特別話 年末
タイトル通り特別話です。この章は時系列が無茶苦茶になる予定なので、メインストーリーは第一章からになります。
今年ももう終わりだ、そして俺達は毎年年末になると誰かの家に集まり、一緒に食事を取り、一晩中騒ぐということをしている。なんせ、年末年始家族団欒なんて何年もやれてない。親は大体道場などに籠りっきりになるからな。
「じゃ、凱人君が料理担当ってことで。異議のある人は?」
「「異議なし」」
「またか………まぁ良いがな。じゃあ誰の家でやるんだ?」
「じゃあ今年はボクの家で……」
「「「無しだ!」」」
「えぇー……」
流石に女子の家に男三人が泊まるのは無しだろ。言われるだけでも変態にはなりたくないぞ。
「もう今年も俺の家で良いか…………」
「「それでよし」」
「むー…」
とりあえずなに作るか考えないとな……
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(当日)
さて、準備は万端、後はあいつらが来て、晩飯の時間になったらだな。とりあえず年越しそばの用意は出来たから、昼飯だな。
ローストビーフとピラフ、スープ、後碧がクリスマスに鳥を食べられなかったって言ってたし、ローストチキンも………そしてその他etc。
これだけあれば行けるだろ。カマボコも買ったしな。
ピンポ~ン
「来たよー」
「来ましたー」
「来たぞ!」
「おう。全員いるな」
さて、後は夜までなんかやるか。とりあえず俺は料理の仕上げをやらないと。
「俺は仕上げをやるから、なんか好きにやっててくれ」
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「出来たぞ~」
「「「わーい」」」
「子供か!まぁ、とりあえず持ってけー」
さて、食うとするか!
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飯を食った後碧は寝てしまったので、とりあえず碧用にしておいた部屋に運んで寝かせた。何歳になっても変わらんな、こいつは。
さて、年越しそばの準備をするか。飯食ったばっかだがな。
俺の作るそばは基本的に鍋形式だ。そば、天かす、ワカメ、海老天、その他食う奴が好きなものを入れる。だから鍋じゃないと入りきらないんだよな。ま、事前に聞いてあるし、後は鍋に入れて少し煮立てるだけだ、食うときでいいだろ。パフォーマンスとして使えるし。
食卓にコンロを出して、あと汁も作っておこう。味見をするのに後でやるのは面倒だからな。
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ま、こんなもんか。後は夜まで待つ。その後は寝るだけだ。碧の奴、寝れるんだろうか。
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「そばやるぞ~、全員あつまれー」
「今行きます!嶋ちゃん早く行くよ!」
「おぅ………」
何であんなに凹んでるんだ………まぁいい、碧を起こしてこよう。
「碧!起きろ!飯だぞ!!って、流石に起きてるか」
「うるさいなぁ…半日も寝てるわけ無いでしょ」
ありそうで心配なんだよ……なんて口が裂けても言えない。言った日には何をされるか分からん。
「起きてるならさっさと来い、作れん」
「お、目の前で作ってくれるんだ、それは楽しみ!」
「いや、鍋に入れて煮るだけだがな…………?」
そうして、俺達の大晦日の夜は更けていった。
皆さん、良いお年を!