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~群青~少女たちの戦争  作者: 群青
10/11

1話 初めの一射


第385830“事件報告書

その日は、地球温暖化の影響で雪が見られなくなっていた日本で7年ぶりに雪が観測されるなど珍しい1日でどの番組も雪の話題で盛り上がっていたが、その日の夜にもう一つ信じられない話が戦勝国連合の首相の耳元に届いた。日本の治安維持を務め更には、世界の大規模テロをほかの国などと対処などを行うジャッチメントの頭脳である京都・嵐山の総合指令室(general headquarters)通称G・Hが襲撃され、皇居などが立ち並ぶ赤坂にほど近い警視庁本部庁舎や市ヶ谷にある国防省本庁舎などの全治安維持部隊の本山も全て襲撃され機能不全に陥っていると。


最終的にはこの事件は後にテロ認定され第三次世界大戦後の日本で初めての死傷者が発生するテロとなった。そしてこの事件は首謀者の頭文字から“うた“事件よばれるようになった。本件でジャッジメントは総合指令部の壊滅などの、甚大な被害を受けた。最終的には首謀者自殺により3日で完全に鎮圧されたが、多数の国民が目撃していたために隠蔽措置がとれずに日本政府がテロ被害の報告を国際的に発表し収束した。このことによって第三次世界大戦から20年間守ってきた日本の安全神話が壊れた瞬間だった。

                           


~うた事件から数年前~


九州阿蘇山近くにあり交通の便から軍事関係施設がなかった為に、戦争の被害を受けずに昔ながらの田園風景が広がる高千穂町。県内一の広さを誇る町全体には田んぼが広がり、名所は高千穂峡や天照大神に由来がある天岩戸神社などがあり市は熊本市などの隠れ観光都市として、高千穂の街を宣伝しているが年間観光客は立地や交通網の関係から年間5万人ほどに留まり中々打開策を見いだせないでいた。土地の広さの割合には人が少ない、よく言えば静かな街そして悪く言えば財政赤字の人が居ない町の端っこにある国有地に”それ”はあった。


 “それ”とは『ジャッジメント西日本中央司令部』(West Japan Central Command)通称W・C・Cその名の通り西日本を管轄し、八王子の『ジャッジメント東日本中央司令部』(East Japan Central Command)通称E・C・Cと共に日本に2つしかない総合指令室の管理下の上級ジャッジメント司令部で、西日本における大規模テロ未遂の制圧や西日本で発生した全ての事件・事故の記録が保管されている西日本の平和の要であった。

 昔は、東日本中央司令部にも養成所があったが時代に変化によって東日本中央司令部の養成所は閉鎖され、日本で唯一のジャッジメント育成所保有施設でもあった。養成所では孤児やジャッジメント関係者の子が3~6年間の間で、半人前のジャッジメントになるように育てられている。


普段は関係者家族の立ち入りも制限されているが、養成所の卒業式の日のみは卒業生の家族の立ち入りが許可されていた。そのため殆どの保護者が息子・娘の晴れ姿を見に来ていた。しかし卒業式のメインである卒業生は憧れのジャッジメントの仲間入りに喜んでいるものも居たが、そのほとんどはドキドキしていた。何故なら、ジャッジメントは二人一組を基本に活動し、その組分けは卒業式後発表されてからであり一度決まったペアは死ぬまで変更されることはない。つまり全てのジャッジメントにとってペアは、一心同体・一蓮托生の関係になるからだった。


 今日卒業する70人はそれぞれがこれからの思いを持ち卒業式へのとびらをひらいたのだった。



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