第三話 魔女
……………………………………………………………………………
「……………ファ、ま…………のか?」
《い……………じょう…………す、ま…………》
音が、聞こえる。いや、これは、声、かな?
《から……………れば………………ます》
「な……ほど、………ろ、おい!」
……?カイトくんの声だ。町に戻された訳じゃないのかな。
「さっさと起きろ!さっきの派手な爆発でモンスターが集まってる!!」
「わぁ!?なになに!!?」
急に身体が動くようになった!?どう言うこと?
「ALPHAが言うには、自分の放った攻撃の衝撃波に巻き込まれて、気絶の状態異常を受けてたんだとさ。そのせいでお前は身体が動かず、目も見えなくなってたはずだ」
確かに、さっきまで見えなかったなぁ。そんな状態異常まであるのか………結構危険だね………………あれ?何の声?
「とりあえず、戦闘も終わったし、ナオキとダモンと約束した集合場所に行くぞ……アオイ?」
《邪神の残輝level60討伐完了》
《討伐者・アオイ》
《報酬を授与します》
《特別報酬としてプレイヤー・アオイに称号【喜悦浮かべる星辰の魔女神】を付与しました》
《【喜悦浮かべる星辰の魔女】を獲得したため、装備品の進化を行います。》
《進化型装備で無いため、転生を行います。》
《ヘヴィボウカノンは『醒めぬ安らぎを貴方へ』へ転生しました》
《駆け出しのマントは『その身隠すは碧黒の雷』へと転生しました》
《【喜悦浮かべる聖辰の魔女神】の効果により、業魔人から邪神への神化を行います》
《……………失敗》
《level及び が不足しています》
《代替措置としては神化前の黒魔女への進化を行います》
黒魔女………?どう言うことだろう。カイトくん知ってるかな?
「なんか進化するって言われたんだけど………」
「あぁ、そういうことか。ならしばらく合流は無理だな。20分くらいその場から動けなくなるし」
「えぇ!?困るんだけど!死に戻り確定じゃん!」
「運んどくから安心しろ。少なくとも進化が終わるまで守っとくしな」
なら安心かなぁ?どのみち止められないみたいだし、諦めて守って貰おう。
《進化を開始します。》
《進化中は一時的に意識がシャットダウンされます。》
《危険を回避するため、体を横たえる事を推奨します。》
あー……寝かされるのか……確かに合流出来ないね。1人なら死に戻り確定とか、性格悪くない?
「じゃあ、進化が終わるまでよろしくね?」
「任せとけ」
《進化開始まで、10
《9》
《8》
《7》
《6》
《5》
《4……》
寝っ転がって、と……
《3》
《2》
《1…………開始》
本当に眠くなってきた。凄いなぁ……………
________________________
さて、アオイの進化が始まったし、モンスターが来たらサクッと殺っちまうか。あんなにカッコつけてアオイが死に戻りしました~とかなったら会わせる顔が無い。ま、来ないのが一番だがな。でも……
「そう上手くは行かねーよな」
俺の前には、白い狼がいた。なかなか綺麗な毛並みだ。残念だなぁ……何で残念かって?それはな?
「これから黒焦げにするからだ!『邪炎』!!」
「グルゥ!?」
さっき気が付いたが、邪炎は剣に纏わせるだけでなく、そのまま放出することも出来るようだ。だから、この程度のモンスターなら…
「グォァォォォアァ!?」
「狼の黒焦げ一丁上がり、っと」
余裕で即死だ。これを続けてれば、アオイの進化も終わるだろ。
「死にたい奴だけかかってきやがれぇ!!」
二人目の覚醒は引っ張ろうかどうか悩んだのですが、少し描きたいことができたので、さっさと覚醒させることにしました。そろそろ普通のプレイヤーもちゃんと描写したいんです( ´・ω・`)




