第十一話 ゴブリン討伐 燼宮 凱人編 後
ゲヘナに邪炎を纏わせながらゴブリン達の前に飛び出したは良いが、やっぱ多いな。とりあえずやってみるか。それが一番分かりやす、うおぁ!
「ギィ!ギャァァ!!」
「あぶねぇな!ハッ!」
ザグッ!
「ギョッ!?」ボッ!
そんな音が斬ったゴブリンから鳴った。なんだ!?
「グェァ、アァア"ァァ!?」
振り向いた俺が見たのは、傷から血ではなくどう見ても炎を吹き出して苦しんでいるゴブリンだった。それを驚いて見ているうちに、ゴブリンはあっという間に燃え尽きてしまった。
「なかなかエグいな…グハッ!?」
少しボーッとしすぎたかもしれない。いち早く立ち直った、デカいゴブリンに殴り飛ばされてしまった。
「イテテ…結構な痛みだな。HPは……ん?」
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カイト
HP:440
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ぜ、全然減ってねぇ…いやあと44回食らったらやられるけど、痛みの割に大したダメージじゃねぇ……
「もう油断しない。行くぞ!!」
スパッ「ギャッ!」ザクッ「ギョェ!?」ザン!「ギャァッ!!」
ボボッ!
首を狙って斬ってみたが、凄まじいな……これがアニメだったら子供には見せられん。邪炎の勢いで首がポーンとすっ飛んでやがる。
「まだまだぁ!」
その後もゴブリンの集落には悲鳴が響いていた。
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だいぶ減ったな……どう考えても60体位いたぞ……それでもまだ大量にいるんだから、もともと100体位いたんじゃないか?
「もう疲れた……そうだ、あのスキル、使ってなかったな。」
あの物騒な……そうだ。
「《悉くを焼き尽くす終炎》」
そうして、俺はモーション制御に合わせて剣を振り下ろした。
……………ズドガァァァォァン!!
閃光と爆風に目を閉じる。そして、目を開けた俺の前には、邪炎など比べ物にならないほど禍々しくそして恐ろしくも美しい紅黒の火柱が立ち上っていた。ゴブリンの集落だった場所は、炎によって焼き尽くされ、一瞬にして滅び去ってしまった。
「はは…………マジかよ」
MPはごっそり持っていかれたが、あと二回ほど撃てそうだ。だから………
「これはしばらく封印だな」
そう心に誓ったのだった。
ゴブリン討伐編はおしまい………の予定




