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From Abyss  作者: バルト
第二章 天に煌めく黒雷
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第八話 レーザー対策と実験

「さて、判明したぞ。あのレーザーの正体」


予定がうまく合わず、あれから数日後にあの受付嬢を説得(脅迫)してギルドマスターから得た情報をカフェで碧達に伝えていた。なかなか面倒だったが、それは強いとかそういう面倒ではなく相手にすることに対する面倒だ。ま、あれだけボコボコにしたんだから、次からはもっと楽に行くだろう。行かなくてももう一度伸すだけだ。


「なんか考えてるみたいだけど、それは今は置いといて早く教えてよ。気になって仕方なかったんだから」

「そうですよ、私だって何が嶋ちゃんを消し飛ばしたのか気になっているんですから」

「ワタクシをデスペナに追い込んだんだ、その償いをさせなくてはな………!!」


こいつら…………


「とりあえず黙れ、ここの支払い奢らないぞ?」

「「「サーセン」」」

「よし、田嶋を消し飛ばしたあのレーザー、その正体はどうやらボスらしい」

「おおっ!やっぱりこのゲームにもいるんだ!!というかまだ全然情報が無いからね。ボク達が最初にボスを見つけられたなら、有名になるチャンスだよ!!」

「有名になるのはさておき、最初にボスを討伐したなら何か特典があるかも知れません。それは是非とも取ってみたいですね~」

「ワタクシは消し飛ばされた恨みを晴らすために真っ先に殴らないと気が済まん!」

「やる気十分なようで何よりだ。で、あのレーザーを避ける方法だが…………」


ゴクリ…………


「分からんかった!!」

「分からんのかい!」


碧にひっぱたかれた………イテテ………


「とりあえず落ち着け、分からんかったというか、NPCでも知らなかったんだよ。ギルドマスターでさえもな」

「えぇ~……」

「ギルマスですら分からないなら、どうやってあれを回避するんだよ。あんなんじゃ近寄れないぞ?」

「私と嶋ちゃんと燼宮さんの二人で弾きながら行きますか?かなりリアルに近い物理エンジンが積まれているので、剣技なども再現出来るかも知れませんし」

「確かにな。だが、お前らの武器は耐久値があるだろう?耐久値の減り方がどうなるのかが分からん。ひとまずは実験して、上手く行ったなら最後の手段としてそれで行こう」


そうして俺達はカフェを出て、各々の家に帰ってカオティック・アビス・オンライン…………CAOで良いか。CAOの中で落ち合う事にした。


……………………………………………………………………………


所変わってCAOの世界。初期フィールドで俺達もお世話になったゴブリンの森で、俺達は実験をしていた。今回はゴブリンが普通にいる。前回は運が悪かったみたいだな。とりあえず………


「燼宮流鏖剣術・一の型・研閃」

「ギギィ!?」


ズバン!


「おぉ、相変わらず良く斬れる。流石だな」


そう言いながら俺はゴブリンに向かって剣を袈裟懸けに振り下ろした。


「ギェェアァ……」


やっぱり良く斬れる。しかも本当に剣技も再現出来るとは。父さんと母さんにこのゲームを勧めてみようかと思うほどの再現度だ。


「だが、やっぱり耐久値が無いから軽減出来てるのか分からないな………あいつらどうだったんだろうか」


……………………………………………………………………………

「よし、嶋ちゃん!さっさと実験してリベンジに行くよ!」

「任せろ駄文!あいつをぶち抜かないと気が済まん!!」

「じゃあ剣技使うよ!秋風流刀術・三の型・風斬!」


シャッ!


「ギィ!!?」


良いですね~、ゴブリンの持っていた剣を真っ二つに出来ました。ま、錆びていましたがね。現実なら間違いなく出来る事ですが、刀を痛めないように敵の武器を破壊する、説明もかなり難しい技です。体で覚えてしまったので、弟子が出来た時教えるのが大変そうです………さて、動きだけなら再現出来ましたが…………耐久値はどうでしょう?

____________

魔刀・纏哭

耐久値:450

____________

よし、今は削れてないですね。このまま実験を続けて行きましょう。嶋ちゃんはー………


「ハーッハッハッハ!かかってこいゴブリン共ぉ!ワタクシの実験台になるが良い!!」


何の問題も無さそうですね。なら、私も実験を続けて大丈夫そうです。


「アッハッハッ!衝天流槍術・六の型・徹突!!」


うーん随分鬱憤を貯めていたんだなぁ……楽しそうにしています。さて、次は武器を極力痛めずに弾く『柔跳』も試してみましょう。一応『剛跳』も試しますけどね。簡易の耐久値回復用の砥石も買ってきましたし、しばらく試せますね。しかし…………


「私も早く耐久値無限の武器が欲しいものです………」


まぁそんなことを言っていても仕方ありませんね。さっさと実験を終わらせるとしましょう。

……………………………………………………………………………


「さて、実験の結果はどうだった?」


1時間後、俺はナオキとダモンにそう質問していた。俺とアオイのは耐久値が無限だから、どうやっても実験で耐久値の消耗を抑止出来るのかという実験は出来ない。いや、武器を新しく買えば出来るが、さすがにそんな無駄なことは出来ないししたくない。だからこいつらに頼んだが……


「はい!成功ですよ!!耐久値の消耗速度が遅くなっていました!」

「あぁ、武器にひどい負担がかからなければ消耗は減るらしい!おそらく、現実での破損が耐久値の消耗に繋がっているのだろう。武器が破損しない受け方をすれば、消耗も少なくなるようだ」


それは重畳。これで、少なくとも強引に突破するという方法も視野に入るな。だが、他にも方法があるはずだ……あれは、ギミックなんだろうからな。だからこそ、もう一度遠雷の森へ行かないと、だな。


「遠雷の森に行くぞ!あの場所の秘密を解き明かしてやるんだ!!」

「「「おーーー!!」」」




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