7.世界観〜人名
前回は地名の話でしたので、今回は人名の話です。
■ゲストヒロインについて
このお話は毎回色々なヒロインが登場するので、覚えやすいようにアルファベット順で付けていくことにしました。また、あまりひねると読みにくいので、第二部の異世界の女性キャラを含めなるべく英語の人名を付けるようにしました。ただしディアーヌは隣国で出会うヒロインなので、英語でなくフランス語風です。
…という基本ルールを自分で設けておきつつ、ミスがいくつか。
第二話のヒロイン・ビビアンは、庶民上がりのキャラのつもりで最初は「ビビ」と名付けてましたが、なぜか本文の中で埋もれて名前を見つけにくかったので「ビビアン」に変更。
しかし、普通ビビアンの綴りはVivianで、ビビもやっぱりViviだということに後で気づきました。でも語感が気に入ってて変えたくなかったんです。そして、本文書いててどうもこのキャラの個性は……と考えると、VじゃなくBでいいじゃないか、むしろそうでないといけない気がした(特に二文字目のビ)ので、このままです。ヴィヴィアンではなくビビアンです。
第三話のヒロイン・シリーンの発想の元は、個性が全然違いますが映画『アンダーワールド』シリーズのヒロイン「シリーン」から。しかし、実はこれはギリシャ神話の月の女神セレネーSeleneの英語読みでした。でも語感が良くて(略
さらに、シリーンの次のエピソードのヒロイン・ディアーヌもローマ神話の月の女神ダイアナが由来なので、月にちなむキャラが続けて出てくるのもいかがなものかという悩みも発生。しょうがないのでセリーヌCelineと似た綴りなのだ、ということにしてます。
百合エンドのエピソードも出したいと考え、ならばヒロインの名前は当然リリーです(安直)。順番に付けてくルールなので、Lまで消化するために第二部のヒロインが渋滞することに。
でもエピソードのタイトルは基本的にゲストヒロインの名前なので、第二部に入っていきなり二名! その次は四名! というハーレム感&出オチ感が作者的には面白すぎたので結果オーライです。
十二話の「マダム・マギー」は語呂合わせで「マダム」と冠してますが伯爵夫人はマダムじゃないんですよね、実は。夫がクインシー伯なので、「カウンテス・オブ・クインシー」とかになるはずなんです。しかもマギーって愛称ではないですか。例えば真理子という名の伯爵夫人に対し、「マリ奥様」「マリちゃん夫人」とでも呼んでるようなヘンテコさです。分かってますが変えようもないのですみません。
(※2023/4/25追記
その後考え直して、十二話の章タイトルを「マーガレット・ザ・カウンテス・オブ・クインシー」に変更しました。
「マダム」という語感は捨てがたかったのですが…タイトル見ただけで、今度は人妻か、というのがすぐわかりますし。変更したことで、十一話に並ぶ変化球でかつ長いタイトルになり、お腹いっぱいなところへ十四話のアナスタシアおかわりに続く…という演出になります。)
■他国の人名
物語の中心的な舞台となるガレンドールでは英語風の人名を付けています。一番耳馴染みがいいですからね。隣国アルクアのキャラは、初登場が第四話。それまでのエピソードとは舞台が変わったことを示すためにも人名から異国=非英語圏にすることとし、これも手近なところでフランス風にしました。
シリーンの出身国トスギルは、かなりちゃんぽんな設定になってしまっています。彼女の養父ヴァシリイと対立派閥のグレゴリーは、本来はギリシャ語表記もされるらしいようですが英語読みっぽい印象ですね。とある歴史上の人物らに由来しているためです。
ところがスピンオフ『絹とオレンジ』で登場したキャラクターは、概ねウズベキスタン風です。これは、トスギルを(ガレンドールがナーロッパのどこかだとして)地理的に東方にあり、しかしそれほど遠くはないあたりと想定していたためです。東方というと大体中華風をイメージしますよね。そこまで東に行かないところ…西と東が出会う辺りでウズベキスタン風となりました。調べてみると人名はイスラム由来のものとウズベク由来のものがあるらしく、なるべく後者から取りました。イスラム風にするとフィニークと区別がつかなくなってしまうんですよね。あちらはペルシャ風なので。
■その他のキャラクター
ゲストヒロインをアルファベット順で大量に登場させているので、当初は他のキャラクターはまだ使われていないアルファベットから採用していきました。ウィスカーとかヴィンセントとか、ご学友の皆さんなど。ヨハンはY扱いです(もはや開き直り)。
しかし半分くらいオムニバスでスピンオフもあると、「この頭文字はこのキャラだけ」というわけにいかないので次第にこだわらなくなりました。
人名リストは、ネット上に西洋圏でよくまとまったものがあるので参考にさせていただいていました。また、ウズベキスタンやペルシアの人名リストも、検索すればそれぞれページが存在していたので有り難かったです。
人名に限らず、こんなマイナーでピンポイントなことわかるだろうかと思いながら検索したトピックもヒットするので、インターネットとは本当に便利だなとつくづく思います。