第一話 学校
作者があまり時間がなく、趣味で書いているため、可能な限り定期更新を目指しますが、不定期更新となります。
25XX年、夏真っ盛りのとある学校の教室にて
「「やっと終わったぁぁぁぁ!」」
そんな声が響いた。
「いやー長かったなぁ」
俺、燼宮 凱人はとなりにいる少女に向かってそう言った。それもそのはず、俺達は夏休みに入って一週間なのに、今の今まで補習を受けていたのだ。
「ホントだよねぇ」
そう言うのは、俺達の中での紅一点、彩田 碧だ。昔から表情が優しげな上に、顔に髪がかかっていてとても優しそうに見えるが、別の教室にいるあいつらと比べて飛び抜けて活発で、少しその……Sっ気があり、承認欲求も強い。だが、美少女ではあるので告白されることが多いのだ。(まぁこっぴどくフラれるのだが)
「もうあいつらも補習終わってるだろ、迎えに行くぞ」
碧にそう言って、タブレット等が入ったカバンを持った。
「はいはーい。あ、そうだ、渡したい物があるから後でボクの家に行こう?」
「なんだそりゃ?」
「そりゃヒ☆ミ☆ツってね!」
全く……いつもこいつはこうだ。そんなやり取りをしている間に目的の教室に着いた。なんだか騒がしいな………?
「うぉぁぁぁぁぁ!?」
「嶋ちゃん?嶋ちゃぁぁぁん!!」
あぁ…………またかよ…………
「いつも思うが何やってんだよお前らは…」
教室の中で二人いる男のうちの片方が、玩具のナイフ(刃が引っ込むタイプのだな)をもう片方の腹に押し当て、自分で刺しているにも関わらずその男に対して悲しみのこもった声をかけている。
「あぁ、燼宮さん」
「そっちも終わったか!」
平然とそう言って荷物をこちらに持ってきた二人、秋崎 駄文と田嶋 直樹は、いつでもどこでも、暇を見つけてはこうした寸劇をしている。意外とバリエーションがあって飽きが来ないのがまたムカつくんだよなぁ。
「そんなことに時間かけてないで、さっさと帰るぞ!碧がなんかくれるらしいしな」
「「そうなんですか、碧さん!!」」
「現金過ぎるだろ……」
「あはは…まぁ良いよ、帰ろ?」
それもそうだな……よし。
「やっと補習が終わったんだ、いつものファミレスで飯食って帰るぞ!」
「「「おー!」」」
やれやれ。