第十三話 (主人公以外)新装備
本当に800sだけで新しい装備を買えるのか?と思っているが、こいつらが買えると言うのだから買えるのだろう。そう(無理矢理)納得してやってきたのは武器屋だ。
「『星の鎚』って………仰々しい名前だなぁ」
「良い名前だよね!」
「え?」
「私もそう思いますよ!」
「ワタクシもそうだな」
マジかよこいつらは……まぁ名前なんぞどうでも良いか。作ってるやつの腕の方が重要だ。ここはプレイヤーの店らしいしな。実は結構楽しみだったりするんだよなぁ。
「ようこそ星の鎚へ!初めましてのお客さんかな?あたしは店主のラルナだよ!よろしくね!!」
「アオイです!こっちは右からカイト、ナオキ、ダモン!よろしくお願いしまーす!」
………無邪気で元気な所がそっくりだな、その二人。そんなのが揃ったら手がつけられないんじゃないか?
そんな恐ろしい想像が脳裏をよぎったが、まぁ大丈夫だろ。ゲームなんだから、『人と交流するな』なんて言えん。
「紹介された通り、俺はカイトだ、よろしく頼む」
「ワタクシはナオキです」
「そして私がダモンです、よろしくお願いしますね、ラルナさん」
「さて、自己紹介も終わったところで、みんなは何をしに来たのかな?装備の購入?買い取り?それとも強化?」
「クエストで結構お金が貰えたので、新しい装備を買いに来ました!」
「オッケー!四人とも同じ理由かな?」
「いや、俺は付き添いで来ただけだ。どんなものが売ってるのか気になるから、少し見たりはするし、欲しければ買うけどな」
「あー、カイトくんは新しいのいらないよねぇ…」
「ああ。だからお前らはゆっくり選んでてくれ」
「じゃ、三人が購入ってことかな?見た感じクロスボウと槍と刀かー……」
「何かあるんですか?」
「うぅん…槍と刀はあるんだけど、クロスボウは普通の値段で売れるのが無いんだよね…」
「………どういう事だ?」
「いやぁ、ちょっと良いやつしか無くてさ……予算は?」
「800sです!」
「お、まぁまぁあるんだね。それならギリギリ売れるのはあるけど…」
クエスト報酬全額かよ!大丈夫なのかこいつ!回復薬とか買っといた方が良いかもな…
「ワタクシもダモンも同じだ、それで買える一番良いやつが欲しい」
「オッケー、見繕ってくるね!」
「…………お前らは全く…なんで全額突っ込むんだ。回復薬とかはどうするんだよ」
なんとなく答えは分かるが一応聞いておく。すると、全員が俺を指差して、
「カイトくん(さん)が買ってくれるんでしょ(ですよね)(だろ)?」
やっぱりか…まぁ装備はいらんからこれくらいは構わんがな。
「お待たせ~、これだよ!」
「おー、これは……凄い!」
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アイテム:武器:ヘヴィボウカノン
説明:ラルナによって作られたクロスボウ。高威力のボルトを放てる。
スキル:パッシブ
遠距離攻撃ダメージ上昇・反動軽減
耐久値:300
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「威力が上がるのに反動も大きくならないなんて!最高でしょ!!」
「あとは槍と刀だね、持ってきたよ」
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アイテム:武器:風槍トルス
説明:ラルナによって作られた槍。風を集め、利用することが出来る。
スキル:パッシブ
鋭さ強化
スキル:アクティブ
操風
耐久値:500
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アイテム:武器:魔刀『纏哭』
説明:ラルナによって作られた刀。魔本と共に装備することにより、魔法を纏わせることが出来る。
スキル:パッシブ
切れ味強化・魔法纏
耐久値:450
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「おー、こっちもなかなか…ワタクシ好みの槍だ。」
「魔本ってどこに売ってるんでしょう!?買いに行きましょう!今すぐ行きましょう!!」
「落ち着け、まだ金払ってないし、スッカラカンのまま買いに行く気か?」
こいつ本が大好きだからなぁ……いや俺も嫌いじゃ無いが。ここまで酷いとある意味中毒だな。
「とりあえずあたしが出せる、みんなの予算で売って上げられる最高の武器だね。性能は保証するよ!」
「「「買った!」」」
「まいど~」
「またお世話になるかも知れないので、そのときはよろしくお願いしますね!」
「あはは、大きな依頼を期待して待ってるよ」
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「新しい武器も買ったことだし、今日はもうログアウトするかな?」
「そうだね~、流石にやりすぎたよ」
「ワタクシも多分向こうでは腹が減っているから、今日はここまでだな」
「私はクエストをやってから終わります。魔本を手にいれるまで休んでいる暇はありません!!」
「お……おう、無理すんなよ?」
「分かっておりますとも!」
「じゃ、また明日な」
「うん」「おう」「では!」
明日は何をするかな?
これで第一章 「新たなる神」は終了となります。次から第二章になります




