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From Abyss  作者: バルト
第二章 天に煌めく黒雷
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第九話 『遠雷』の伝承

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『遠雷の森』。それは遠くより響く雷鳴より名付けられた場所。しかし、音に惹かれて向かうことなかれ。雷鳴響く中心には、森を支配する『王』が座す。その怒りに触れれば、全ては灰塵に帰す。大いなる光に包まれて、全ては世界より消失す。彼を呼び覚ます事なかれ。それは滅びを齎す王である。

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「と、まぁこんな事が書いてある石板があったぞ」


 あの実験の後、俺達は遠雷の森に来ていた。あのレーザーを防げるのか調べるためだ。装備の耐久値は減らないように出来ると分かったが、だからといってあれを防げるかは分からないからな。今はダモンがピンを刺した場所に向かっているんだが……途中で廃墟のような場所があったから探索していたんだ。どうやらダモンが逃げた道とは違ったようで、廃墟があったなら何か情報があるかもと探してみたがビンゴだ。どうみてもおかしいほど目立つ石板が鎮座していて、伝承らしき事が書かれていた。やっぱりボスがレーザーを撃っていたらしい。いや、ギルマスから聞きはしたがどうも信じられなくてな……


「『王』とはこれまた…………偉そうですねぇ」

「え、そこ……?ボクとしては『音に惹かれて向かうことなかれ』って所が気になるなぁ。絶対居場所のヒントじゃない?」

「あぁ、それは俺も思った」


 フィールド内でここまで頻繁に音が鳴ってるなら、それはギミックの一部の可能性もある。昔のゲームに似たような物があったしな。某巣から奪ってきたモンスターの卵を孵化させてそれに乗って戦うゲーム。あれに雷がなってる方に行かないと延々ループし続けるステージがあったはず。ん?そうなるとパクリか?まぁ面白ければ良いだろ。


「じゃ、とりあえず音が大きくなる方に向かって歩くか。あのレーザー弾けるか調べたいし」

「ホントに出来るのぉ?いや、カイト君が強いのは模擬戦で分かってるけどさぁ……?」

「ま、無理だったら死に戻りしてから笑えば良いだろ。そうしなきゃずっと前に進めないからな」

「…………急に良いこと言い出すね」


 そうか……?まぁ良い、さっさと確かめに行こう。

________________________

 さて、ダモンがピンを刺した場所まで来たが………何も無いな?


「本当にここなのか?何もないし何も起こらないぞ?」

「おかしいなぁ…ここでナオちゃんが吹き飛ばされたんですがねぇ…………だよね?」

「あぁ、あってるはずだ。見覚えがあるしな」


 いや………見覚えがあるも何もほとんど景色変わらんだろうに…………ま、こいつらが言うならそうなんだろう。ひとまず雷の鳴る方に進んでみよう。


「とりあえず進んでみるぞ。いろいろ確かめないと一向に終わらん」

「「「おー!」」」

「良い返事だ、気合い十分ってな」


 さて、雷鳴は…………こっちか。何があるのかねぇ。

________________________

 そうしてしばらく進んだ後、突然地面が固くなった。これは………


「道、か?」


 3つに分かれている道が現れていた。さてはここからが本番ってか?お、石碑があるな。見てみるか。


「『鳴神ノ竜伝説』……?ずいぶん大きく出たな」


 鳴神か、雷の神の事だしそこまでおかしくは無いな。でもそうすると『雷神の竜』って事にならないか?……………細かいことは気にしないでも良いか。ハゲちまう。


「鳴神ノ竜ね………ボクも雷を操るようになったんだし、殴り込み(挨拶)しに行った方が良いよね!」


 相変わらず物騒なこと言うよなぁ……殴り込みに行くのはその通りだが。さて、内容は………

========================

彼の竜、翼を持ちて天に君臨す。

彼の竜、爪牙を持ちて世に覇道を唱える。

彼の竜、雷の吐息を持ちて全てを焦がす。

我ら、それを受け入れるのみ。

彼の者、剣を持ちて彼の竜に立ち向かう。

彼の者、盾鎧を持ちて彼の竜の覇道を妨げる。

彼の者、無双の覇気を持ちて雷を防ぐ。

我ら、彼の者に光を見いだす。

一体と一人、日と月が7度入れ替わるまで剣牙を交える。

竜は地に墜ち、人は天へ昇る。

一体は潰え、一人は去る。

我らは伝える者。この物語を語る者なり。

========================

「…………………………ムズくね?」

「…………………………うん」

「そうですね」

「さっぱりだな」


 とりあえずレーザーを撃ってきたのが竜……ドラゴンって事は分かったがな?あと人は天へ去るって…アオイが倒したのは…………いや、まさかな。


「分からんって事が分かったし、雷の音を目標に進むぞ」


 それしか道標は無いしな。





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