでいるんです。もちろん、中の幻獣は死んでしまうようですが」

「…………………」

「いかがですか?」

「………………いや、遠慮しておく。俺達が初めて孵化させて見せるさ。なんせ俺達は、『プレイヤー』だからな」

「そう、ですか………では、頑張ってください!」


 おや?案外簡単に退いたな?もっと渋られると思ったんだが……


「私も、本当は卵を宝飾品にするのに反対なんです。でも、孵す方法が無いなら、その方が良いだろうと言われてしまってはどうしようもありませんから……」

「そうか。なら、俺達が孵化の条件を確立して見せるさ」



《称号【共に、前へ】を獲得しました》





これにて第二章は終了です。

下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけるとと作者が喜びます。

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