ノコリカス
君の匂い 君の温もりも
ただ消したい 忘れたい
それだけなんだ それでいいんだ
昼前の教室
板書する教師と揺れるカーテン
馬鹿みたいだ
君のいる教室
暇そうな余白と回るシャーペン
つまらないな
君のことを何も知らないくせに
一目ぼれなんかで恋をして
甘い甘い毎日なんか妄想してる
そんな未来ありもしないのにさ
君のそばで笑っていられたなら
今は少し違ったのかな
あと一歩、勇気があれば
あと一歩、早かったなら
君に気づいてもらえたかな
どうしようもないな
しょうもないな、僕は
アピールも下手でベタで
ただ遠巻きに君を見てるだけ
直に君に触れる資格もない
君の残滓が薄れていく場所で一人溜息さ
君の匂い 君の温もりも
ただ消したい 忘れたい
それだけなんだ それでいいんだ
昼過ぎのオフィス
響く電話と積まれるタスク
どうでもいいな
帰り間際の喫煙所
燻る煙と回る換気扇
さびしいかな
君のこともっと知っていれば
人並みくらいの恋をして
甘い甘い毎日なんてあったかな
風に運ばれた君の匂いも
一度触れた右手の温もりも
消えずに残ってる、僕に
あと一言、約束すれば
あと一言、言葉にしてれば
君はここにいたかな、いてくれたかな
勘違いなら、早く消えてほしい
僕の中から出て行ってくれないか
招待状なんてさ、いらないからさ
思い出なんかも、捨てられないからさ
どうすればいいかもわかんないからさ
早く消えてくれ
さよなら、なんかいらないからさ
君の匂い 君の温もりも
ただ消したい 忘れたい
それだけなんだ それでいいんだ