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生まれることも飛ぶこともできない殻の中の僕たち  作者: はるかず
第二章

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23/40

第23話 降ってきたたまご

 レアールは僻みながら、朝日とは反対方向に転がっていた。

「朝日なんて嫌いさ。見えもしないのに、どうしてありがたいのさ」

 世界への感動を共感しあうピヨとルヴナンの背に、自身の居場所を見いだせなかった。最初から、同じたまごだからという体で付き合ってきたけれど、元からずっと一緒にいるのは気まぐれだったのだ。

「こうやって、別れるのは最初から決まってたのさ」

 自嘲気味に笑うレアール。

 常緑樹の森を出て、草むらが広がる草原を転がっていく。

 まだ暗い東へ、東へと進むうちに、レアールはなんだか悲しくなってきた。

 唯一のたまごだった仲間がいなくなって、20匹はいた卵の兄弟たちは蛇に飲まれて、必死に戦ったお母さんも亡くなってしまった。

 その後、何もしないで死を待つことしかできなかったレアール。あのピヨとルヴナンさえ来なければ、永遠にそうしていただろう。

「お母さん、兄弟たち、どうして……」

 レアールはあまりの悲痛な思い出に、転がるのを止めてグルグルと過去の思い出に捕らわれ始めていた。


 しく、しく、しく


 泣く声がする。レアールの声ではない別の誰かが泣いている。


 しく、しく、しく


 レアールはその声に妙ないら立ちを覚えた。嘆きたいのはこっちだというのに、まるで自分が世界で一番不幸かのように見せつけるような鳴き声だった。

「いったい誰かな! こんな朝から泣いているのは!」

 泣いている相手を挑発するように、レアールは叫んだ。

 そのとたん。頭上から大きな卵が落ちてきた。

「ウワー!」

 レアールは衝撃で飛んだ。

 ごろごろ転がって、草むらでなければ割れていた衝撃だった。

「何てことするんだ。割れて生まれるとこだったよ!」

 怒り心頭でレアールは落ちてきたたまごに申し立てる。

「ごめんよぉ、僕が大きいから……!ごめんよぉ!」

 草むらの上に落ちた卵から、もったりとした声が帰って来たのだった。

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