表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれることも飛ぶこともできない殻の中の僕たち  作者: はるかず
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/40

第28話 幸運

 ピヨが朝起きると、あのたまごに寄りかかっていた。

 覚えていないが、あの夜も心配で傍で温めていたのを思い出す。

 そうか、寝てしまったのか……と、目をしょぼしょぼさせながら、近くで寝ていたルヴナンを見る。ルヴナンも疲れ切ったように、草木の中で寝ていた。

 カタッ

 突如、たまごが背後で動いた。

 あっ!と、ピヨが振り向くと、確かに小さなたまごが動いていた。

「う、動いてる。動いているよ、ルヴナン!」

 ルヴナンを揺り起こし、直ぐたまごの傍に戻る。


 ルヴナンが信じられないようにたまごを見る中。

 おそるおそる、だが確信に満ちて、そっとたまごに触れるピヨ。

「あたたかい……」

 感動で、ピヨは涙を流す。

 無駄だと思っていた救助が、実を結んだように思えた。

 傍にカワウソが寄ってきて、ピヨの頭を撫でた。

「幸運だねえ、この子は。火が温めてあの世から返してくれたんだね」

 そういえば、とピヨは昨日の寝る前の事を思い出した。


 疲れて寝る前の事、対岸の火事が弱まっていくと同時に、この巣自体が温かくなっていた。 あの恐ろしい火の熱さが思い起こされる。

 そして、その火がこのたまごを助けてくれたのだと思うと、ぴよはひしっと卵を抱きしめた。ほんのりと、生を感じるたまごの温かさに、ピヨはホッとなる。

 ただ、助かったことにこころがぽかぽかするのを感じ入るピヨ。

 その様子を、ルヴナンとカワウソが温かく見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ