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生まれることも飛ぶこともできない殻の中の僕たち  作者: はるかず
第一章 お誕生日おめでとう
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第15話 白鳥

自分が白い卵だということを知ったピヨ

他の卵の仲間は一体どんな色なのか知りたくなった

レアールも聞きたがって、あひるに問い詰める


しかし、一つの卵の制止する声によって

この話題は終わってしまう

聞きたくないといったのはルヴナン

僕は美しい純白の白鳥になるんだ

今の色がなんだってもいいだろう


怒ったように言うと、先へと旅を続けようとした

ピヨはなぜルヴナンが怒っているのか分からなくて

少し遠くからコロコロ転がってついていくことにした

レアールがピヨに、きっと可愛いって言われたのを嫉妬しているんだよ

と囁くが、ピヨはルヴナンがそんなことで怒らないことを知っている


ピヨがルヴナンに声を掛けようかと悩んでいると

さらさらとまた聞いたことがある水の音がした

あひるが自分の巣だ!と大きな声を上げて走っていった

全員があひるに続いて、水の音がする方へと転がっていった


大きな水のある場所に着くと、あひるがお母さんを呼ぶ

すると高いところから、白鳥がなく声がして降り立ってきた


「お母さん、ただいま! お母さんはこの泉で白鳥になったんだよね?」

「そうだよ、あたしは元々はあひるの子だったんだよ」


その答えにルヴナンは大喜び

どうやったら白鳥になれますか?と母鳥に聞いた

母鳥はあひるを遠くにやると、こっそりとルヴナン達に教えてくれる


ここは泉じゃなくて、白鳥たちが住む湖と言う大きな水がある場所である事

元々、白鳥自身があひるの巣で生まれ育った境遇であった事

あひるの巣から出て、この湖で自分が白鳥であることを

他の白鳥に教えてもらい、あひるではなかったことに気づいたこと


「じゃ、じゃあ、美しい白鳥に変身はできないんですか?」

「あのあひるには内緒にしていてね。あの子は自分があひるだって知らないの」


聞けば、自身が生まれ育ったあひるの巣は蛇によって壊滅した

生き残ったあひるを白鳥が引き取って、親代わりとして育てているそうだ


ルヴナンはここが美しくなる泉でないことにがっかりして

しばらくそっとしてほしいと言って黙ってしまった


ピヨは何とかルヴナンを励まそうとして、美しくなる泉の場所を聞いた

泉がある場所は、この湖を越えた先にあると白鳥は言った

良かったら背にのせて、湖を渡らせてあげよう

ピヨとレアールは大喜び。ルヴナンは黙ってうなづいた


こうして白鳥の背に乗りながら、湖を渡り

あひると白鳥から別れた後、新しく泉を見つける旅に出かけたのだ

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